CDG Research Memo(1):同業のレッグスと資本業務提携契約を締結、今後のシナジー効果に期待
[20/06/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
CDG<2487>は企業の販促用グッズの企画・製造販売からスタートし、現在はPOP等の売り場構築、Webやソーシャルメディアなども駆使した総合セールスプロモーションのソリューションカンパニーとして成長を目指している。無借金経営で財務体質は良好。2019年11月にレッグス<4286>と資本業務提携契約を締結し、レッグスが同社株式の44.4%を保有する筆頭株主となる。
1. 2020年3月期業績
2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.2%減の9,936百万円、経常利益が同20.7%増の376百万円と減収増益となった。売上高は主要顧客の大型キャンペーンを一部失注したことや、2019年2月に連結子会社を1社売却した影響で減収となったものの、デジタル関連プロモーションが好調に推移し売上総利益率が改善したこと、販管費の抑制に努めたこと、売却した子会社の損失分(約40百万円)が無くなったことなどが増益要因となった。業種別売上動向を見ると、流通・小売業、食品が前期比2ケタ増と好調だったほか、自動車・関連品や化粧品・トイレタリーも堅調に推移した。一方で、ファッション・アクセサリー、飲料・嗜好品、金融・保険、不動産・住宅設備が前期比2ケタ減と低迷した。
2. 2021年3月期見通し
2021年3月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、合理的な算定を行うことが困難なことから非公表としており、今後、予想の算定が可能となった時点で開示する方針となっている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、店頭での販促ができないなかデジタルプロモーションの需要が増加するなど、4〜5月は順調に推移したもようだが、6月以降の動向については不透明な状況となっている。ただ、緊急事態宣言が解除され経済活動が徐々に動き始めるなか、業種によっては売上回復を図るための販売プロモーションの検討を始めているところも多く、こうした需要を確実に取り込むことができれば増益を維持することも可能と見られる。プラス要因としては、前期に落ち込んだ主要顧客の感謝祭用ノベルティグッズの増加が見込まれること、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の劇場公開に向けて、コラボキャンペーンが複数案件入っていることなどが挙げられる。
3.成長戦略とレッグスとの資本業務提携について
同社は今後の成長戦略として、従来の販促用グッズを活用したリアルのセールスプロモーションと、SNSや動画コンテンツ等を活用したデジタルプロモーションを融合した総合提案力を強化していくことで競合他社との差別化を図り、収益を拡大していく方針となっている。デジタルプロモーション関連の売上については、年率2ケタ成長を続けており、2020年3月期は売上構成比で15%程度に上昇している(2018年3月期は6%前後)。また、2019年11月に資本業務提携を発表したレッグスとのシナジー効果も期待される。レッグスはエンターテインメント・コンテンツ(以下、エンタメ・コンテンツ)を使った販促グッズの企画・製作やこれらコンテンツを活用した物販に強みを持つ。今回の業務提携によって、多様なコンテンツを活かした新たなサービスの提供が可能となるほか、販促グッズの共同仕入れ等によるコスト削減効果が期待される。両社で顧客はほとんど重ならず、今回の資本業務提携によるシナジー効果は大きいと弊社では見ている。
4.株主還元策
株主還元策として、配当金については内部留保の充実と安定配当の継続を基本方針としている。2021年3月期の1株当たり配当金については未定となっており、連結業績予想の開示と同時に発表する予定だ。また、株主優待制度に関しては、9月末現在の株主(100株以上)に対して高級ボックスティッシュ1ケースを贈呈する内容に変更はない。
■Key Points
・2020年3月期は売上総利益率の改善と販管費の抑制により、5期ぶりの営業増益に転じる
・2021年3月期業績は未公表だが、デジタルプロモーションの需要は増加傾向
・レッグスの持つエンタメ・コンテンツ系のノウハウを活用した新サービスの展開とコスト競争力の強化で収益成長ポテンシャルが高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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CDG<2487>は企業の販促用グッズの企画・製造販売からスタートし、現在はPOP等の売り場構築、Webやソーシャルメディアなども駆使した総合セールスプロモーションのソリューションカンパニーとして成長を目指している。無借金経営で財務体質は良好。2019年11月にレッグス<4286>と資本業務提携契約を締結し、レッグスが同社株式の44.4%を保有する筆頭株主となる。
1. 2020年3月期業績
2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.2%減の9,936百万円、経常利益が同20.7%増の376百万円と減収増益となった。売上高は主要顧客の大型キャンペーンを一部失注したことや、2019年2月に連結子会社を1社売却した影響で減収となったものの、デジタル関連プロモーションが好調に推移し売上総利益率が改善したこと、販管費の抑制に努めたこと、売却した子会社の損失分(約40百万円)が無くなったことなどが増益要因となった。業種別売上動向を見ると、流通・小売業、食品が前期比2ケタ増と好調だったほか、自動車・関連品や化粧品・トイレタリーも堅調に推移した。一方で、ファッション・アクセサリー、飲料・嗜好品、金融・保険、不動産・住宅設備が前期比2ケタ減と低迷した。
2. 2021年3月期見通し
2021年3月期の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、合理的な算定を行うことが困難なことから非公表としており、今後、予想の算定が可能となった時点で開示する方針となっている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、店頭での販促ができないなかデジタルプロモーションの需要が増加するなど、4〜5月は順調に推移したもようだが、6月以降の動向については不透明な状況となっている。ただ、緊急事態宣言が解除され経済活動が徐々に動き始めるなか、業種によっては売上回復を図るための販売プロモーションの検討を始めているところも多く、こうした需要を確実に取り込むことができれば増益を維持することも可能と見られる。プラス要因としては、前期に落ち込んだ主要顧客の感謝祭用ノベルティグッズの増加が見込まれること、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の劇場公開に向けて、コラボキャンペーンが複数案件入っていることなどが挙げられる。
3.成長戦略とレッグスとの資本業務提携について
同社は今後の成長戦略として、従来の販促用グッズを活用したリアルのセールスプロモーションと、SNSや動画コンテンツ等を活用したデジタルプロモーションを融合した総合提案力を強化していくことで競合他社との差別化を図り、収益を拡大していく方針となっている。デジタルプロモーション関連の売上については、年率2ケタ成長を続けており、2020年3月期は売上構成比で15%程度に上昇している(2018年3月期は6%前後)。また、2019年11月に資本業務提携を発表したレッグスとのシナジー効果も期待される。レッグスはエンターテインメント・コンテンツ(以下、エンタメ・コンテンツ)を使った販促グッズの企画・製作やこれらコンテンツを活用した物販に強みを持つ。今回の業務提携によって、多様なコンテンツを活かした新たなサービスの提供が可能となるほか、販促グッズの共同仕入れ等によるコスト削減効果が期待される。両社で顧客はほとんど重ならず、今回の資本業務提携によるシナジー効果は大きいと弊社では見ている。
4.株主還元策
株主還元策として、配当金については内部留保の充実と安定配当の継続を基本方針としている。2021年3月期の1株当たり配当金については未定となっており、連結業績予想の開示と同時に発表する予定だ。また、株主優待制度に関しては、9月末現在の株主(100株以上)に対して高級ボックスティッシュ1ケースを贈呈する内容に変更はない。
■Key Points
・2020年3月期は売上総利益率の改善と販管費の抑制により、5期ぶりの営業増益に転じる
・2021年3月期業績は未公表だが、デジタルプロモーションの需要は増加傾向
・レッグスの持つエンタメ・コンテンツ系のノウハウを活用した新サービスの展開とコスト競争力の強化で収益成長ポテンシャルが高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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