ビ花壇 Research Memo(7):2020年6月期上期の業績は、厳しい環境が続くなかで総じて低調に推移
[20/03/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 2020年6月期上期の業績
ビューティ花壇<3041>の2020年6月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.4%減の2,853百万円、営業損失が44百万円(前年同期は18百万円の損失)、経常損失が40百万円(同12百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が34百万円(同14百万円の損失)と減収減益となり、損失幅が拡大した。
売上高は、「生花祭壇事業」「生花卸売事業」「ブライダル装花事業」の各事業がそれぞれ減少。特に、「生花祭壇事業」については、受注単価の下落傾向が続くなかで、環境変化(互助会による内製化等)に伴う施行件数の減少も重なって低調に推移した。一方、「その他の事業」は、システム開発事業などを中心に堅調であった。
利益面では、コスト削減に取り組んだものの、減収に伴う収益の押し下げや人件費率の上昇、新規出店に係る費用などにより減益となり、損失幅が拡大した。
財務面では、新規出店等に伴う固定資産や「売掛金」の増加等により総資産は前期末比6.7%増の2,322百万円に拡大した一方、自己資本は四半期純損失の計上により同8.4%減の509百万円に縮小したことから、自己資本比率は21.9%(前期末25.5%)に低下した。
事業別の業績は以下のとおりである。
(1)生花祭壇事業
売上高は前年同期比3.5%減の1,582百万円、セグメント利益は同25.3%減の160百万円と減収減益となった。売上高は、受注単価の下落傾向が続くなか、小規模化への機動的な対応に取り組んだものの、環境変化(互助会による内製化等)に伴う施行件数の減少が重なったことで低調に推移(特に、関東及び九州エリア)。ただ、長野及び関西エリアにおいては、新規出店等により取引先や取引量が拡大し、増収を確保している。また、利益面では、自社生産比率の調整により原価低減(前期比1.5ポイント減)を図った一方、減収に伴う人件費率の上昇や新規出店に係る費用等により減益となった。したがって、業績面では出遅れたものの、新規出店効果(取引先の拡大等)が出始めてきたことや自社生産比率の調整等により原価低減を図ったところは、今後に向けて明るい材料となった。
(2)生花卸売事業
売上高は前年同期比5.7%減の870百万円、セグメント利益は同48.5%増の9百万円と減収ながら損益改善が進んでいる。売上高は、第1四半期における市場相場低迷の影響を受けて減収となったが、上期後半に向けて回復傾向にあるようだ。一方、利益面では、引き続き、抜本的な物流体系の改革に取り組んだ結果、利益率の改善により増益を確保した。
(3)ブライダル装花事業
売上高は前年同期比8.0%減の160百万円、セグメント損失は6百万円(前期同期は2百万円の利益)と減収減益(損失計上)となった既存エリア(東京・関西・九州エリア)における顧客獲得や商圏拡大に取り組んだ結果、新規取引が開始するなど一定の成果をあげることができたものの、既存取引先との契約満了による減収分をカバーするには至らなかった。一方、リテール部門については、ECが苦戦する一方、大型商業施設「SAKURA MACHI kumamoto」への出店が奏功して好調に推移。利益面では、減収による収益の押し下げに加え、新規顧客への人材補強や既存取引先への人材派遣利用により人件費が増加したことから、セグメント損失に落ち込んだ。
(4)その他の事業
売上高は前年同期比10.7%増の239百万円、セグメント利益は2百万円(前年同期は19百万円の損失)となった。売上高は、システム開発事業を展開するSHFが軽減税率対応案件により増収となったほか、セレモニーサービスも施行件数の増加により堅調に推移。利益面では、費用が先行しているアグリフラワーの連結化※がマイナス要因となったものの、SHFの売上増により増益(黒字化)を確保した。
※2019年6月期第1四半期は連結外。
3. 2020年6月期上期の総括
以上から、2020年6月期上期を総括すると、業績面では、受注単価の下落(生花祭壇)や一時的な市場相場の低迷(生花卸売)など、外部環境の影響を受けて低調に推移したものの、前述のとおり、「生花祭壇事業」において、新規出店効果が出始めたことや自社生産比率の調整により仕入原価の低減を図ったところは今後に向けて明るい材料と言える。また、「生花卸売事業」についても、まだ本格的な事業拡大や物流効率化のフェーズには至っていないものの、これまで進めてきた物流体系改革の成果として着実に収益基盤の安定化が図れてきたところは評価すべき点である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 2020年6月期上期の業績
ビューティ花壇<3041>の2020年6月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.4%減の2,853百万円、営業損失が44百万円(前年同期は18百万円の損失)、経常損失が40百万円(同12百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が34百万円(同14百万円の損失)と減収減益となり、損失幅が拡大した。
売上高は、「生花祭壇事業」「生花卸売事業」「ブライダル装花事業」の各事業がそれぞれ減少。特に、「生花祭壇事業」については、受注単価の下落傾向が続くなかで、環境変化(互助会による内製化等)に伴う施行件数の減少も重なって低調に推移した。一方、「その他の事業」は、システム開発事業などを中心に堅調であった。
利益面では、コスト削減に取り組んだものの、減収に伴う収益の押し下げや人件費率の上昇、新規出店に係る費用などにより減益となり、損失幅が拡大した。
財務面では、新規出店等に伴う固定資産や「売掛金」の増加等により総資産は前期末比6.7%増の2,322百万円に拡大した一方、自己資本は四半期純損失の計上により同8.4%減の509百万円に縮小したことから、自己資本比率は21.9%(前期末25.5%)に低下した。
事業別の業績は以下のとおりである。
(1)生花祭壇事業
売上高は前年同期比3.5%減の1,582百万円、セグメント利益は同25.3%減の160百万円と減収減益となった。売上高は、受注単価の下落傾向が続くなか、小規模化への機動的な対応に取り組んだものの、環境変化(互助会による内製化等)に伴う施行件数の減少が重なったことで低調に推移(特に、関東及び九州エリア)。ただ、長野及び関西エリアにおいては、新規出店等により取引先や取引量が拡大し、増収を確保している。また、利益面では、自社生産比率の調整により原価低減(前期比1.5ポイント減)を図った一方、減収に伴う人件費率の上昇や新規出店に係る費用等により減益となった。したがって、業績面では出遅れたものの、新規出店効果(取引先の拡大等)が出始めてきたことや自社生産比率の調整等により原価低減を図ったところは、今後に向けて明るい材料となった。
(2)生花卸売事業
売上高は前年同期比5.7%減の870百万円、セグメント利益は同48.5%増の9百万円と減収ながら損益改善が進んでいる。売上高は、第1四半期における市場相場低迷の影響を受けて減収となったが、上期後半に向けて回復傾向にあるようだ。一方、利益面では、引き続き、抜本的な物流体系の改革に取り組んだ結果、利益率の改善により増益を確保した。
(3)ブライダル装花事業
売上高は前年同期比8.0%減の160百万円、セグメント損失は6百万円(前期同期は2百万円の利益)と減収減益(損失計上)となった既存エリア(東京・関西・九州エリア)における顧客獲得や商圏拡大に取り組んだ結果、新規取引が開始するなど一定の成果をあげることができたものの、既存取引先との契約満了による減収分をカバーするには至らなかった。一方、リテール部門については、ECが苦戦する一方、大型商業施設「SAKURA MACHI kumamoto」への出店が奏功して好調に推移。利益面では、減収による収益の押し下げに加え、新規顧客への人材補強や既存取引先への人材派遣利用により人件費が増加したことから、セグメント損失に落ち込んだ。
(4)その他の事業
売上高は前年同期比10.7%増の239百万円、セグメント利益は2百万円(前年同期は19百万円の損失)となった。売上高は、システム開発事業を展開するSHFが軽減税率対応案件により増収となったほか、セレモニーサービスも施行件数の増加により堅調に推移。利益面では、費用が先行しているアグリフラワーの連結化※がマイナス要因となったものの、SHFの売上増により増益(黒字化)を確保した。
※2019年6月期第1四半期は連結外。
3. 2020年6月期上期の総括
以上から、2020年6月期上期を総括すると、業績面では、受注単価の下落(生花祭壇)や一時的な市場相場の低迷(生花卸売)など、外部環境の影響を受けて低調に推移したものの、前述のとおり、「生花祭壇事業」において、新規出店効果が出始めたことや自社生産比率の調整により仕入原価の低減を図ったところは今後に向けて明るい材料と言える。また、「生花卸売事業」についても、まだ本格的な事業拡大や物流効率化のフェーズには至っていないものの、これまで進めてきた物流体系改革の成果として着実に収益基盤の安定化が図れてきたところは評価すべき点である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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