窪田製薬HD Research Memo(9):2020年12月期は営業損失で30億円と前期並みの水準を見込む
[20/06/02]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年12月期第1四半期の業績概要
窪田製薬ホールディングス<4596>の2020年12月期第1四半期の連結業績は、事業収益の計上がなく、研究開発費や一般管理費の計上により営業損失が740百万円(前年同期比は749百万円の損失)、税引前損失が713百万円(同695百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が713百万円(同695百万円の損失)とほぼ前年同期並みの損失となり、おおむね会社計画通りの進捗となった。
費用の内訳を見ると、研究開発費は前年同期比43百万円減少の580百万円となった。スターガルト病を対象とするエミクススタト塩酸塩の第3相臨床試験費用が増加したものの、「PBOS」の開発費用が減少したほか人員削減等により研究開発に係る人件費や諸経費が減少した。一方、一般管理費は同34百万円増加の159百万円となった。前年同期において人員削減に伴い株式報酬費用が少なかったこと、及び当第1四半期において株式報酬費用を計上したことが主な要因となっている。
第1四半期末の従業員数は12名で前期末比横ばいとなった。うち、開発人員は2名(同1名減)となっている。2016年末は従業員数で44名、うち開発人員で23名だったので、3年間で大幅に絞り込んだことになる。絞りすぎたこともあり2020年は若干人員を増やす予定にしている。開発体制についてはプロジェクトごとに外部コンサルタントと契約して進めている。
2. 2020年12月期の業績見通し
2020年12月期の連結業績は、事業収益で40百万円、営業損失で3,000百万円、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失でそれぞれ2,900百万円となる見通し。期初計画に対して、各損失額が500百万円拡大する見込みとなっているが、これは研究開発費の増額が要因となっている。今後の成長と成り得る早期研究段階の医薬品や医療機器プロジェクトへの投資を増額することに加えて、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験において、新型コロナウイルス感染症拡大により途中離脱が増えることを想定して、当初予定よりも被験者登録数を32名追加したことが増額要因となっている。このため、損失額としてはほぼ前期並みの水準となる見通しだ。なお、事業収益としてNASAからの開発受託収入を40百万円計上する予定となっている。
手元資金は約76億円となり、2年半分の事業活動資金は確保
3. 財務状況について
2020年12月期第1四半期末の総資産は前期末比746百万円減少の7,993百万円となった。主な変動要因は、事業活動に伴う手元資金の支出によるもので、流動資産・非流動資産を合わせた手元資金(現金及び現金同等物、その他金融資産)は前期末比で718百万円減少の7,740百万円となっている。
負債合計は前期末比1百万円減少の662百万円と横ばい水準となった。流動負債で未払債務が55百万円増加した一方で、未払報酬が18百万円、リース負債が流動負債・非流動負債を合わせて43百万円減少した。
資本合計は前期末比745百万円減少の7,331百万円となった。親会社の所有者に帰属する四半期損失713百万円の計上により繰越損失が拡大したことが主因となっている。手元資金については約77億円あるため、当面の事業活動を継続していくための資金については問題がないものの、まだ安定した収入を期待できる体制ではなく、開発投資が先行することから、財務戦略上、資金調達の必要性がいずれ出てくるものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2020年12月期第1四半期の業績概要
窪田製薬ホールディングス<4596>の2020年12月期第1四半期の連結業績は、事業収益の計上がなく、研究開発費や一般管理費の計上により営業損失が740百万円(前年同期比は749百万円の損失)、税引前損失が713百万円(同695百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失が713百万円(同695百万円の損失)とほぼ前年同期並みの損失となり、おおむね会社計画通りの進捗となった。
費用の内訳を見ると、研究開発費は前年同期比43百万円減少の580百万円となった。スターガルト病を対象とするエミクススタト塩酸塩の第3相臨床試験費用が増加したものの、「PBOS」の開発費用が減少したほか人員削減等により研究開発に係る人件費や諸経費が減少した。一方、一般管理費は同34百万円増加の159百万円となった。前年同期において人員削減に伴い株式報酬費用が少なかったこと、及び当第1四半期において株式報酬費用を計上したことが主な要因となっている。
第1四半期末の従業員数は12名で前期末比横ばいとなった。うち、開発人員は2名(同1名減)となっている。2016年末は従業員数で44名、うち開発人員で23名だったので、3年間で大幅に絞り込んだことになる。絞りすぎたこともあり2020年は若干人員を増やす予定にしている。開発体制についてはプロジェクトごとに外部コンサルタントと契約して進めている。
2. 2020年12月期の業績見通し
2020年12月期の連結業績は、事業収益で40百万円、営業損失で3,000百万円、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失でそれぞれ2,900百万円となる見通し。期初計画に対して、各損失額が500百万円拡大する見込みとなっているが、これは研究開発費の増額が要因となっている。今後の成長と成り得る早期研究段階の医薬品や医療機器プロジェクトへの投資を増額することに加えて、スターガルト病を対象とする第3相臨床試験において、新型コロナウイルス感染症拡大により途中離脱が増えることを想定して、当初予定よりも被験者登録数を32名追加したことが増額要因となっている。このため、損失額としてはほぼ前期並みの水準となる見通しだ。なお、事業収益としてNASAからの開発受託収入を40百万円計上する予定となっている。
手元資金は約76億円となり、2年半分の事業活動資金は確保
3. 財務状況について
2020年12月期第1四半期末の総資産は前期末比746百万円減少の7,993百万円となった。主な変動要因は、事業活動に伴う手元資金の支出によるもので、流動資産・非流動資産を合わせた手元資金(現金及び現金同等物、その他金融資産)は前期末比で718百万円減少の7,740百万円となっている。
負債合計は前期末比1百万円減少の662百万円と横ばい水準となった。流動負債で未払債務が55百万円増加した一方で、未払報酬が18百万円、リース負債が流動負債・非流動負債を合わせて43百万円減少した。
資本合計は前期末比745百万円減少の7,331百万円となった。親会社の所有者に帰属する四半期損失713百万円の計上により繰越損失が拡大したことが主因となっている。手元資金については約77億円あるため、当面の事業活動を継続していくための資金については問題がないものの、まだ安定した収入を期待できる体制ではなく、開発投資が先行することから、財務戦略上、資金調達の必要性がいずれ出てくるものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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