澁澤倉庫 Research Memo(4):顧客ニーズに即したサービスを展開(1)
[20/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
3. 物流事業のサービス
澁澤倉庫<9304>の事業・業務をサービス別に見ると、以下のように、倉庫保管サービス、陸上運送サービス、輸出入フォワーディングサービス、海外事業、港湾運送事業、不動産賃貸サービスなどに分けることができる。
(1) 倉庫保管サービス
a) 倉庫保管
一般貨物の常温倉庫を始め可動式ラック倉庫や定温倉庫、危険品倉庫など万全の態勢で最適な保管環境を提供するとともに、顧客の商品特性に応じた多様な荷役機器を有している。また、自社開発した倉庫管理システム(WMS)によるリアルタイムな在庫照会や、EDIによる連携などを利用することで、最適な物流ソリューションを提案し、顧客の効率的な販売戦略をサポートしている。
b) 流通加工
流通加工では、輸入雑貨や食品の検品・ラベル貼り作業、アパレル製品の札付け・検針・ラッピング作業、化学品の解袋・サンプリング・混合・バルク積作業など、煩雑で労力の要る作業を顧客に代わって行っており、商品の高付加価値化をサポートしている。このような保管場所における流通加工のワンストップサービスは、顧客にとって輸送費低減や管理の一元化につながるため好評である。また、顧客と流通加工システムの共同開発を進めることで、顧客はより有機的なロジスティクス戦略を展開することが可能となる。
(2) 陸上運送サービス
a) 全国輸配送
同社の陸上運送サービスにおける最大の特徴は、トレーラーや大型車など豊富な車両を活用し全国ネットの営業網を生かした、大量ラウンド運行による「幹線輸送」サービスと、自社開発の自動配車・輸配送システムなどによるきめ細かな「地域内の地場配送」サービスにある。さらに、特殊車によるバラ貨物輸送など多種多様な要請に応じることもできる。これまで蓄積してきた豊富な経験・ノウハウを生かし、あらゆるニーズに対応できる輸送方法と輸送ネットワークを構築している。
b) 共同配送
メーカーごとに配送先に車両運行を手配する非効率性を解消するため、同社は全国各地で共同配送の拠点(TC、DC)を運営している。車両の共同使用を進めることで、積載効率向上や車両台数の削減、荷受け作業の効率化によるローコストオペレーションが期待できる。また、深刻化しているドライバー(労働力)不足、環境負荷低減などの課題解消にもつながるため、現状、取り組みを積極的に拡大している。
c) モーダルシフト
環境にやさしい輸送モードである「フェリー輸送」や「鉄道輸送」を利用できるサービスも提供している。環境負荷の低減やドライバー不足の解消、長距離輸送コストの削減などに効果があるため、グループ全体でもトラック輸送からのモーダルシフトも進めているところである。
(3) 輸出入フォワーディングサービス
a) 通関/輸出入海貨業務
AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者として、熟練したスタッフやベテラン通関士を全国の主要な港や空港に配置し、日用雑貨・アパレル・化学品・食料品・機械類など様々な商品の通関を行っている。また、プラント輸出に加え自由貿易協定やその他法令、再輸出、免税手続き、戻し税手続きといった専門的なノウハウが必要な通関に関しても、相談から申告手続きまでサポートすることができる。システム面では、自社システムとNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)との連携のほか、国内外の顧客とのオンライン化により迅速で効率的なサービスを提供している。海上貨物の業務では、輸入貨物についてはD/O交換、搬出手続き、指定納入先までの輸送など、輸出貨物については貨物引取りから梱包、船社までの輸送手配など様々なサービスを一括して行っている。
b) 貿易代行
商品の輸出入には、受発注業務やインボイス、パッキングリストなどの書類の作成、現地取引先とのスケジュール調整、官庁手続き、銀行手続きなど、物の移動以外に煩雑な手続きが伴う。同社では長年にわたる豊富な貿易実務経験により、顧客に代わってこうした手続きを行うアウトソーシングサービスも提供している。
c) 国際輸送
海上国際輸送では複数の船会社や混載会社、協力会社を利用できるだけでなく、競争力のある海上運賃や出荷スケジュールを優先した最適な輸送手段も提案している。B/L(船荷証券)は、同社が発行するHOUSEB/L、もしくは海上運賃の交渉・ブッキングを行うことで船会社が発行するB/L、いずれをも利用することが可能である。また、混載貨物(LCL)サービスとして、横浜から上海・新港・大連・青島・香港向けの輸送サービスを提供している。航空国際輸送では、IATA(国際航空運送協会)の公認代理店として、精密機器から自動車部品、化学品原材料、食品・イベント輸送に至るまで幅広いサービスを提供している。
d) 国際一貫輸送
(社)国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の正会員である同社は、中国・香港・ベトナム・フィリピンにある海外現地法人や提携代理店と連携しており、陸・海・空による複数の輸送手段を組み合わせることができる。このため、家電や精密機械、自動車部品などの輸送において、様々な企業に対して納期短縮やコスト低減を提案するなど、効率的で最適なDoor to Doorサービスを提供している。提携代理店は北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアを始め、ブラジル・サウジアラビア・南アフリカなどほぼ全世界をカバーしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
3. 物流事業のサービス
澁澤倉庫<9304>の事業・業務をサービス別に見ると、以下のように、倉庫保管サービス、陸上運送サービス、輸出入フォワーディングサービス、海外事業、港湾運送事業、不動産賃貸サービスなどに分けることができる。
(1) 倉庫保管サービス
a) 倉庫保管
一般貨物の常温倉庫を始め可動式ラック倉庫や定温倉庫、危険品倉庫など万全の態勢で最適な保管環境を提供するとともに、顧客の商品特性に応じた多様な荷役機器を有している。また、自社開発した倉庫管理システム(WMS)によるリアルタイムな在庫照会や、EDIによる連携などを利用することで、最適な物流ソリューションを提案し、顧客の効率的な販売戦略をサポートしている。
b) 流通加工
流通加工では、輸入雑貨や食品の検品・ラベル貼り作業、アパレル製品の札付け・検針・ラッピング作業、化学品の解袋・サンプリング・混合・バルク積作業など、煩雑で労力の要る作業を顧客に代わって行っており、商品の高付加価値化をサポートしている。このような保管場所における流通加工のワンストップサービスは、顧客にとって輸送費低減や管理の一元化につながるため好評である。また、顧客と流通加工システムの共同開発を進めることで、顧客はより有機的なロジスティクス戦略を展開することが可能となる。
(2) 陸上運送サービス
a) 全国輸配送
同社の陸上運送サービスにおける最大の特徴は、トレーラーや大型車など豊富な車両を活用し全国ネットの営業網を生かした、大量ラウンド運行による「幹線輸送」サービスと、自社開発の自動配車・輸配送システムなどによるきめ細かな「地域内の地場配送」サービスにある。さらに、特殊車によるバラ貨物輸送など多種多様な要請に応じることもできる。これまで蓄積してきた豊富な経験・ノウハウを生かし、あらゆるニーズに対応できる輸送方法と輸送ネットワークを構築している。
b) 共同配送
メーカーごとに配送先に車両運行を手配する非効率性を解消するため、同社は全国各地で共同配送の拠点(TC、DC)を運営している。車両の共同使用を進めることで、積載効率向上や車両台数の削減、荷受け作業の効率化によるローコストオペレーションが期待できる。また、深刻化しているドライバー(労働力)不足、環境負荷低減などの課題解消にもつながるため、現状、取り組みを積極的に拡大している。
c) モーダルシフト
環境にやさしい輸送モードである「フェリー輸送」や「鉄道輸送」を利用できるサービスも提供している。環境負荷の低減やドライバー不足の解消、長距離輸送コストの削減などに効果があるため、グループ全体でもトラック輸送からのモーダルシフトも進めているところである。
(3) 輸出入フォワーディングサービス
a) 通関/輸出入海貨業務
AEO(Authorized Economic Operator)認定通関業者として、熟練したスタッフやベテラン通関士を全国の主要な港や空港に配置し、日用雑貨・アパレル・化学品・食料品・機械類など様々な商品の通関を行っている。また、プラント輸出に加え自由貿易協定やその他法令、再輸出、免税手続き、戻し税手続きといった専門的なノウハウが必要な通関に関しても、相談から申告手続きまでサポートすることができる。システム面では、自社システムとNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)との連携のほか、国内外の顧客とのオンライン化により迅速で効率的なサービスを提供している。海上貨物の業務では、輸入貨物についてはD/O交換、搬出手続き、指定納入先までの輸送など、輸出貨物については貨物引取りから梱包、船社までの輸送手配など様々なサービスを一括して行っている。
b) 貿易代行
商品の輸出入には、受発注業務やインボイス、パッキングリストなどの書類の作成、現地取引先とのスケジュール調整、官庁手続き、銀行手続きなど、物の移動以外に煩雑な手続きが伴う。同社では長年にわたる豊富な貿易実務経験により、顧客に代わってこうした手続きを行うアウトソーシングサービスも提供している。
c) 国際輸送
海上国際輸送では複数の船会社や混載会社、協力会社を利用できるだけでなく、競争力のある海上運賃や出荷スケジュールを優先した最適な輸送手段も提案している。B/L(船荷証券)は、同社が発行するHOUSEB/L、もしくは海上運賃の交渉・ブッキングを行うことで船会社が発行するB/L、いずれをも利用することが可能である。また、混載貨物(LCL)サービスとして、横浜から上海・新港・大連・青島・香港向けの輸送サービスを提供している。航空国際輸送では、IATA(国際航空運送協会)の公認代理店として、精密機器から自動車部品、化学品原材料、食品・イベント輸送に至るまで幅広いサービスを提供している。
d) 国際一貫輸送
(社)国際フレイトフォワーダーズ協会(JIFFA)の正会員である同社は、中国・香港・ベトナム・フィリピンにある海外現地法人や提携代理店と連携しており、陸・海・空による複数の輸送手段を組み合わせることができる。このため、家電や精密機械、自動車部品などの輸送において、様々な企業に対して納期短縮やコスト低減を提案するなど、効率的で最適なDoor to Doorサービスを提供している。提携代理店は北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアを始め、ブラジル・サウジアラビア・南アフリカなどほぼ全世界をカバーしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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