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Kudan Research Memo(8):DeepTechとして産業や社会の土台となる

注目トピックス 日本株
■中長期成長性

1. AP技術とKudan<4425>の可能性
SLAMをコアとする同社のAP技術はDeepTechであるうえ、商用としての競合がほとんどないと言えるため、明るくスケールの大きい中長期シナリオを描くことができる。現在でも既に、XRはもちろん、運転支援やナビゲーション、ダイナミックマップ、ドローンやスマートロボットなど、同社の技術は様々な場面で活用されている。今後は技術応用や技術統合により、自動運転や自動搬送、IoTプラットフォーム、ヒューマンオーグメンテーション(人間とテクノロジー・AIの一体化)など、より高度な活用が見込まれている。また、同社の技術は近接するDeepTechであるAIやIoTと相性がよく、Artisenseの子会社化をてこにAIやIoTとの技術統合を進め、応用領域を多段階的に拡大していく考えである。そして各社の機械は、同社の技術によって眼を持つことになる。

同社はこうした流れのなかで、中長期的にAP、AP+AI、AP+AI+IoTといった技術研究開発のマイルストーンを着実に達成していくと予想される。この結果、同社のAP技術は、あらゆる産業のDeepTechとして広がりを持つことになる。AP技術の応用が進むと、関連するアプリケーションの市場は2023年に161兆円になると予測されている。同社はおよそこの15%程度の市場を対象と見ている。また、AIとIoTの市場は2028年には合計1,140兆円になると言われており、同社はそのうち10%以上が対象になると考えている。いずれにしろ非常に巨大なマーケットだが、同社の技術はそこで、現在の通信や半導体、宇宙・航空工学と同様のDeepTechとして、産業や社会を支える土台となっていくと思われる。


5〜10年で利益的な飛躍も期待

2. 経営理念と中長期成長イメージ
同社は、APに関する研究開発と先端テクノロジー企業への研究成果の提供を生業とする技術集団であり、継続的な研究開発を通じて新たな技術イノベーションを起こすことを目標にしている。このため、「独樹一幟、標新立異」(樹独り幟一つ、新しきを標し異なりを立てる)を経営理念に揚げ、他社と同じことをせず、一般に正しいと信じられていることを敢えて否定して研究開発に臨んでいる。この結果、同社は常に他社と比較できない存在、市場において唯一無二の存在となり、それを背景に事業と研究開発の発展、そして株主利益の拡大を目指していこうという考えである。この点で同社のAP技術は、同社の経営理念をよく表象していると言うことができる。

現在、多くの企業が自社の機械に眼を与えたいと考えている。それは同社が上場した当時から変わらない。自動車メーカーや電機メーカーなどにおいては、むしろその願いがより強まってきているように思える。このため、APの市場が急速にしかも大きく拡大していくというシナリオは、より確からしさを持ったと弊社では考えている。一方、同社の上場時から変わったこととして、新型コロナウイルス感染症による世界的な社会・経済の大混乱がある。今後も新型コロナウイルスとは長い付き合いになりそうだが、このため、自動運転や自動搬送、バーチャル会議スマートグラスへ向けて、省人化技術やリモート技術は一層急速な進歩が求められるようになった。

同社のAP技術は機械やコンピュータの眼であり、ロボティクスやARなど先端テクノロジー・未来技術を実現するために必須のDeepTechである。さらに、Artisenseの子会社化によって、同社の、「機械の眼」における非競争と独占の戦略はより先鋭化して行くと思われる。今後、同社のAP技術を利用した製品が続々と市場に投入され、人々のために現実に利用されるようになるであろう。そうなれば、マイルストーン収益だけでなく販売ライセンスの収益も大きく拡大していくことが予想される。5年〜10年で売上高100億円〜200億円、営業利益率60%以上に到達することは十分可能と弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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