ソフト99 Research Memo(1):ファインケミカル事業を成長ドライバーとする中期経営計画を発表
[20/06/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手。子会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造用の精密洗浄材で高シェアを持ち、高い技術力を他の用途にも生かすべく横展開を進めている。そのほか、子会社で自動車整備・鈑金事業、自動車教習所、温浴施設の運営事業なども展開している。既存の主力製品において高いシェアと収益力を持つこと、財務の健全性の高いことが強みとなっている。
1. 2020年3月期の業績概要
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.5%減の24,434百万円、営業利益で同3.8%減の2,421百万円と若干ながら減収減益で着地した。主力のファインケミカル事業は新製品の好調や海外市場の回復で増収増益となったものの、暖冬の影響によりタイヤチェーンの販売が落ち込んだことによって、増加額は限定的となった。また、ポーラスマテリアル事業も半導体やHDD業界向けの需要が伸びたものの、生活資材の海外向けが米国において、大きく落ち込んだことに加えて、前期に大型台風の影響で特需のあった自動車整備・鈑金事業の収益が大きく落ち込んだことが、減収減益要因となった。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の24,800百万円、営業利益で同5.0%減の2,300百万円を見込む。新型コロナウイルス感染症の影響については、巣ごもり現象により自動車の洗浄用品や家庭向け掃除用品などの需要が好調に推移している反面、自動車販売の落ち込みによる業務用製品の減少や、自動車教習所、温浴施設の一時休業などの影響が出ている(なお、自動車教習所、温浴施設については5月下旬以降、営業を再開している)。事業セグメント別で見ると、ファインケミカル事業は増収増益が続くものの、サービス事業や不動産関連事業が減益分をカバーするまでには至らず、通期で減益が続く見込みとなっている。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートする新中期経営計画では「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマに、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得、及びこれらの融合をはかることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していく方針だ。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標は、売上高で27,100百万円(前期比11%増)、営業利益で2,850百万円(同18%増)とした。営業利益は2018年3月期以来の最高益更新を目指している。事業セグメント別では、ファインケミカル事業がけん引する格好となり、もう一つの柱であるポーラスマテリアル事業については、将来の成長を見据えた人材投資や開発投資を積極的に進めていく期間と位置づけ、利益の伸びは見込んでいない。また、今回より事業運営の効率性を示すROIC(投下資本利益率)をKPIとして取り入れており、前期実績の5.6%から6.1%まで引き上げていくことを目指している。
4. 株主還元策
株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としており、還元率は従来、連結営業利益の20%を目安としていたが、2021年3月期よりこの目安を25%に引き上げることを発表している。これにより、2021年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の25.0円(還元率23.9%)とし、6期連続の増配を予定している。
■Key Points
・2020年3月期のファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業は2期ぶりに増益に転じる
・2021年3月期業績は先行投資費用増と新型コロナウイルス感染症の影響で減益見通しに
・新中期経営計画をスタート、顧客変化を先取りした価値創出と事業領域の拡張により成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手。子会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造用の精密洗浄材で高シェアを持ち、高い技術力を他の用途にも生かすべく横展開を進めている。そのほか、子会社で自動車整備・鈑金事業、自動車教習所、温浴施設の運営事業なども展開している。既存の主力製品において高いシェアと収益力を持つこと、財務の健全性の高いことが強みとなっている。
1. 2020年3月期の業績概要
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.5%減の24,434百万円、営業利益で同3.8%減の2,421百万円と若干ながら減収減益で着地した。主力のファインケミカル事業は新製品の好調や海外市場の回復で増収増益となったものの、暖冬の影響によりタイヤチェーンの販売が落ち込んだことによって、増加額は限定的となった。また、ポーラスマテリアル事業も半導体やHDD業界向けの需要が伸びたものの、生活資材の海外向けが米国において、大きく落ち込んだことに加えて、前期に大型台風の影響で特需のあった自動車整備・鈑金事業の収益が大きく落ち込んだことが、減収減益要因となった。
2. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.5%増の24,800百万円、営業利益で同5.0%減の2,300百万円を見込む。新型コロナウイルス感染症の影響については、巣ごもり現象により自動車の洗浄用品や家庭向け掃除用品などの需要が好調に推移している反面、自動車販売の落ち込みによる業務用製品の減少や、自動車教習所、温浴施設の一時休業などの影響が出ている(なお、自動車教習所、温浴施設については5月下旬以降、営業を再開している)。事業セグメント別で見ると、ファインケミカル事業は増収増益が続くものの、サービス事業や不動産関連事業が減益分をカバーするまでには至らず、通期で減益が続く見込みとなっている。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートする新中期経営計画では「Overtake!!(顧客変化を追い越せ!!)」をテーマに、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得、及びこれらの融合をはかることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していく方針だ。最終年度となる2023年3月期の経営数値目標は、売上高で27,100百万円(前期比11%増)、営業利益で2,850百万円(同18%増)とした。営業利益は2018年3月期以来の最高益更新を目指している。事業セグメント別では、ファインケミカル事業がけん引する格好となり、もう一つの柱であるポーラスマテリアル事業については、将来の成長を見据えた人材投資や開発投資を積極的に進めていく期間と位置づけ、利益の伸びは見込んでいない。また、今回より事業運営の効率性を示すROIC(投下資本利益率)をKPIとして取り入れており、前期実績の5.6%から6.1%まで引き上げていくことを目指している。
4. 株主還元策
株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針としており、還元率は従来、連結営業利益の20%を目安としていたが、2021年3月期よりこの目安を25%に引き上げることを発表している。これにより、2021年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の25.0円(還元率23.9%)とし、6期連続の増配を予定している。
■Key Points
・2020年3月期のファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業は2期ぶりに増益に転じる
・2021年3月期業績は先行投資費用増と新型コロナウイルス感染症の影響で減益見通しに
・新中期経営計画をスタート、顧客変化を先取りした価値創出と事業領域の拡張により成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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