イグニス Research Memo(5):2020年9月期の売上高予想を増額修正
[20/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
1. 2020年9月期の業績予想
2020年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、期初の売上高予想を4,000百万円(前期比28.2%減)から5,000百万円(同10.2%減)へ増額修正した。一方、利益予想は引き続き非公表となっている。
前期比で減収予想となっているのは、期初の段階で詳細未確定であった「ゲーム事業」の譲渡がそもそもの理由であるが、『with』の伸長により「マッチング事業」が期初予想を上回る見込みとなったことや、「ゲーム事業」の譲渡のタイミングが2020年3月2日となり、第2四半期の途中まで売上を計上したことが、期初の売上高予想を増額修正した経緯である。
一方、利益予想については、「エンターテック事業」における今後の売上高や事業投資について不確定要素があるため、引き続き非公表としている。
2. 新型コロナウイルス感染拡大により想定される影響
主要事業における新型コロナウイルス感染拡大の影響は以下のとおりであるが、全体を総括すれば、事業特性や構造から見て、その影響は限定的と見ることができる。
(1) マッチング事業
足元でのアクティブユーザー数の推移や広告費回収効率など、重視するKPIに大きな変化はなく、影響はあったとしても軽微であると想定している。
(2) エンターテック事業
IP関連については、イベント延期・中止・内容変更による影響が懸念されるものの、そもそもまだ売上規模は小さく、予算上も保守的にみているため、ダウンサイドリスクは小さい。また、代替イベント(オンライン配信)等の実施によりある程度カバーできる可能性もある。一方、プラットフォームについては、『INSPIX WORLD』へのアップデート開発は在宅勤務推奨により生産性が若干低下する可能性があるものの、まだ事業投資の段階にあるため、当面の業績に影響はない。
3. 弊社アナリストの見方
修正後の売上高予想5,000百万円の達成のためには、下期の売上高として2,008百万円が必要となる。「ゲーム事業」の譲渡によるマイナス部分は大きいが、成長軌道にある「マッチング事業」だけでも十分に達成できる水準であるとみている。したがって、「エンターテック事業」によりどれだけ上乗せできるかがポイントであろう。一方、利益面でも「ゲーム事業」による利益貢献を失うため、「エンターテック事業」への事業投資を「マッチング事業」の利益で賄っていくことが必要となる。したがって、通期での黒字転換を実現するためには、「エンターテック事業」への先行費用のかけ方次第とも言えるが、積み上げ型収益モデルである『with』の伸びに伴ってベース利益が底上げされてくることから、「エンターテック事業」への一定の事業投資を継続したとしても黒字化の可能性は十分に高いと判断している。最大の注目点は、何と言っても爆発力が期待される「エンターテック事業」の将来に向けた動きであろう。自社関連IPやVR音楽ライブのプラットフォームである『INSPIX LIVE』が立ち上がってきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階にあることから、今後どのように拡大させ、収益の最大化を図っていくのか、そのスピードを含めてフォローする必要がある。特に、「初音ミク」VRライブを予定している『INSPIX WORLD』のリリースに向けた動きやその反響に注目すべきであろう。一方、新型コロナウイルス感染拡大に関しては、イベント中止等による影響が懸念されるものの、見方を変えれば、バーチャルライブプラットフォームの普及に拍車をかける可能性もあり、新たに開発を開始したオンライン接近イベントシステム「PH」(仮)などにも期待したい。また、前述のとおり、新株予約権の行使に伴う資金調達により、財務体質が改善され、GC注記の記載が解消されたことも、今後に向けて評価すべきポイントと捉えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2020年9月期の業績予想
2020年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、期初の売上高予想を4,000百万円(前期比28.2%減)から5,000百万円(同10.2%減)へ増額修正した。一方、利益予想は引き続き非公表となっている。
前期比で減収予想となっているのは、期初の段階で詳細未確定であった「ゲーム事業」の譲渡がそもそもの理由であるが、『with』の伸長により「マッチング事業」が期初予想を上回る見込みとなったことや、「ゲーム事業」の譲渡のタイミングが2020年3月2日となり、第2四半期の途中まで売上を計上したことが、期初の売上高予想を増額修正した経緯である。
一方、利益予想については、「エンターテック事業」における今後の売上高や事業投資について不確定要素があるため、引き続き非公表としている。
2. 新型コロナウイルス感染拡大により想定される影響
主要事業における新型コロナウイルス感染拡大の影響は以下のとおりであるが、全体を総括すれば、事業特性や構造から見て、その影響は限定的と見ることができる。
(1) マッチング事業
足元でのアクティブユーザー数の推移や広告費回収効率など、重視するKPIに大きな変化はなく、影響はあったとしても軽微であると想定している。
(2) エンターテック事業
IP関連については、イベント延期・中止・内容変更による影響が懸念されるものの、そもそもまだ売上規模は小さく、予算上も保守的にみているため、ダウンサイドリスクは小さい。また、代替イベント(オンライン配信)等の実施によりある程度カバーできる可能性もある。一方、プラットフォームについては、『INSPIX WORLD』へのアップデート開発は在宅勤務推奨により生産性が若干低下する可能性があるものの、まだ事業投資の段階にあるため、当面の業績に影響はない。
3. 弊社アナリストの見方
修正後の売上高予想5,000百万円の達成のためには、下期の売上高として2,008百万円が必要となる。「ゲーム事業」の譲渡によるマイナス部分は大きいが、成長軌道にある「マッチング事業」だけでも十分に達成できる水準であるとみている。したがって、「エンターテック事業」によりどれだけ上乗せできるかがポイントであろう。一方、利益面でも「ゲーム事業」による利益貢献を失うため、「エンターテック事業」への事業投資を「マッチング事業」の利益で賄っていくことが必要となる。したがって、通期での黒字転換を実現するためには、「エンターテック事業」への先行費用のかけ方次第とも言えるが、積み上げ型収益モデルである『with』の伸びに伴ってベース利益が底上げされてくることから、「エンターテック事業」への一定の事業投資を継続したとしても黒字化の可能性は十分に高いと判断している。最大の注目点は、何と言っても爆発力が期待される「エンターテック事業」の将来に向けた動きであろう。自社関連IPやVR音楽ライブのプラットフォームである『INSPIX LIVE』が立ち上がってきたとはいえ、まだ試行錯誤の段階にあることから、今後どのように拡大させ、収益の最大化を図っていくのか、そのスピードを含めてフォローする必要がある。特に、「初音ミク」VRライブを予定している『INSPIX WORLD』のリリースに向けた動きやその反響に注目すべきであろう。一方、新型コロナウイルス感染拡大に関しては、イベント中止等による影響が懸念されるものの、見方を変えれば、バーチャルライブプラットフォームの普及に拍車をかける可能性もあり、新たに開発を開始したオンライン接近イベントシステム「PH」(仮)などにも期待したい。また、前述のとおり、新株予約権の行使に伴う資金調達により、財務体質が改善され、GC注記の記載が解消されたことも、今後に向けて評価すべきポイントと捉えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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