Eストアー Research Memo(1):中期戦略の「より大型案件&より販促サービスを強化」へ
[20/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 販売システム・販促サービス・販促システムの3領域で事業展開
Eストアー<4304>は、EC(eコマース)の総合支援サービス企業である。創業以来一貫して企業のEC支援をドメインに事業を展開してきた。ショッピングカートサービスなどECを始めるための仕組みをASPサービスで提供するシステム事業からスタートし、IT技術やEC市場自体の発達・変化に応じて注力事業を変え、顧客企業の収益拡大を支援するコンサルティングや業務運営代行サービスへと業容を拡大してきた。今や販売システム事業、販促サービス事業、販促システム事業と、EC支援のための3つの事業を展開している。
2. 顧客接点とマーケティングを重視する「アナログ戦略」の強化に取り組む
ECの総合支援企業として3事業をカバーする同社だが、事業戦略上、注力度合いに違いがある。現在同社が目指しているのが「アナログ戦略」であり、マーケティングの強化だ。現状は情報過多の状況にあり、また、人口減少下ではデフレ経済が続くと見ている。そうしたなかでモノを売るために必要かつ有効なものが顧客接点、すなわちマーケティングであるという認識だ。同社の事業区分の中では販促サービス事業に当たり、コンサルティングや業務運営代行サービスなど人的サービスが中心となる。営業戦略としては、既存客(「ショップサーブ」の契約企業)のみならず、外部大企業寄りの大型案件を新規に取り込んでいく方針である。
3. M&Aで販促サービス強化と大型案件強化という課題を解消、来期は大きく飛躍へ
同社は2020年1月に(株)コマースニジュウイチ(以下、コマース21)、2020年3月に(株)ウェブクルーエージェンシーを子会社化した。コマース21は大企業向けにECシステムを提供、ウェブクルーエージェンシーは大企業を中心にマーケティング戦略の立案やブランディングなど幅広い実績がある。このM&Aは、同社にとって販促サービスの強化と大型案件強化という2つの課題の解消をもたらす可能性があり、コマース21とウェブクルーエージェンシーには販促サービスの受注拡大という恩恵が期待されるなど、シナジーが極めて明確と言える。このため、同社は2021年3月期に大きく飛躍することが期待され、年商も一気に100億円を超える可能性が出てきた。
4. 2020年3月期営業利益は通期予想を超過する可能性が高まった
2020年3月期第3四半期の業績は、売上高3,622百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益378百万円(同3.8%減)となった。通期予想に対する進捗率で言えば、売上高の71.8%(前年同期比3.4ポイント減)に対し、営業利益は109.0%と既に予算を超過した状態にある。しかも、懸念されていた消費増税の影響や経済産業省が主導で行ったキャッシュレス・消費者還元事業の影響を既に織り込んでいる。2020年3月期について同社は、売上高5,047百万円(前期比2.3%増)、営業利益347百万円(同32.7%減)を見込んでいるが、今後、販促サービス事業におけるコンサルティング人材の確保など先行費用が発生したとしても、通期の営業利益は見通しを上回って着地する可能性が高まったと言えるだろう。
■Key Points
・「アナログ戦略」と「マーケティング」をキーワードに成長を目指す
・2020年3月期第3四半期の営業利益は既に通期見通しを超過
・M&Aにより販促サービスと大型案件を強化、2021年3月期は飛躍へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<ST>
1. 販売システム・販促サービス・販促システムの3領域で事業展開
Eストアー<4304>は、EC(eコマース)の総合支援サービス企業である。創業以来一貫して企業のEC支援をドメインに事業を展開してきた。ショッピングカートサービスなどECを始めるための仕組みをASPサービスで提供するシステム事業からスタートし、IT技術やEC市場自体の発達・変化に応じて注力事業を変え、顧客企業の収益拡大を支援するコンサルティングや業務運営代行サービスへと業容を拡大してきた。今や販売システム事業、販促サービス事業、販促システム事業と、EC支援のための3つの事業を展開している。
2. 顧客接点とマーケティングを重視する「アナログ戦略」の強化に取り組む
ECの総合支援企業として3事業をカバーする同社だが、事業戦略上、注力度合いに違いがある。現在同社が目指しているのが「アナログ戦略」であり、マーケティングの強化だ。現状は情報過多の状況にあり、また、人口減少下ではデフレ経済が続くと見ている。そうしたなかでモノを売るために必要かつ有効なものが顧客接点、すなわちマーケティングであるという認識だ。同社の事業区分の中では販促サービス事業に当たり、コンサルティングや業務運営代行サービスなど人的サービスが中心となる。営業戦略としては、既存客(「ショップサーブ」の契約企業)のみならず、外部大企業寄りの大型案件を新規に取り込んでいく方針である。
3. M&Aで販促サービス強化と大型案件強化という課題を解消、来期は大きく飛躍へ
同社は2020年1月に(株)コマースニジュウイチ(以下、コマース21)、2020年3月に(株)ウェブクルーエージェンシーを子会社化した。コマース21は大企業向けにECシステムを提供、ウェブクルーエージェンシーは大企業を中心にマーケティング戦略の立案やブランディングなど幅広い実績がある。このM&Aは、同社にとって販促サービスの強化と大型案件強化という2つの課題の解消をもたらす可能性があり、コマース21とウェブクルーエージェンシーには販促サービスの受注拡大という恩恵が期待されるなど、シナジーが極めて明確と言える。このため、同社は2021年3月期に大きく飛躍することが期待され、年商も一気に100億円を超える可能性が出てきた。
4. 2020年3月期営業利益は通期予想を超過する可能性が高まった
2020年3月期第3四半期の業績は、売上高3,622百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益378百万円(同3.8%減)となった。通期予想に対する進捗率で言えば、売上高の71.8%(前年同期比3.4ポイント減)に対し、営業利益は109.0%と既に予算を超過した状態にある。しかも、懸念されていた消費増税の影響や経済産業省が主導で行ったキャッシュレス・消費者還元事業の影響を既に織り込んでいる。2020年3月期について同社は、売上高5,047百万円(前期比2.3%増)、営業利益347百万円(同32.7%減)を見込んでいるが、今後、販促サービス事業におけるコンサルティング人材の確保など先行費用が発生したとしても、通期の営業利益は見通しを上回って着地する可能性が高まったと言えるだろう。
■Key Points
・「アナログ戦略」と「マーケティング」をキーワードに成長を目指す
・2020年3月期第3四半期の営業利益は既に通期見通しを超過
・M&Aにより販促サービスと大型案件を強化、2021年3月期は飛躍へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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