クロスマーケ Research Memo(2):マーケティングソリューション×デジタルトランスフォーメーション
[20/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 事業概要
クロス・マーケティンググループ<3675>の事業セグメントはリサーチ事業、ITソリューション事業、その他の事業の3つである。祖業のリサーチ事業では、ネットリサーチを核に、オフラインリサーチも含めたマーケティングリサーチ全般に関する事業を展開しており、定量調査も定性調査も、オンラインもオフラインも、内外すべての調査においてワンストップのサービスを提供することができる。ITソリューション事業では、モバイル向けシステムの企画・開発・運用やエンジニアの派遣などを行っている。その他の事業では、マーケティング支援に関わるプロモーション事業を行っている。これまで同社は、ネットリサーチを核にマーケティングリサーチからマーケティングソリューションへと事業領域を強化拡大してきた。そして現在、マーケティングソリューションとデジタルトランスフォーメーション※を両軸に、各事業の機能をより強くクロスオーバーし、多様化する顧客ニーズへの対応力を高め、成長の余地を広げているところである。
※デジタルトランスフォーメーション:ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面において、より快適にするという概念。
後発ながら今やマーケティングリサーチ業界大手の一角
2. 沿革
同社は、2003年4月に現代表取締役社長兼CEOの五十嵐幹(いがらしみき)氏により、ネットリサーチ専業の株式会社クロス・マーケティングとして設立された。2006年5月にECナビ(現(株)VOYAGE GROUP(CARTA HOLDINGS<3688>):アドプラットフォーム事業やポイントメディア事業を運営)と資本・業務提携、これを弾みに2007年3月には(株)電通リサーチ(現(株)電通マクロミルインサイト)や(株)ビデオリサーチなど大手リサーチ会社とも資本提携した。2008年10月に東証マザーズに上場し、2011年8月に(株)インデックスよりモバイル向けソリューション事業(現ITソリューション事業)を譲り受け、中国(上海)に子会社を設立して海外に進出するなど、ネットリサーチからマーケティングリサーチ、マーケティングソリューションへと事業領域の拡大を図った。2013年に社名を株式会社クロス・マーケティンググループとして持株会社化した後、Kadenceや(株)リサーチ・アンド・ディベロプメント、(株)メディリード、サポタント(株)など有力企業を次々と獲得するなど、M&Aや新規事業を加速し、さらに事業のウィングを広げることになった。2018年3月には東京証券取引所市場第1部への上場市場変更も果たしており、後発ながらマーケティングリサーチ業界で大手の一角を占め、さらに業界の枠を超えて業容拡大を進めている。
大手が中小を圧倒する国内マーケティングリサーチ業界
3. 業界環境
マーケティングリサーチは、調査するフィールドがインターネット上か現実社会かで、大きくネットリサーチとオフラインリサーチに分けられる。ネットリサーチは、訪問調査や郵送調査、電話調査など従来からあるオフラインリサーチに比べ、スピードやコスト、スケールの点で優れている。このため、消費の拡大や多様化、企業業績の好調などを背景に国内のマーケティングリサーチ業界が安定して伸びるなか、特に2000年以降、ネットリサーチは、インターネットの利用の広がりとともに急速に利用が進んだ。業界の大手3社※は加えて、マーケティングリサーチとITソリューションを融合し、マーケティングソリューションへと業容の幅を広げ、他を圧倒している。さらに近年、単なるリサーチから、コンサルティングなど高付加価値サービスや、最新のIT技術やビッグデータに対応したリサーチ技術が求められており、大手3社はますます他との差を広げようとしている。
※大手3社:マクロミル<3978>、インテージホールディングス<4326>、同社の3社。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 事業概要
クロス・マーケティンググループ<3675>の事業セグメントはリサーチ事業、ITソリューション事業、その他の事業の3つである。祖業のリサーチ事業では、ネットリサーチを核に、オフラインリサーチも含めたマーケティングリサーチ全般に関する事業を展開しており、定量調査も定性調査も、オンラインもオフラインも、内外すべての調査においてワンストップのサービスを提供することができる。ITソリューション事業では、モバイル向けシステムの企画・開発・運用やエンジニアの派遣などを行っている。その他の事業では、マーケティング支援に関わるプロモーション事業を行っている。これまで同社は、ネットリサーチを核にマーケティングリサーチからマーケティングソリューションへと事業領域を強化拡大してきた。そして現在、マーケティングソリューションとデジタルトランスフォーメーション※を両軸に、各事業の機能をより強くクロスオーバーし、多様化する顧客ニーズへの対応力を高め、成長の余地を広げているところである。
※デジタルトランスフォーメーション:ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面において、より快適にするという概念。
後発ながら今やマーケティングリサーチ業界大手の一角
2. 沿革
同社は、2003年4月に現代表取締役社長兼CEOの五十嵐幹(いがらしみき)氏により、ネットリサーチ専業の株式会社クロス・マーケティングとして設立された。2006年5月にECナビ(現(株)VOYAGE GROUP(CARTA HOLDINGS<3688>):アドプラットフォーム事業やポイントメディア事業を運営)と資本・業務提携、これを弾みに2007年3月には(株)電通リサーチ(現(株)電通マクロミルインサイト)や(株)ビデオリサーチなど大手リサーチ会社とも資本提携した。2008年10月に東証マザーズに上場し、2011年8月に(株)インデックスよりモバイル向けソリューション事業(現ITソリューション事業)を譲り受け、中国(上海)に子会社を設立して海外に進出するなど、ネットリサーチからマーケティングリサーチ、マーケティングソリューションへと事業領域の拡大を図った。2013年に社名を株式会社クロス・マーケティンググループとして持株会社化した後、Kadenceや(株)リサーチ・アンド・ディベロプメント、(株)メディリード、サポタント(株)など有力企業を次々と獲得するなど、M&Aや新規事業を加速し、さらに事業のウィングを広げることになった。2018年3月には東京証券取引所市場第1部への上場市場変更も果たしており、後発ながらマーケティングリサーチ業界で大手の一角を占め、さらに業界の枠を超えて業容拡大を進めている。
大手が中小を圧倒する国内マーケティングリサーチ業界
3. 業界環境
マーケティングリサーチは、調査するフィールドがインターネット上か現実社会かで、大きくネットリサーチとオフラインリサーチに分けられる。ネットリサーチは、訪問調査や郵送調査、電話調査など従来からあるオフラインリサーチに比べ、スピードやコスト、スケールの点で優れている。このため、消費の拡大や多様化、企業業績の好調などを背景に国内のマーケティングリサーチ業界が安定して伸びるなか、特に2000年以降、ネットリサーチは、インターネットの利用の広がりとともに急速に利用が進んだ。業界の大手3社※は加えて、マーケティングリサーチとITソリューションを融合し、マーケティングソリューションへと業容の幅を広げ、他を圧倒している。さらに近年、単なるリサーチから、コンサルティングなど高付加価値サービスや、最新のIT技術やビッグデータに対応したリサーチ技術が求められており、大手3社はますます他との差を広げようとしている。
※大手3社:マクロミル<3978>、インテージホールディングス<4326>、同社の3社。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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