アイル Research Memo(4):中堅・中小企業向けにトータルシステムソリューションを提供(2)
[20/04/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■アイル<3854>の事業概要
3. CROSS-OVERシナジー戦略
顧客に対する提案をより効果的に進めるとともに、強力なシナジー効果を生み出すため、リアル(システムソリューション事業)とWeb(Webソリューション事業)の両面から、顧客ニーズに合わせた複合提案を行い、中堅・中小企業の経営力アップを支援するCROSS-OVERシナジー戦略を特徴としている。業務効率化を支援するシステムソリューション事業の基幹業務システムと、販売力強化を支援するWebソリューション事業のサービスを有機的に結合させて「オール・ワンストップ」サービスを実現し、強力なシナジー効果を生み出すことを狙った戦略である。
4. 強み・特徴
同社の強み・特徴としては、(1)高い販売・在庫管理ノウハウ、(2)中堅・中小企業市場への特化、(3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、(4)特化業種深耕戦略とパートナー戦略、(5)自社製品・サービス比率の高さ、(6)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、(7)社員の7割が技術職の体制、(8)小売業へのオムニチャネル戦略、などが挙げられる。
(1) 高い販売・在庫管理ノウハウ
顧客の業務に対する理解が求められる販売・在庫管理ソフトの提供を、会社創業以来続けている。製造・卸・小売などの業態や各業種、さらには個社ごとに管理方法が異なる販売・在庫管理において、リアル・Web問わず豊富な導入事例と高いノウハウを有している。
(2) 中堅・中小企業市場への特化
会社創業以来、中堅・中小企業市場に特化して独自サービスを提供してきた。顧客企業数に占める割合は年商50億円未満の中小企業が約9割である。それらの取り組みが評価されて、2011年には経済産業省「中小企業IT経営力大賞2011」において、特別賞(商務情報政策局長賞)を受賞している。また経済産業省が推進する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の「IT導入支援事業者」に認定されている。認定サービスは「アラジンオフィス」「アラジンEC」「CROSS MALL」「CROSS POINT」「CROSS STAFF」である。
(3) リアルとWebの両方への対応力と高シェア
市場競合優位性として、中堅・中小企業に特化してリアルとWebの両方を独自開発・提供できるという点が挙げられる。販売・在庫管理ソフトにおける市場占有率((株)富士キメラ総研調べ)で、リアルとWebとも10%超の市場シェアを獲得しているのは同社のみである。
(4) 特化業種深耕戦略とパートナー戦略
卸売業・小売業や製造業の中でも特に中小企業の多い業種に絞り込んだ特化業種深耕戦略も強みである。業種特化型システム開発や業種別専門チーム体制などサービス力・営業力で負けない体制を形成し、新規顧客獲得力アップにつなげている。具体的にはアパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界を主力5業種と位置付けて、業種特化型パッケージソフト「アラジンオフィス・シリーズ」などによる市場深耕を推進している。
また新規案件紹介元・営業協力会社であるパートナー(銀行、SIer、IT機器メーカー、コンサルタント、会計事務所など)からの高い信頼も特徴である。システムソリューション事業の新規受注(金額ベース)のうち、パートナー紹介の割合は4割強となっている。
(5) 自社製品・サービス比率の高さ
価格変動に左右されやすいハードウェアなど他社製品の売上高に依存しない収益構造構築を経営方針の重要事項として、自社製品・サービスを中心とする拡販を推進している。その結果、売上高に占める自社製品・サービス(ソフトウェア・運用・保守・会費など)の比率は約7割と高水準である。
(6) トータルソリューションを実現する商品生態系戦略
複数の商品群からなる商品生態系戦略も強みだ。ネットショップ構築・運営支援サービスのインターネット領域、店頭での売上管理やバックヤードの在庫管理のリアル店舗・本部領域、さらにリアルとWebの在庫やポイントを一元管理するリアル・ネット融合領域をすべてカバーし、自社製品・サービスを開発している。そして様々な商品を組み合わせることで複合的な提案を可能にし、顧客へのトータルソリューションを実現している。
(7) 社員の7割が技術職の体制
社員構成比は技術部門が7割、営業部門が2割、スタッフ部門が1割である。社員の7割が技術職の体制で、システム提供後のサポートも重視している。今後も技術部門の人員強化を継続するが、一方では労働集約型の生産体制から脱却するための環境整備や商品開発も推進する方針だ。
このようにリアルとWebを1社で提案できる優位性や強みの結果、攻めの力も守りの力も強く顧客企業数は増加基調である。また新規競合商談勝率やユーザーリピート率も高水準(2019年7月期のユーザーリピート率は98.2%)である。
(8) 小売業へのオムニチャネル戦略
近年の小売業においては、リアル店舗とWeb店舗を融合して、あらゆるチャネル(販路、顧客接点)から顧客が同じように商品を購買できる環境・流通経路を実現するオムニチャネル戦略が注目されている。同社は創業時からリアルとWebの融合を事業化し、一朝一夕では実現できない事業ノウハウ・事例を蓄積しているため、小売業におけるオムニチャネル戦略の進展に対しても、他社にはまねできない優位性を確立していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. CROSS-OVERシナジー戦略
顧客に対する提案をより効果的に進めるとともに、強力なシナジー効果を生み出すため、リアル(システムソリューション事業)とWeb(Webソリューション事業)の両面から、顧客ニーズに合わせた複合提案を行い、中堅・中小企業の経営力アップを支援するCROSS-OVERシナジー戦略を特徴としている。業務効率化を支援するシステムソリューション事業の基幹業務システムと、販売力強化を支援するWebソリューション事業のサービスを有機的に結合させて「オール・ワンストップ」サービスを実現し、強力なシナジー効果を生み出すことを狙った戦略である。
4. 強み・特徴
同社の強み・特徴としては、(1)高い販売・在庫管理ノウハウ、(2)中堅・中小企業市場への特化、(3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、(4)特化業種深耕戦略とパートナー戦略、(5)自社製品・サービス比率の高さ、(6)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、(7)社員の7割が技術職の体制、(8)小売業へのオムニチャネル戦略、などが挙げられる。
(1) 高い販売・在庫管理ノウハウ
顧客の業務に対する理解が求められる販売・在庫管理ソフトの提供を、会社創業以来続けている。製造・卸・小売などの業態や各業種、さらには個社ごとに管理方法が異なる販売・在庫管理において、リアル・Web問わず豊富な導入事例と高いノウハウを有している。
(2) 中堅・中小企業市場への特化
会社創業以来、中堅・中小企業市場に特化して独自サービスを提供してきた。顧客企業数に占める割合は年商50億円未満の中小企業が約9割である。それらの取り組みが評価されて、2011年には経済産業省「中小企業IT経営力大賞2011」において、特別賞(商務情報政策局長賞)を受賞している。また経済産業省が推進する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の「IT導入支援事業者」に認定されている。認定サービスは「アラジンオフィス」「アラジンEC」「CROSS MALL」「CROSS POINT」「CROSS STAFF」である。
(3) リアルとWebの両方への対応力と高シェア
市場競合優位性として、中堅・中小企業に特化してリアルとWebの両方を独自開発・提供できるという点が挙げられる。販売・在庫管理ソフトにおける市場占有率((株)富士キメラ総研調べ)で、リアルとWebとも10%超の市場シェアを獲得しているのは同社のみである。
(4) 特化業種深耕戦略とパートナー戦略
卸売業・小売業や製造業の中でも特に中小企業の多い業種に絞り込んだ特化業種深耕戦略も強みである。業種特化型システム開発や業種別専門チーム体制などサービス力・営業力で負けない体制を形成し、新規顧客獲得力アップにつなげている。具体的にはアパレル・ファッション業界、食品業界、医療機器業界、ねじ・金属部品業界、鉄鋼・非鉄業界を主力5業種と位置付けて、業種特化型パッケージソフト「アラジンオフィス・シリーズ」などによる市場深耕を推進している。
また新規案件紹介元・営業協力会社であるパートナー(銀行、SIer、IT機器メーカー、コンサルタント、会計事務所など)からの高い信頼も特徴である。システムソリューション事業の新規受注(金額ベース)のうち、パートナー紹介の割合は4割強となっている。
(5) 自社製品・サービス比率の高さ
価格変動に左右されやすいハードウェアなど他社製品の売上高に依存しない収益構造構築を経営方針の重要事項として、自社製品・サービスを中心とする拡販を推進している。その結果、売上高に占める自社製品・サービス(ソフトウェア・運用・保守・会費など)の比率は約7割と高水準である。
(6) トータルソリューションを実現する商品生態系戦略
複数の商品群からなる商品生態系戦略も強みだ。ネットショップ構築・運営支援サービスのインターネット領域、店頭での売上管理やバックヤードの在庫管理のリアル店舗・本部領域、さらにリアルとWebの在庫やポイントを一元管理するリアル・ネット融合領域をすべてカバーし、自社製品・サービスを開発している。そして様々な商品を組み合わせることで複合的な提案を可能にし、顧客へのトータルソリューションを実現している。
(7) 社員の7割が技術職の体制
社員構成比は技術部門が7割、営業部門が2割、スタッフ部門が1割である。社員の7割が技術職の体制で、システム提供後のサポートも重視している。今後も技術部門の人員強化を継続するが、一方では労働集約型の生産体制から脱却するための環境整備や商品開発も推進する方針だ。
このようにリアルとWebを1社で提案できる優位性や強みの結果、攻めの力も守りの力も強く顧客企業数は増加基調である。また新規競合商談勝率やユーザーリピート率も高水準(2019年7月期のユーザーリピート率は98.2%)である。
(8) 小売業へのオムニチャネル戦略
近年の小売業においては、リアル店舗とWeb店舗を融合して、あらゆるチャネル(販路、顧客接点)から顧客が同じように商品を購買できる環境・流通経路を実現するオムニチャネル戦略が注目されている。同社は創業時からリアルとWebの融合を事業化し、一朝一夕では実現できない事業ノウハウ・事例を蓄積しているため、小売業におけるオムニチャネル戦略の進展に対しても、他社にはまねできない優位性を確立していると言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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