電算システム Research Memo(5):決済ビジネス分野での新サービス立ち上げによる利益成長を見込む
[20/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期3ヶ年計画策定
1. 中期3ヶ年計画(2020年12月−2022年12月)
電算システム<3630>は2019年12月期決算と合わせて、2022年12月期を最終年度とする中期3ヶ年計画を策定している。同社の中期経営計画はローリング中期経営計画であり、直近の決算や当面の事業環境などを考慮し、向こう3ヶ年の業績計画を毎年更新している。
2022年12月期の売上高は54,000百万円(2019年12月期実績40,202百万円)、営業利益2,900百万円(同2,268百万円)を計画しており、売上高の前期比伸び率平均は10.3%、営業利益は8.6%を見込んでいる。また、情報サービス及び収納代行サービスのセグメントにおいては、より収納代行サービスの成長加速を見込んでおり、これは新サービス立ち上げによる利益成長を見込んでいるためである。
海外展開、フロービジネスからストックビジネスへ、積極的なM&Aを重点施策に
2. 重点施策
(1) 海外展開
2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center(シーアイエスバヤドセンター)と技術業務提携を締結し、2017年には資本提携締結に進めている。フィリピン国内の収納窓口サービスの高度化の推進や更なる海外展開を目指す共同事業の推進、マルチペイメントプラットフォームの共同構築、BPOサービス、シーアイエスバヤドセンター基幹システムへのIT支援などを進めており、2018年2月より現地ミニストップにて、電気、水道、電話等の公共料金支払受付を開始している。2020年は現地での新たなサービス提供に向け、提案及び協議等の深化を図る。
(2) フロービジネスからストックビジネスへ
2019年10月に東濃IDCの増築計画を発表している。これまでのモジュール型データセンター3基(30ラック)に加え、新型モジュール型データセンター(28ラック)の増築を計画しており、2021年春に完成する予定である。モジュール型は、ビル型の「堅牢性」とコンテナ型の「省コスト・省エネルギー・省スペース」の2つのメリットを併せ持つ。今回はこれらのメリットに加え、「多様な顧客ニーズに応える柔軟性」を持たせた新型モジュール型となる。仮想サーバー提供の「仮想化ホスティング」サービス、仮想化ホスティングを利用しつつ顧客の機器も預かる「ハイブリッドクラウド」サービスを中心に、ユーザー特有のサーバーやネットワーク機器の設備スペースと電源を提供する「ハウジングサービス」や、24時間365日センターに常駐する専任スタッフによる「運用・監視サービス」事業を展開する計画である。
調査会社の公表では、データセンターの国内市場規模が2021年には2016年比で28.5%拡大すると見込まれており、同社は最大の強みであるSIの中に東濃IDCのサービスも組み込んだ形でのオールインワン提案にも注力し、データセンター事業を拡大させる。
また、全国の小学校向け教材販売での「コンビニ決済サービス」の導入を開始する。同社が得意とするBPOとコンビニエンスストア決済を融合した技術となる。これにより学校側での代金回収業務が不要となるほか、学校においては文具などの消耗品は繰り返し発注されることから、ストックビジネスとして注目される分野である。取扱教材販売メーカーの拡大による需要取り込みが期待されるほか、2020年4月からの小学校英語必修化や、政府が進める情報通信技術を活用したITC教育など、教育ビジネスが拡大しているなか、成長期待が大きい分野である。
『PLAN 2020』において、収益構造の転換という質的な側面としては、ストック型収益モデルのサービスの売上構成比を80%に高めることを目標に掲げている。決済ビジネス分野の各業務やクラウドサービス、BPO、保守・運用などは本質的にストック型収益モデルのサービスであり、3分野7事業の拡大とストック型サービスの売上構成比80%という目標は表裏一体の関係にあると言うことができるため、注目される事業分野となる。
(3) 積極的なM&A
『PLAN 2020』において掲げている売上高500億円に一歩でも近づく戦略として、M&Aを考えており、M&A費用を予算化している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
<SF>
1. 中期3ヶ年計画(2020年12月−2022年12月)
電算システム<3630>は2019年12月期決算と合わせて、2022年12月期を最終年度とする中期3ヶ年計画を策定している。同社の中期経営計画はローリング中期経営計画であり、直近の決算や当面の事業環境などを考慮し、向こう3ヶ年の業績計画を毎年更新している。
2022年12月期の売上高は54,000百万円(2019年12月期実績40,202百万円)、営業利益2,900百万円(同2,268百万円)を計画しており、売上高の前期比伸び率平均は10.3%、営業利益は8.6%を見込んでいる。また、情報サービス及び収納代行サービスのセグメントにおいては、より収納代行サービスの成長加速を見込んでおり、これは新サービス立ち上げによる利益成長を見込んでいるためである。
海外展開、フロービジネスからストックビジネスへ、積極的なM&Aを重点施策に
2. 重点施策
(1) 海外展開
2016年にフィリピンの収納代行最大手であるCIS Bayad Center(シーアイエスバヤドセンター)と技術業務提携を締結し、2017年には資本提携締結に進めている。フィリピン国内の収納窓口サービスの高度化の推進や更なる海外展開を目指す共同事業の推進、マルチペイメントプラットフォームの共同構築、BPOサービス、シーアイエスバヤドセンター基幹システムへのIT支援などを進めており、2018年2月より現地ミニストップにて、電気、水道、電話等の公共料金支払受付を開始している。2020年は現地での新たなサービス提供に向け、提案及び協議等の深化を図る。
(2) フロービジネスからストックビジネスへ
2019年10月に東濃IDCの増築計画を発表している。これまでのモジュール型データセンター3基(30ラック)に加え、新型モジュール型データセンター(28ラック)の増築を計画しており、2021年春に完成する予定である。モジュール型は、ビル型の「堅牢性」とコンテナ型の「省コスト・省エネルギー・省スペース」の2つのメリットを併せ持つ。今回はこれらのメリットに加え、「多様な顧客ニーズに応える柔軟性」を持たせた新型モジュール型となる。仮想サーバー提供の「仮想化ホスティング」サービス、仮想化ホスティングを利用しつつ顧客の機器も預かる「ハイブリッドクラウド」サービスを中心に、ユーザー特有のサーバーやネットワーク機器の設備スペースと電源を提供する「ハウジングサービス」や、24時間365日センターに常駐する専任スタッフによる「運用・監視サービス」事業を展開する計画である。
調査会社の公表では、データセンターの国内市場規模が2021年には2016年比で28.5%拡大すると見込まれており、同社は最大の強みであるSIの中に東濃IDCのサービスも組み込んだ形でのオールインワン提案にも注力し、データセンター事業を拡大させる。
また、全国の小学校向け教材販売での「コンビニ決済サービス」の導入を開始する。同社が得意とするBPOとコンビニエンスストア決済を融合した技術となる。これにより学校側での代金回収業務が不要となるほか、学校においては文具などの消耗品は繰り返し発注されることから、ストックビジネスとして注目される分野である。取扱教材販売メーカーの拡大による需要取り込みが期待されるほか、2020年4月からの小学校英語必修化や、政府が進める情報通信技術を活用したITC教育など、教育ビジネスが拡大しているなか、成長期待が大きい分野である。
『PLAN 2020』において、収益構造の転換という質的な側面としては、ストック型収益モデルのサービスの売上構成比を80%に高めることを目標に掲げている。決済ビジネス分野の各業務やクラウドサービス、BPO、保守・運用などは本質的にストック型収益モデルのサービスであり、3分野7事業の拡大とストック型サービスの売上構成比80%という目標は表裏一体の関係にあると言うことができるため、注目される事業分野となる。
(3) 積極的なM&A
『PLAN 2020』において掲げている売上高500億円に一歩でも近づく戦略として、M&Aを考えており、M&A費用を予算化している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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