イグニス Research Memo(5):2020年9月期はゲームタイトル譲渡等により減収見込み
[20/03/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
2020年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、売上高を前期比28.2%減の4,000百万円と見込んでいるが、利益予想については現時点で非公表となっている。
減収予想となっているのは、前期に決定したゲーム1タイトルのサービス終了及び2タイトルの譲渡に伴うものである。また、「エンターテック事業」についても、徐々に実績が積み上がってきたものの、年間のライブ公演数・動員数を合理的に見積もることが困難なため現時点では慎重にみているようだ。したがって、売上高予想のほとんどは『with』「マッチング事業」で構成されており、一旦保守的な前提を置いたものとみることができる。
一方、損益予想については、「エンターテック事業」等への先行投資に流動的な部分が多いため、現時点で非公表としている。
弊社では、『with』「マッチング事業」のこれまでの伸び率や足元の状況等を勘案すれば、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。したがって、徐々に立ち上がってきた「エンターテック事業」でどれだけの上乗せができるかがポイントとなるであろう。また、「ゲーム事業」についても、事業譲渡までの期間(第2四半期まで)は業績貢献が続くほか、譲渡による業績への影響(特別利益の計上※)にも注意が必要である。一方、損益面については、「エンターテック事業」への先行費用のかけ方次第と言えるが、積み上げ型収益モデルである『with』の伸びに伴ってベース利益が底上げされてくることから、少なくとも黒字化の可能性は高いと判断している。「エンターテック事業」においては、引き続き機能拡充などの事業投資が想定されるものの、2019年9月期と2020年9月期との違いで言えば、2020年9月期は売上高が上がってくるため、仮に同じ規模の事業投資があったとしても、売上高の伸びで吸収していくことが可能であり、その分は利益の積み上げに貢献するものと考えられる。したがって、ポイントは、第3四半期から失うことになる『ゲーム事業』の利益貢献分を「マッチング事業」及び「エンターテック事業」の伸びでどうカバーしていくのかにある。また、最大の注目点は、何と言っても爆発力が期待される「エンターテック事業」の将来に向けた動きであろう。自社関連IPや『INSPIX LIVE』が立ち上がってきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階にあることから、今後どのように拡大させ、収益の最大化を図っていくのか、そのスピードを含めてフォローする必要がある。特に、「初音ミク」のVRライブを予定している『INSPIX WORLD』のリリースに向けた動きやその反響にも注目したい。なお、新型コロナウイルスに関しては、VOYZ ENTERTAINMENT所属タレント(三次元タレント)の『VOYZ BOY』のイベント中止等による影響が懸念されるものの、見方を変えれば、バーチャルライブプラットフォームの普及に拍車をかける可能性もあり、その両面から動向を見守る必要があろう。
※譲渡価額(総額)は520百万円。ただし、分割支払いとなっており、譲渡日以降、支払金額に調整が入る契約となっており不確定の部分があるところに注意が必要である。また、会計処理についても現時点で未定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2020年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、売上高を前期比28.2%減の4,000百万円と見込んでいるが、利益予想については現時点で非公表となっている。
減収予想となっているのは、前期に決定したゲーム1タイトルのサービス終了及び2タイトルの譲渡に伴うものである。また、「エンターテック事業」についても、徐々に実績が積み上がってきたものの、年間のライブ公演数・動員数を合理的に見積もることが困難なため現時点では慎重にみているようだ。したがって、売上高予想のほとんどは『with』「マッチング事業」で構成されており、一旦保守的な前提を置いたものとみることができる。
一方、損益予想については、「エンターテック事業」等への先行投資に流動的な部分が多いため、現時点で非公表としている。
弊社では、『with』「マッチング事業」のこれまでの伸び率や足元の状況等を勘案すれば、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。したがって、徐々に立ち上がってきた「エンターテック事業」でどれだけの上乗せができるかがポイントとなるであろう。また、「ゲーム事業」についても、事業譲渡までの期間(第2四半期まで)は業績貢献が続くほか、譲渡による業績への影響(特別利益の計上※)にも注意が必要である。一方、損益面については、「エンターテック事業」への先行費用のかけ方次第と言えるが、積み上げ型収益モデルである『with』の伸びに伴ってベース利益が底上げされてくることから、少なくとも黒字化の可能性は高いと判断している。「エンターテック事業」においては、引き続き機能拡充などの事業投資が想定されるものの、2019年9月期と2020年9月期との違いで言えば、2020年9月期は売上高が上がってくるため、仮に同じ規模の事業投資があったとしても、売上高の伸びで吸収していくことが可能であり、その分は利益の積み上げに貢献するものと考えられる。したがって、ポイントは、第3四半期から失うことになる『ゲーム事業』の利益貢献分を「マッチング事業」及び「エンターテック事業」の伸びでどうカバーしていくのかにある。また、最大の注目点は、何と言っても爆発力が期待される「エンターテック事業」の将来に向けた動きであろう。自社関連IPや『INSPIX LIVE』が立ち上がってきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階にあることから、今後どのように拡大させ、収益の最大化を図っていくのか、そのスピードを含めてフォローする必要がある。特に、「初音ミク」のVRライブを予定している『INSPIX WORLD』のリリースに向けた動きやその反響にも注目したい。なお、新型コロナウイルスに関しては、VOYZ ENTERTAINMENT所属タレント(三次元タレント)の『VOYZ BOY』のイベント中止等による影響が懸念されるものの、見方を変えれば、バーチャルライブプラットフォームの普及に拍車をかける可能性もあり、その両面から動向を見守る必要があろう。
※譲渡価額(総額)は520百万円。ただし、分割支払いとなっており、譲渡日以降、支払金額に調整が入る契約となっており不確定の部分があるところに注意が必要である。また、会計処理についても現時点で未定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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