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いちご Research Memo(6):2021年2月期は営業利益62億円〜129億円のレンジ予想

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

いちご<2337>の2021年2月期通期の業績予想(連結)は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による不動産業界への影響が現時点において不透明であることから、レンジを設定した。営業利益で前期比77.6%減〜53.5%減の6,200百万円〜12,900百万円、経常利益で前期比86.1%減〜57.4%減の3,400百万円〜10,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で前期比75.6%減〜2.5%減の2,000百万円〜8,000百万円となった。

新型コロナウイルスの影響拡大によりホテル宿泊需要の大幅な減少や商業施設の各種テナント企業の業績悪化が発生するなか、賃料収入の減少や不動産売買マーケットの停滞が予想される。これらの減少を未然に考慮し、保守的に見積もった業績が下限予想である。営業利益は6,200百万円であり、前期の約4分の1に相当する。下限シナリオで特に減少するのがフロー収益(主に心築事業における不動産譲渡益)であり、売却を極端に控え、フロー収益が前期の約6分の1になる予想だ。ストック収益に関しては所有ホテルの固定収入部分は維持されるも、変動収入(稼働率に連動した収入)は大幅減少となる見込みである。一方で、上限シナリオでは、営業利益が12,900百万円と前期の約2分の1になる見込み。フロー収益が前期の約2分の1になる予想だ。オフィスやレジデンスでは売買マーケットへの影響が少ないことや、新型コロナウイルスの影響が秋口くらいには落ち着くことなどが前提となる。弊社では、上限シナリオがより現実的だと考えている。

セグメント別には、アセットマネジメント事業でベース運用フィー、フロー収益ともに半減以下になるという保守的な予想となった。セグメント利益予想は約1,100百万円(前期は2,526百万円)である。心築事業は、売却益額が不透明なためレンジ予想となり、下限が3,300百万円、上限が10,000百万円である。クリーンエネルギー事業は新型コロナウイルスの影響を受けないため、従来どおりの安定成長を予想する。

同社は、循環的な景気後退がいつ来ても対応できる財務体質を以前から整備してきた。ストック収益で固定費をカバーできる同社にとって、市場が低迷している時期に安値での売却(フロー収益確保)を行う必要はない。ホテルや商業施設の事業環境が回復するまでじっくり待つ戦略を取れるのも、同社の強みと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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