KLab Research Memo(2):人気IPのヒットタイトル創出を得意とするモバイルオンラインゲーム会社(1)
[20/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 事業内容
KLab<3656>は、「世界と自分をワクワクさせろ」をビジョンに掲げ、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発を手掛けている。主要タイトルは、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(スクフェス)、「BLEACH Brave Souls」(ブレソル)のほか、2017 年にリリースした「キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜」(キャプテン翼)及び「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」(うたプリ)の4 タイトルで売上高の大部分をバランスよく構成しており、特定のヒットタイトルへの依存度が高い業界においては非常に安定的な収益構造と言える。また、足元では新作タイトル「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS」(スクスタ)が順調に立ち上がってきた。
日本の人気漫画やアニメーションをゲーム化し、運用するところに強みがあり、海外への展開にも積極的である。事業セグメントは、主力の「ゲーム事業」のほか、創業来の大規模・高負荷対応インフラサービスの提供などによる「その他」に区分されるが、「ゲーム事業」が売上高のほとんどを占める。
主要タイトルの概要は以下のとおりである。
(1)「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」
「ラブライブ!」とは、架空の女子高校生をスクールアイドルとして売り出していくメディアミックスプロジェクトであり、TV アニメを始め、アニメーションPV(DVD)付き音楽CD のリリースのほか、インターネットラジオやライブイベント、雑誌、トレーディングカードゲームなど、様々なメディアに展開する人気シリーズである。この「ラブライブ!」をゲーム化した「スクフェス」は、2013年4月にブシロード<7803>との共同開発により提供を開始したリズムアクション& アドベンチャーゲームである。提供開始から1日で国内App Store トップセールスランキング5位を獲得するなど順調に立ち上がり、その後もロングランのヒットタイトルとして業績貢献を続けている。全世界ユーザー数は4,500万人を超えており、2019年9月には国内ユーザー数でも2,500 万人を達成している。
(2)「BLEACH Brave Souls」
2015年7月に配信を開始した爽快3Dアクションゲームである。題材となる「BLEACH」とは、( 株) 集英社が発行する少年漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』で人気連載されていた剣戟バトルアクションコミックであり、TV アニメのほか、劇場版も公開されている。また、日本だけでなく海外での人気も非常に高く、全世界で4,400万ダウンロードを突破している。2018年12月期の売上高は3年目で過去最高を更新しており、リリースから一定期間経過後も成長を持続できているところは、同社ならではの運用力によるものと評価できる。
(3)「キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜」
2017年6月13日に配信を開始した対戦型サッカーシミュレーションゲームである。事前登録の段階から注目を集めていたが、国内版のリリースから3週間で200万ダウンロードを突破するなど、想定を上回るペースで立ち上がった。世界的な人気を誇ってきたIPとしての認知度に加え、ゲームとしての作り込みの良さ(育成要素の強さ、対戦ゲームとしての醍醐味、世界中のプレイヤーによるドリームチームの編成、課金ポイントの充実など)や効果的なプロモーション展開などが高い評価や業績寄与につながっている。2017年12月5日にはグローバル版をリリース。こちらも2週間で200万ダウンロードを記録すると、その後も2018年開催のFIFA ワールドカップ・ロシア大会の効果もあって大きく拡大。2019年8月には全世界で2,000万ダウンロードを突破している。
(4) 「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」
2017年8月28日に配信を開始した「うたの☆プリンスさまっ♪」は2010年にゲーム第1作をリリース以来、メディアミックス展開を広げてきた人気IPである。これまでの実績に目を向けると、ゲームでは12種計100本のビッグセールスを記録、TVアニメでは第4期まで放送し、アニメDVD/BDの人気も高い。音楽メディアは著名ランキング会社が提供する音楽ランキングで1位を獲得するなど、アニメ系CDセールストップの常連となってきた。また、リアルイベントではライブチケットは即完売し、有名イベント会場をファンが埋め尽くすなど、女性を中心とする熱狂的なファンを有している。2018年1月24日には中国大陸版とグローバル版を同時リリースし、2018年3月には全世界300万ダウンロードを突破。コアファンを軸とするライフタイムバリュー重視の戦略により着実な業績貢献を目指しているようだ。
(5)「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」
2019年9月に「ラブライブ!」を更に盛り上げるべく、リズムアクションRPGがリリースされた。(株)サンライズとの共同開発である。その人気からリリースから4日間で100万ダウンロード、さらに1ヶ月経たずにユーザー数300万人を突破するなど、リリース直後から好調な売上を計上している。リリース記念商材の販売が好調で2019年12月期第4四半期の業績に寄与した。本作では、ライブを戦略をもって攻略し、ライブに至るまでにアイドル達の育成や編成の流れも含めてロールプレイの要素を持つ。さらにグループを超えたユニット編成や本作オリジナル衣装等が加えられた。「Google Play BEST OF 2019 ユーザー投票部門 ゲームカテゴリ」にて、「スクスタ」が優秀賞を獲得している。「スクフェス」とIDを連携させると相互に特典が発生する。グローバル版はブシロード<7803>とサンライズとの共同開発で、2020年2月にリリースした。英語、繁体字、タイ語、韓国語に対応している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 事業内容
KLab<3656>は、「世界と自分をワクワクさせろ」をビジョンに掲げ、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発を手掛けている。主要タイトルは、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(スクフェス)、「BLEACH Brave Souls」(ブレソル)のほか、2017 年にリリースした「キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜」(キャプテン翼)及び「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」(うたプリ)の4 タイトルで売上高の大部分をバランスよく構成しており、特定のヒットタイトルへの依存度が高い業界においては非常に安定的な収益構造と言える。また、足元では新作タイトル「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS」(スクスタ)が順調に立ち上がってきた。
日本の人気漫画やアニメーションをゲーム化し、運用するところに強みがあり、海外への展開にも積極的である。事業セグメントは、主力の「ゲーム事業」のほか、創業来の大規模・高負荷対応インフラサービスの提供などによる「その他」に区分されるが、「ゲーム事業」が売上高のほとんどを占める。
主要タイトルの概要は以下のとおりである。
(1)「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」
「ラブライブ!」とは、架空の女子高校生をスクールアイドルとして売り出していくメディアミックスプロジェクトであり、TV アニメを始め、アニメーションPV(DVD)付き音楽CD のリリースのほか、インターネットラジオやライブイベント、雑誌、トレーディングカードゲームなど、様々なメディアに展開する人気シリーズである。この「ラブライブ!」をゲーム化した「スクフェス」は、2013年4月にブシロード<7803>との共同開発により提供を開始したリズムアクション& アドベンチャーゲームである。提供開始から1日で国内App Store トップセールスランキング5位を獲得するなど順調に立ち上がり、その後もロングランのヒットタイトルとして業績貢献を続けている。全世界ユーザー数は4,500万人を超えており、2019年9月には国内ユーザー数でも2,500 万人を達成している。
(2)「BLEACH Brave Souls」
2015年7月に配信を開始した爽快3Dアクションゲームである。題材となる「BLEACH」とは、( 株) 集英社が発行する少年漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』で人気連載されていた剣戟バトルアクションコミックであり、TV アニメのほか、劇場版も公開されている。また、日本だけでなく海外での人気も非常に高く、全世界で4,400万ダウンロードを突破している。2018年12月期の売上高は3年目で過去最高を更新しており、リリースから一定期間経過後も成長を持続できているところは、同社ならではの運用力によるものと評価できる。
(3)「キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜」
2017年6月13日に配信を開始した対戦型サッカーシミュレーションゲームである。事前登録の段階から注目を集めていたが、国内版のリリースから3週間で200万ダウンロードを突破するなど、想定を上回るペースで立ち上がった。世界的な人気を誇ってきたIPとしての認知度に加え、ゲームとしての作り込みの良さ(育成要素の強さ、対戦ゲームとしての醍醐味、世界中のプレイヤーによるドリームチームの編成、課金ポイントの充実など)や効果的なプロモーション展開などが高い評価や業績寄与につながっている。2017年12月5日にはグローバル版をリリース。こちらも2週間で200万ダウンロードを記録すると、その後も2018年開催のFIFA ワールドカップ・ロシア大会の効果もあって大きく拡大。2019年8月には全世界で2,000万ダウンロードを突破している。
(4) 「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」
2017年8月28日に配信を開始した「うたの☆プリンスさまっ♪」は2010年にゲーム第1作をリリース以来、メディアミックス展開を広げてきた人気IPである。これまでの実績に目を向けると、ゲームでは12種計100本のビッグセールスを記録、TVアニメでは第4期まで放送し、アニメDVD/BDの人気も高い。音楽メディアは著名ランキング会社が提供する音楽ランキングで1位を獲得するなど、アニメ系CDセールストップの常連となってきた。また、リアルイベントではライブチケットは即完売し、有名イベント会場をファンが埋め尽くすなど、女性を中心とする熱狂的なファンを有している。2018年1月24日には中国大陸版とグローバル版を同時リリースし、2018年3月には全世界300万ダウンロードを突破。コアファンを軸とするライフタイムバリュー重視の戦略により着実な業績貢献を目指しているようだ。
(5)「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」
2019年9月に「ラブライブ!」を更に盛り上げるべく、リズムアクションRPGがリリースされた。(株)サンライズとの共同開発である。その人気からリリースから4日間で100万ダウンロード、さらに1ヶ月経たずにユーザー数300万人を突破するなど、リリース直後から好調な売上を計上している。リリース記念商材の販売が好調で2019年12月期第4四半期の業績に寄与した。本作では、ライブを戦略をもって攻略し、ライブに至るまでにアイドル達の育成や編成の流れも含めてロールプレイの要素を持つ。さらにグループを超えたユニット編成や本作オリジナル衣装等が加えられた。「Google Play BEST OF 2019 ユーザー投票部門 ゲームカテゴリ」にて、「スクスタ」が優秀賞を獲得している。「スクフェス」とIDを連携させると相互に特典が発生する。グローバル版はブシロード<7803>とサンライズとの共同開発で、2020年2月にリリースした。英語、繁体字、タイ語、韓国語に対応している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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