SBSHD Research Memo(5):2020年12月期はすべての事業で増収増益を目指す
[20/04/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2020年12月期の業績見通し
SBSホールディングス<2384>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.7%増の265,000百万円、営業利益で同10.1%増の11,200百万円、経常利益で同8.1%増の11,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.9%増の6,500百万円と増収増益が続く見通し。市場環境はEC市場の拡大が続くものの、個人消費全体は消費増税の影響もあって弱含んでおり、また、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大によって、経済活動全般が委縮状態となるなかで、一時的にマイナスの影響は避けられそうにない。こうしたなか、同社はグループのシナジーを生かして、即日配送事業の全国展開や3PL事業での顧客開拓、高付加価値・大型案件の受注獲得により増収増益を目指していく方針となっている。事業別の見通しは以下のとおり。
(1) 物流事業
物流事業の売上高は前期比3.0%増の248,000百万円、営業利益は同5.1%増の6,600百万円を見込む。EC需要の拡大を取り込むべく、SBSリコーロジスティクスの物流網を生かして広島県や福島県でも大手EC事業者向けの即日配送サービスを開始したほか、名古屋地域でもBtoCやBto Small Bの需要を取り込んでいく。SBSロジコムでは「大阪物流センター」が2020年4月に満床となり増収に寄与するほか、3PL事業での顧客開拓やコンサルティングなど上流工程からの受注案件を獲得しながら増収増益を目指す。最近では自治体の庁舎や図書館などの移転案件の受注実績が増えているようで、サービス領域を拡大していく。
利益面では、引き続き人件費や傭車費用の負担増があるものの、増収効果と3PL事業の収益改善でカバーしていく。3PLは実績を積み重ねてきたことで、新規案件の立ち上がりスピードが早くなってきており、生産性向上につながっている。なお、2019年12月期の増益要因であった料金の適正化については2019年12月期でほぼ一巡したと見られ、2020年12月期は増益要因として見込んでいない。燃料(軽油)価格の前提は105円/L(前期98.5円/L)で、足下の価格は同水準を下回って推移している。
新型コロナウイルスの影響について、直近では中国からの製品輸入が滞り、国内物流への影響が一部出始めているほか、SBSリコーロジスティクスの中国からのリコー製品の輸出が減少している。リコー製品に関しては、中国からタイに生産移管を進めており、荷量については早晩回復が見込まれる。現状、グループ全体への影響は軽微にとどまっているものの、感染拡大の終息に時間がかかるようだと、景気の一段の冷え込みにより、物流量全体の下押し要因となる可能性があり、今後の動向は注視する必要がある。
(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比21.8%増の9,500百万円、営業利益は同18.8%増の4,500百万円となる見通し。このうち、開発事業は「長津田物流センター」の信託受益権の残り40%分を2020年3月に売却することが決定しており、売上高は前期比33.0%増の7,150百万円、営業利益は同32.4%増の3,200百万円が見込まれる。一方、賃貸事業は保有施設の売却による賃貸収入の減少で、売上高は同3.1%減の2,350百万円、営業利益は同5.0%減の1,300百万円となる見通しだ。
(3) その他事業
その他事業の売上高は前期比7.6%増の7,500百万円、営業利益は同61.3%増の300百万円となる見通し。人材事業やマーケティング事業が堅調に推移するほか、設備更新の影響で前期に悪化していた環境事業も回復する。同事業では減価償却費が前期比1億円程度減少する見込みで、損益改善要因となる。なお、太陽光発電事業については2019年12月期並みの収益水準を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2020年12月期の業績見通し
SBSホールディングス<2384>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.7%増の265,000百万円、営業利益で同10.1%増の11,200百万円、経常利益で同8.1%増の11,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.9%増の6,500百万円と増収増益が続く見通し。市場環境はEC市場の拡大が続くものの、個人消費全体は消費増税の影響もあって弱含んでおり、また、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大によって、経済活動全般が委縮状態となるなかで、一時的にマイナスの影響は避けられそうにない。こうしたなか、同社はグループのシナジーを生かして、即日配送事業の全国展開や3PL事業での顧客開拓、高付加価値・大型案件の受注獲得により増収増益を目指していく方針となっている。事業別の見通しは以下のとおり。
(1) 物流事業
物流事業の売上高は前期比3.0%増の248,000百万円、営業利益は同5.1%増の6,600百万円を見込む。EC需要の拡大を取り込むべく、SBSリコーロジスティクスの物流網を生かして広島県や福島県でも大手EC事業者向けの即日配送サービスを開始したほか、名古屋地域でもBtoCやBto Small Bの需要を取り込んでいく。SBSロジコムでは「大阪物流センター」が2020年4月に満床となり増収に寄与するほか、3PL事業での顧客開拓やコンサルティングなど上流工程からの受注案件を獲得しながら増収増益を目指す。最近では自治体の庁舎や図書館などの移転案件の受注実績が増えているようで、サービス領域を拡大していく。
利益面では、引き続き人件費や傭車費用の負担増があるものの、増収効果と3PL事業の収益改善でカバーしていく。3PLは実績を積み重ねてきたことで、新規案件の立ち上がりスピードが早くなってきており、生産性向上につながっている。なお、2019年12月期の増益要因であった料金の適正化については2019年12月期でほぼ一巡したと見られ、2020年12月期は増益要因として見込んでいない。燃料(軽油)価格の前提は105円/L(前期98.5円/L)で、足下の価格は同水準を下回って推移している。
新型コロナウイルスの影響について、直近では中国からの製品輸入が滞り、国内物流への影響が一部出始めているほか、SBSリコーロジスティクスの中国からのリコー製品の輸出が減少している。リコー製品に関しては、中国からタイに生産移管を進めており、荷量については早晩回復が見込まれる。現状、グループ全体への影響は軽微にとどまっているものの、感染拡大の終息に時間がかかるようだと、景気の一段の冷え込みにより、物流量全体の下押し要因となる可能性があり、今後の動向は注視する必要がある。
(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比21.8%増の9,500百万円、営業利益は同18.8%増の4,500百万円となる見通し。このうち、開発事業は「長津田物流センター」の信託受益権の残り40%分を2020年3月に売却することが決定しており、売上高は前期比33.0%増の7,150百万円、営業利益は同32.4%増の3,200百万円が見込まれる。一方、賃貸事業は保有施設の売却による賃貸収入の減少で、売上高は同3.1%減の2,350百万円、営業利益は同5.0%減の1,300百万円となる見通しだ。
(3) その他事業
その他事業の売上高は前期比7.6%増の7,500百万円、営業利益は同61.3%増の300百万円となる見通し。人材事業やマーケティング事業が堅調に推移するほか、設備更新の影響で前期に悪化していた環境事業も回復する。同事業では減価償却費が前期比1億円程度減少する見込みで、損益改善要因となる。なお、太陽光発電事業については2019年12月期並みの収益水準を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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