Kudan Research Memo(3):機械に視覚を与える「KudanSLAM」をライセンス販売
[20/06/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 事業内容
Kudan<4425>はAPの基幹技術であるSLAM、ALAM※1、VIO※2、SfM※3、その他関連アルゴリズム※4をハードウェアに組み込むための「KudanSLAM」をソフトウェアライセンス化し、顧客に提供している。2018年3月期までは「KudanSLAM」の前身技術としてARエンジン「Kudan AR SDK」をモバイルアプリ開発企業などにライセンス提供していたが、DeepTech技術への進化とAR以外への領域拡大を目的に、「KudanSLAM」を中心とする事業に完全に移行した。
※1 ALAM(Asynchronous Localization and Mapping):機械・コンピュータが現実環境における自己位置推定と3次元立体地図作成を非同期的に行う技術。
※2 VIO(Visual Inertial Odometry):カメラ画像を利用して位置と姿勢を推定する技術。
※3 SfM(Structure from Motion): 2次元のカメラ画像と動きから3次元構造を推定する技術。
※4 アルゴリズム:特定の問題を解決するために考案された計算可能な数理モデル。多くの場合、コンピュータプログラムによって記述される。
このため主力顧客も、2017年3月期のソーシャルVRのMindMazeやソーシャルアプリ・ゲームのenish<3667>から、2018年3月期以降には複合現実ウェアラブルコンピュータを開発するユニコーンのMagic LeapやLINE<3938>系のLine Plus、カメラや画像処理エンジンのOEM企業(株)ザクティ、一眼レフカメラの世界的メーカーであるニコン<7731>などへと急変した。さらに陣容が拡大しSLAMとLiDARを技術統合した2020年3月期には、ソニー<6758>や世界の自動車関連メーカーなどへと広がっている。このように同社は、ARからスマートフォンカメラの機能向上、自動運転などへと「KudanSLAM」の応用領域を広げ、DeepTechとしてより深く産業の内部へと入りつつある。また、世界のメーカーも、自社製品の要素技術として唯一商用の「KudanSLAM」の取り入れを加速しているところでもある。
APはカメラが付く機器に必須
2. APとは
誤解を恐れず簡単に言うと、カメラなどセンサが眼でSLAMが視力(視神経)、合わせてAPとなり、脳であるAIが送られてきたAPによる情報を評価・判断する。つまりAP技術とは、人間の「眼」と同様に機械に高度な視覚的能力を与えることができる技術である。その中でSLAMは、カメラや3次元センサなどが取得したデータを、コンピュータプログラムによって数理的に処理し、立体感(方向・距離・大きさなど)や運動感覚(位置・移動など)をリアルタイムかつ緻密に出力して、記憶(データ保存された既知の知覚情報)と照合までを行う一連の処理を指す。同社は、センサ/画像処理の基礎技術の集合であるコンピュータビジョンと呼ばれる既存技術を再構築して土台とし、独自のSLAMを開発した。
そしてAP技術は、産業用ロボット、家庭用ロボット、次世代モビリティ(自動車など)、飛行機器(ドローンなど)といった広義のロボティクスなどあらゆる自律的な機械にとって、自動制御に必須の技術である。また、次世代コンピュータのユーザインターフェースとなるXR※の空間認識にも必要な技術である。さらに、次世代デジタル地図やビッグデータとなるダイナミックマップ(現実の環境・状況が速やかに反映される動的な地図システム)やデジタルツイン(現実環境とリアルタイムに同期した双子のような仮想空間情報)の技術基盤にもなる。このようにAPは、カメラなどセンサが付くあらゆる機器にとって必須の基礎技術であり、多様な次世代ソリューションに横断的に採用される可能性のある基盤技術と言うことができる。
※XR(Cross Reality):AR(拡張現実)やVR(仮想現実)など空間拡張技術を総称したもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 事業内容
Kudan<4425>はAPの基幹技術であるSLAM、ALAM※1、VIO※2、SfM※3、その他関連アルゴリズム※4をハードウェアに組み込むための「KudanSLAM」をソフトウェアライセンス化し、顧客に提供している。2018年3月期までは「KudanSLAM」の前身技術としてARエンジン「Kudan AR SDK」をモバイルアプリ開発企業などにライセンス提供していたが、DeepTech技術への進化とAR以外への領域拡大を目的に、「KudanSLAM」を中心とする事業に完全に移行した。
※1 ALAM(Asynchronous Localization and Mapping):機械・コンピュータが現実環境における自己位置推定と3次元立体地図作成を非同期的に行う技術。
※2 VIO(Visual Inertial Odometry):カメラ画像を利用して位置と姿勢を推定する技術。
※3 SfM(Structure from Motion): 2次元のカメラ画像と動きから3次元構造を推定する技術。
※4 アルゴリズム:特定の問題を解決するために考案された計算可能な数理モデル。多くの場合、コンピュータプログラムによって記述される。
このため主力顧客も、2017年3月期のソーシャルVRのMindMazeやソーシャルアプリ・ゲームのenish<3667>から、2018年3月期以降には複合現実ウェアラブルコンピュータを開発するユニコーンのMagic LeapやLINE<3938>系のLine Plus、カメラや画像処理エンジンのOEM企業(株)ザクティ、一眼レフカメラの世界的メーカーであるニコン<7731>などへと急変した。さらに陣容が拡大しSLAMとLiDARを技術統合した2020年3月期には、ソニー<6758>や世界の自動車関連メーカーなどへと広がっている。このように同社は、ARからスマートフォンカメラの機能向上、自動運転などへと「KudanSLAM」の応用領域を広げ、DeepTechとしてより深く産業の内部へと入りつつある。また、世界のメーカーも、自社製品の要素技術として唯一商用の「KudanSLAM」の取り入れを加速しているところでもある。
APはカメラが付く機器に必須
2. APとは
誤解を恐れず簡単に言うと、カメラなどセンサが眼でSLAMが視力(視神経)、合わせてAPとなり、脳であるAIが送られてきたAPによる情報を評価・判断する。つまりAP技術とは、人間の「眼」と同様に機械に高度な視覚的能力を与えることができる技術である。その中でSLAMは、カメラや3次元センサなどが取得したデータを、コンピュータプログラムによって数理的に処理し、立体感(方向・距離・大きさなど)や運動感覚(位置・移動など)をリアルタイムかつ緻密に出力して、記憶(データ保存された既知の知覚情報)と照合までを行う一連の処理を指す。同社は、センサ/画像処理の基礎技術の集合であるコンピュータビジョンと呼ばれる既存技術を再構築して土台とし、独自のSLAMを開発した。
そしてAP技術は、産業用ロボット、家庭用ロボット、次世代モビリティ(自動車など)、飛行機器(ドローンなど)といった広義のロボティクスなどあらゆる自律的な機械にとって、自動制御に必須の技術である。また、次世代コンピュータのユーザインターフェースとなるXR※の空間認識にも必要な技術である。さらに、次世代デジタル地図やビッグデータとなるダイナミックマップ(現実の環境・状況が速やかに反映される動的な地図システム)やデジタルツイン(現実環境とリアルタイムに同期した双子のような仮想空間情報)の技術基盤にもなる。このようにAPは、カメラなどセンサが付くあらゆる機器にとって必須の基礎技術であり、多様な次世代ソリューションに横断的に採用される可能性のある基盤技術と言うことができる。
※XR(Cross Reality):AR(拡張現実)やVR(仮想現実)など空間拡張技術を総称したもの。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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