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電算システム Research Memo(4):長期経営計画『PLAN 2020』最終年度。M&A等も考慮

注目トピックス 日本株
■電算システム<3630>の今後の見通し

1. 2020年12月期業績予想
2020年12月期については、売上高44,000百万円(前期比9.4%増)、営業利益2,385百万円(同5.1%増)、経常利益2,430百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,622百万円(同4.0%増)と5期連続での増収増益及び、売上高・各利益ともに過去最高更新を見込む。営業利益の伸びは5.1%増と前期、前々期からの2ケタの伸びに対して伸びが鈍化しているように映るが、同社は保守的に計画を出す傾向にあるため、計画の上振れ余地はあると見ておきたい。

なお、企業が内部資源を活用して現状の製品やサービスの売上げを伸ばし成長するといったオーガニックグロースでは売上高44,000百万円を見込んでいるが、同社は2020年12月期をゴールとする長期経営計画『PLAN 2020』を策定しており、今期が最終年度となる。最終年度の2020年12月期において売上高500億円の達成を計数目標として掲げている。

その実現の成長戦略としては、戦略3分野7事業をピックアップしてその強化策・拡大に取り組むことが骨子となっている。3分野というのは事業セグメントの情報サービス事業セグメントからクラウドサービス事業が大きく成長することで、クラウドビジネス分野と業務ビジネス分野の2つに分かれ、収納代行サービス事業セグメントと重なる決済ビジネス分野の3つで構成されるという将来像を意図している。また7事業は、BPOやクラウドサービス、収納代行サービスなど既存の業務に、送金サービス、医療・介護・ヘルスケア事業、開発・保守・運用事業、新規決済事業というこれからの業務を加えて構成されている。この3分野7事業を成長エンジンとし、企業が成長することを目指している。

この『PLAN 2020』において掲げている売上高500億円に一歩でも近づく戦略として、前期に立ち上がらなかった新規決済事業の立ち上げのほか、積極的なM&A等も考えており、『PLAN 2020』を目指した取り組みに邁進する。

2. セグメント別業績予想
(1) 情報サービス事業
情報サービス事業の売上高は25,050百万円(前期比10.2%増)、営業利益1,858百万円(同14.5%増)を見込んでいる。内訳はSI・ソフト開発の売上高16,830百万円(同16.9%増)、情報処理サービスが6,669百万円(同6.3%増)、商品販売が1,550百万円(同24.4%減)となる。SI・ソフト開発は引き続き市場が順調であり、受注拡大を見込んでいるほか、情報処理サービスはRPA適用を高めて行き、利益で貢献する計画である。

BPO事業の量的拡大とサービスのワンストップ化による質的充実により、既存顧客の深耕に加え新規顧客の獲得を進め、2018年10月に開設した東濃BPOセンターの活用により、更なる規模の拡大に取り組む。システムソリューションでは、基幹系システム(ERP)分野における大手ERPベンダーとの提携と協業による大型案件の受注を目指す。各種業務及び情報系システム分野においては、クラウド技術の利用等による付加価値の高いシステム提案、大手システムインテグレーターとの協業による受注拡大に取り組む。

また、実績ある公共・金融・医療分野での確実な受注により、取引規模の拡大を目指す。クラウドサービス分野では、働き方改革や社員とのエンゲージメント対応にG Suiteを中心としたサービスを拡大するとともに、東濃データセンターでの新たな増築計画により、事業拡大に努める。公共交通分野で導入を進めたデジタルサイネージ事業では、屋外大型看板広告のデジタル化に伴う需要が大幅拡大しており、東京を中心に事業拡大に取り組む。また、Googleマップによるソリューション提供を展開してきた同社グループの(株)ゴーガとの協業によるデータ分析、AI活用による解析等のサービス提供にも注力する。さらに、新設した先端技術開発センターにおける次世代技術への対応も、同社が提供するシステム及びサービスの更なる進化に寄与するものと考えている。

(2) 収納代行サービス事業
収納代行サービス事業の売上高は18,950百万円(前期比8.4%増)、営業利益625百万円(同1.6%減)を見込んでいる。内訳は決済サービス分野において、払込票決済サービスの売上高16,323百万円(前期比9.7%増)、ペーパレス決済サービスが1,210百万円(同7.3%減)、口座振替サービスが664百万円(同1.3%増)を見込む。決済イノベーション分野においては、売上高753百万円(同18.2%増)を見込んでいる。

大型案件の稼働が見込まれており、売上げの伸びを見込んでいるほか、新たなサービスを計画しているため、設備投資等の費用が増えることを考慮して、営業減益を見込んでいる。また、2017年より開始したスマートフォンを活用した新しい支払い方法を取引先に広めていくとともに、さらに提携先を拡大することで同業他社との更なる差別化を図る。国際送金サービスにおいては、コンビニエンスストア以外にも取扱窓口を増やすなど、消費者の利便性を追求する新たなサービスの創出に努める計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)




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