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ミロク情報 Research Memo(3):2020年3月期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高を連続更新

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2020年3月期の業績概要
ミロク情報サービス<9928>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比13.4%増の35,501百万円、営業利益が同1.2%増の5,227百万円、経常利益が同5.0%増の5,311百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同50.7%減の1,839百万円となり、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を連続で更新した。

企業のIT投資意欲が引き続き旺盛だったことに加えて、Windows7のサポート終了(2020年1月)を控えてハードウェアを含めたリプレース需要が活発化したことが売上高の好調要因となった。一方で、営業利益の伸びが微増にとどまったのは、今後のクラウドサービスへの本格的な移行による収益構造の変化や、クラウド製品の徹底した競争力強化のための更なる開発投資を考慮し、一旦、既存のクラウド製品(かんたんクラウド会計・給与、Edge Tracker等)における将来の収益性を保守的に見直し、当該製品に係るソフトウェア資産の大半部分を早期償却(1,078百万円)したことが主因となっている。同要因を除けば、営業利益は前期比22.0%増の6,305百万円と会社計画を上回って着地していたことになる。

また、開発中のWeb型製品に関して、顧客ニーズや競争環境の変化に伴い、新製品開発の方向性、優先順位を一部見直したことにより、長期の開発行為に分類されるソフトウェア資産において収益見込みの変動要素が大きいと判断し、将来の評価損リスクを考慮して2,516百万円のソフトウェア評価損を特別損失として計上した。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては減益となっている。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、売上面では第4四半期も前年同期比9.6%増と順調に推移し、その影響は見られなかったものの、2月以降受注面での影響が出始めており、同社がKPIとしているシステム導入契約売上高の期末受注残(単体)※も4.44ヶ月と期首の5.06ヶ月から減少した。

※期末受注残のヶ月は、同年度の計上売上計画をベースに算出


新型コロナウイルス感染症に対する従業員への対応としては、1月よりマスク、体温計などを配布し、2月からは時差出勤やテレワークなどの段階的な実施と、セミナー・展示会等の自粛、4月以降は顧客への対面営業・サポートを原則禁止(商談等のオンライン化対応の促進)としたほか、全社員によるテレワークを開始した。緊急事態宣言の解除を受け、5月下旬以降は徐々に通常体制に戻しつつある。

一方、顧客対応としては、2月より同社のリモートアクセス「iCompassリモートPC2」と遠隔サポートツール「iCompassコミュニケーション」の無償提供を期間限定で開始したほか、3月には会計事務所・中小企業向けに、官公庁・省庁及び金融機関の支援情報サイトを同社HP上に開設、4月には会計事務所向けを中心に持続化給付金等の適用可否を自動判定する「資金繰り支援対象判定」機能を提供した。同社では感染収束後の業務推進体制の抜本的な見直しを視野に、全社的な業務プロセス改革と生産性向上への取り組みを加速化していく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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