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アイモバイル---インターネットマーケティング企業として第3の成長ステージへ

注目トピックス 日本株
「“ひとの未来に貢献する”マーケティングを」をビジョンに掲げ、「アドネットワーク」企業として成長を続けているアイモバイル<6535>。スマートフォン・P?への広告配信ネットワークでは国内最大級だ。2007年の創業。スマートフォン以前の「ガラケー」の時代からユーザー端末への広告配信を手掛けており、この分野の先駆者である。2014年にはふるさと納税のための支援サイトを開始し、同市場でのシェアも順調に拡大、第2の事業の柱として確立したところだ。

「アドネットワーク」とは、広告の配信や分析により広告の最適化を提案し、広告主(自社製品やサービスを宣伝したい企業や個人事業主、広告代理店)とメディア(広告を掲載する媒体、その管理者)双方の収益の最大化を達成するシステムである。つまり、広告主に対しては、広告効果を最大限に高めるために最適なターゲットに配信することを提案し、メディアに対しては、掲載効果の最大化のために、最適な広告主に広告枠を買ってもらうように提案する。広告主からすれば、ウェブ上に散在する数多くのメディアのどれに広告を出せばよいか、判断できない。長年の経験から広告配信の最適化のために機械学習アルゴリズムの精度を高めてきたことが、インターネット広告事業での同社の強みである。

同社の事業構成は、ふるさと納税制度に関するサポートを納税者(寄附者)に対して行う「ふるなび」関連サービスを含むコンシューマ事業とインターネット広告事業の2つだ。売上構成比はインターネット広告が7割を占めるが、営業利益ではこの構成が逆転しコンシューマ事業が7割になる。「ふるなび」は、コンシューマ事業に区分されている。納税者に地方自治体からの返礼品や支援を紹介するポータルサイトの運営で自治体からの手数料を収益としている。だが、実際には、地方自治体に対し、返礼品の選定やふるさとの魅力を訴求するポイントなどのマーケティング支援を加えている。ここに、納税者(エンドユーザー)のニーズにあった広告をどのように届けるのかというインターネット広告で培った同社のマーケティングノウハウが生きている。SDGsの一つにもある「地方創生の実現」に沿った社会貢献事業とも言えるだろう。直近では、新型コロナウイルス感染症によって被害にあった人々の支援のため、同社の「ふるなび」を活用して、自治体に代わり寄附金の受付を行っている。

現在までに約400の自治体が同社の「ふるなび」に掲載され、特色あるサイト構成とTVCMの効果もあり、この市場で4強の一角を占める。住民税全体の納税額には上限値があるが、現在の寄附控除の規模からすると同市場には、まだ大きな潜在需要があり、サービスの質を高め、認知度を向上させるなど市場の裾野を拡大することで、成長余地は大きいと同社では見ている。

インターネット広告の世界でも広告審査が厳格化されるなど事業環境は厳しくなりつつある。今日までに築いた顧客基盤とブランド力、技術力と資金力で、同社は新たな市場の開拓と成長事業分野への投資を推進し、アプリ運営事業「オーテ」を買収するなど、スマホゲームアプリを始めとする第3の事業の柱を構築中だ。事業の先見性と技術の独自性で、非連続な成長を達成してきた同社の今後が注目される。




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