RSテクノ Research Memo(4):再生ウェーハ事業は12インチで業界シェア33%とトップ
[20/04/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 事業内容
事業セグメントはウェーハ事業とプライムシリコンウェーハ製造販売事業、半導体関連装置・部材等の3つのセグメントとその他に分けて開示している。2019年12月期の事業別構成比を見ると、ウェーハ事業が売上高の44.0%、営業利益の70.8%、プライムシリコンウェーハ製造販売事業が売上高の39.3%、営業利益の26.1%を占めており、両事業がRS Technologies<3445>の収益柱となっている。
(1) ウェーハ事業
ウェーハ事業は、同社及び台湾子会社で展開している。主力となる12インチの月産能力は2019年末時点で国内が25万枚(8インチ以下で12万枚の能力を保有)、台湾が15万枚の合計40万枚となっており、世界シェアは数量ベースで約33%とトップとなっている。競合は国内で濱田重工(株)、三益半導体工業<8155>となり、日系3社で世界シェアの6〜7割を占めている。
地域別の販売数量構成比(2018年12月期)を見ると、12インチウェーハは日本が40.0%、台湾が29.8%と両国で全体の約7割を占めている。一方、8インチウェーハについては、逆に欧州が46.3%、米国が23.5%と高くなっているのが特徴だ。主要顧客は台湾のTSMCのほか国内ではキオクシアやソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)など、米国ではIntel、欧州ではST MicroelectronicsやInfineon Technologiesなど大手半導体メーカーが並んでいる。
地域別の市場シェア(2018年12月期)について見ると、12インチウェーハは主要市場である日本で43.4%、台湾で26.4%、米国で19.3%となっているほか、欧州で67.9%、中国で35.6%と全体的に高いシェアを獲得していることがわかる。一方、8インチウェーハは欧州で58.0%、米国で28.2%と高いが、日本をはじめその他の地域では相対的に低いことが特徴となっている。これは同社が12インチウェーハに注力していることが要因と考えられる。今後の12インチ半導体工場の建設計画を見ると、中国が7工場、欧州が5工場と地域別計画数の上位となっており、これらの地域で現在、高いシェアを獲得していることを考えると、中期的に同社の業界シェアはさらに上昇していく可能性があると弊社では見ている。
(2) プライムシリコンウェーハ製造販売事業
中国子会社GRITEKの事業となり、売上高の3分の2がプライムウェーハ、3分の1が消耗品及びインゴットの販売で占められる。2019年末の北京工場におけるプライムウェーハの月産能力は5インチが5万枚、6インチが15万枚、8インチが7万枚となっている。8インチウェーハのうち、高品質を要求される製品についてはインゴットを外部調達しているが、2019年以降は内製化率も徐々に上昇している。プライムウェーハの顧客は主に中国半導体メーカーで、顧客数は60〜70社に上る。また、消耗品及びインゴットについては海外にも販売している。
(3) 半導体関連装置・部材等
半導体関連装置・部材等の事業には、同社で仕入販売する半導体製造装置や半導体材料・パーツの売上げのほか、子会社のユニオンエレクトロニクスソリューション、DG Technologiesの売上げが含まれる。半導体製造装置については、主に日本の半導体メーカー等から買い取って(一部、新品も含む)、主に中国市場で販売している。
また、ユニオンエレクトロニクスソリューションは(株)日立パワーデバイスの第1号特約店で、パワー半導体のほか、ルネサスエレクトロニクス<6723>のMCUなどを主に取り扱っている。年間売上高は10億円前後の規模となっている。DG Technologiesは半導体製造装置の消耗部材(石英ガラス、シリコン関連部材)の製造販売を行っており、国内の半導体製造装置メーカーや半導体メーカーに販売している。年間売上高は20億円弱の規模で、シリコン関連部材については主に中国子会社から仕入れている。
(4) その他
その他の売上げとして、2013年より開始したソーラー発電事業における売電収入(発電能力は約1.59MW)のほか、半導体ウェーハ製造工程における技術コンサルティングサービスなどを同社で行っているが、全体の業績に与える影響は軽微となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 事業内容
事業セグメントはウェーハ事業とプライムシリコンウェーハ製造販売事業、半導体関連装置・部材等の3つのセグメントとその他に分けて開示している。2019年12月期の事業別構成比を見ると、ウェーハ事業が売上高の44.0%、営業利益の70.8%、プライムシリコンウェーハ製造販売事業が売上高の39.3%、営業利益の26.1%を占めており、両事業がRS Technologies<3445>の収益柱となっている。
(1) ウェーハ事業
ウェーハ事業は、同社及び台湾子会社で展開している。主力となる12インチの月産能力は2019年末時点で国内が25万枚(8インチ以下で12万枚の能力を保有)、台湾が15万枚の合計40万枚となっており、世界シェアは数量ベースで約33%とトップとなっている。競合は国内で濱田重工(株)、三益半導体工業<8155>となり、日系3社で世界シェアの6〜7割を占めている。
地域別の販売数量構成比(2018年12月期)を見ると、12インチウェーハは日本が40.0%、台湾が29.8%と両国で全体の約7割を占めている。一方、8インチウェーハについては、逆に欧州が46.3%、米国が23.5%と高くなっているのが特徴だ。主要顧客は台湾のTSMCのほか国内ではキオクシアやソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)など、米国ではIntel
地域別の市場シェア(2018年12月期)について見ると、12インチウェーハは主要市場である日本で43.4%、台湾で26.4%、米国で19.3%となっているほか、欧州で67.9%、中国で35.6%と全体的に高いシェアを獲得していることがわかる。一方、8インチウェーハは欧州で58.0%、米国で28.2%と高いが、日本をはじめその他の地域では相対的に低いことが特徴となっている。これは同社が12インチウェーハに注力していることが要因と考えられる。今後の12インチ半導体工場の建設計画を見ると、中国が7工場、欧州が5工場と地域別計画数の上位となっており、これらの地域で現在、高いシェアを獲得していることを考えると、中期的に同社の業界シェアはさらに上昇していく可能性があると弊社では見ている。
(2) プライムシリコンウェーハ製造販売事業
中国子会社GRITEKの事業となり、売上高の3分の2がプライムウェーハ、3分の1が消耗品及びインゴットの販売で占められる。2019年末の北京工場におけるプライムウェーハの月産能力は5インチが5万枚、6インチが15万枚、8インチが7万枚となっている。8インチウェーハのうち、高品質を要求される製品についてはインゴットを外部調達しているが、2019年以降は内製化率も徐々に上昇している。プライムウェーハの顧客は主に中国半導体メーカーで、顧客数は60〜70社に上る。また、消耗品及びインゴットについては海外にも販売している。
(3) 半導体関連装置・部材等
半導体関連装置・部材等の事業には、同社で仕入販売する半導体製造装置や半導体材料・パーツの売上げのほか、子会社のユニオンエレクトロニクスソリューション、DG Technologiesの売上げが含まれる。半導体製造装置については、主に日本の半導体メーカー等から買い取って(一部、新品も含む)、主に中国市場で販売している。
また、ユニオンエレクトロニクスソリューションは(株)日立パワーデバイスの第1号特約店で、パワー半導体のほか、ルネサスエレクトロニクス<6723>のMCUなどを主に取り扱っている。年間売上高は10億円前後の規模となっている。DG Technologiesは半導体製造装置の消耗部材(石英ガラス、シリコン関連部材)の製造販売を行っており、国内の半導体製造装置メーカーや半導体メーカーに販売している。年間売上高は20億円弱の規模で、シリコン関連部材については主に中国子会社から仕入れている。
(4) その他
その他の売上げとして、2013年より開始したソーラー発電事業における売電収入(発電能力は約1.59MW)のほか、半導体ウェーハ製造工程における技術コンサルティングサービスなどを同社で行っているが、全体の業績に与える影響は軽微となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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