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テクマト Research Memo(9):中期経営計画の経営数値目標は1年前倒しで達成

注目トピックス 日本株
■テクマトリックス<3762>の今後の見通し

2. 中期経営計画「GO BEYOND 3.0」の進捗状況
2019年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」と「セキュリティ&セイフティ(安心と安全)の追求」という前中期経営計画の事業戦略を踏襲しつつ、新たに「事業運営体制の多様化」「サービス化の加速」「データの利活用」「BtoCへの参入」「海外市場での事業を加速」「事業運営基盤の強化」「M&A」の7つのテーマを掲げて、その取り組みを進めている。2年間を終えた同社自身の評価ではおおむね順調であるとの認識だ。

一方、業績については2019年3月期が当初計画に対して売上高、営業利益ともに上回ったのに続き、2020年3月期も会社計画を上回って着地し、売上高、営業利益ともに2021年3月期の目標値を1年前倒しで達成した。事業セグメント別で見れば、情報セキュリティ対策に対する投資が年々重要性を増すなかで、情報基盤事業が売上高、営業利益とも1年前倒しで目標を達成している。また、アプリケーション・サービス事業については売上高については目標を前倒しで達成したものの、営業利益については計画を下回る進捗となっている。分野別で見れば、ビジネスソリューション分野が想定を下回っており、事業構造転換の遅れが響いている格好だ。このため、同分野の立て直しに注力し、営業利益ベースの計画達成を目指していく考えだ。

同社の情報基盤事業の売上高は、直近5年間で年平均9.6%の成長を続けてきた。情報セキュリティ対策の需要拡大という市場の追い風があったことに加えて、需要が見込める最先端製品をいち早く海外から導入する「目利き力」を持っていたことも一因で、高成長につながっているものと考えられる。今後についてもサイバー攻撃の進化が続く限り、対応する新たな情報セキュリティ製品が開発される見通しであり、同社の成長も続くものと予想される。ストック売上となる監視・運用サービスを積み上げることで収益基盤を固めながら持続的な成長が続くものと予想される。

一方、アプリケーション・サービス事業では医療分野での今後の成長が期待される。AIによる遠隔診断サービスやコンシューマ(患者)用PHRサービスについては始まったばかりであり、収益への貢献はまだ先となるが、潜在的なニーズは大きいと見られ、中長期的に同社の収益に貢献する見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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