ディーエムソリュ Research Memo(1):新型コロナウイルスの影響は限定的と思われる
[20/07/03]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. ダイレクトメールとインターネット広告が両輪
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)をつなぐ事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画から印刷、封入・封緘、配送といった作業をワンストップで展開、単なる発送代行にとどまらないソリューションを提供しており、大手上場企業など多くの顧客に利用されている。インターネット事業では、SEOを核にデジタルマーケティングサービスとバーティカルメディアサービスを展開、インターネットマーケティングに関するソリューションを提供している。2020年3月期における売上高構成比は、安定成長期待のダイレクトメール事業が87.7%、高成長期待のインターネット事業が12.3%だった。
2. 営業力、受託能力、価格競争力、ワンストップソリューションが強み
ダイレクトメールの市場は微減傾向にあると言われているが、中小零細の事業者が多いため、まだ2〜3%のシェアしかない同社にとって成長余地は大きい。加えて同社には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、継続的増強投資で余裕のある受託能力、スケールメリットなどを背景とした価格競争力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューションという強みがある。こうした強みを背景に、同事業は安定して2ケタ近い成長を続けている。一方、インターネット事業は競合の多い厳しい環境下にある。しかし、高成長分野であるため、SEOのノウハウを積み上げるなど、同社は先行費用を投入しつつ技術を磨いているところである。その中で自社バーティカルメディアが育ってきており、同社の強みとなりつつあるようだ。
3. 新型コロナウイルス感染拡大と「MOBY」が足を引っ張った
2020年3月期の業績は、売上高13,433百万円(前期比10.3%増)、営業利益212百万円(同29.4%減)となった。売上面では、ダイレクトメール事業で新型コロナウイルスの影響を少し受けたものの、インターネット事業で新規メディアを投入した効果などがあって堅調な推移となった。利益面では、インターネット事業の成長へ向けた先行投資により減益となった。期初予想に対して売上高で561百万円、営業利益で57百万円の未達となったが、これは、新型コロナウイルスの影響で一部ダイレクトメールにキャンセルが出たこと、インターネット事業で自動車情報メディア「MOBY」の広告収入が予想に達しなかったこと??などが要因である。なお、当期純損失の理由は、「MOBY」に関わる減損損失を特別損失に計上したことにある。
4. 新型コロナウイルスの影響で2021年3月期減益予想
2021年3月期の業績予想について、同社は売上高13,949百万円(前期比3.8%増)、営業利益200百万円(同5.7%減)と見込んでいる。新型コロナウイルスの影響に関して同社の前提は、第1四半期と第2四半期の途中までは非常に厳しい状況を想定、その後緩やかに回復し、第3四半期と第4四半期に正常化するというものである。そのような事業環境の中、ダイレクトメール事業では、シェアアップや新サービスによる販路拡大など5つの戦略に取り組む方針である。インターネット事業では、自社バーティカルメディアを拡充し、「NEWSポストセブン」など大手メディアとの連携を強化する考えだ。新型コロナウイルスの影響は、同社にとってプラスの要素もあることから、実際は功罪相半ばするように思われる。
■Key Points
・ダイレクトメール事業は営業力や価格競争力などに強み
・インターネット事業はSEOに加えバーティカルメディアも強みに
・新型コロナウイルスの影響は同社にとってデメリットばかりでなくメリットもある
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. ダイレクトメールとインターネット広告が両輪
ディーエムソリューションズ<6549>は、ダイレクトメールとインターネット広告を通じて、顧客企業とエンドユーザー(消費者・企業)をつなぐ事業を行っている。ダイレクトメール事業では、ダイレクトメールの企画から印刷、封入・封緘、配送といった作業をワンストップで展開、単なる発送代行にとどまらないソリューションを提供しており、大手上場企業など多くの顧客に利用されている。インターネット事業では、SEOを核にデジタルマーケティングサービスとバーティカルメディアサービスを展開、インターネットマーケティングに関するソリューションを提供している。2020年3月期における売上高構成比は、安定成長期待のダイレクトメール事業が87.7%、高成長期待のインターネット事業が12.3%だった。
2. 営業力、受託能力、価格競争力、ワンストップソリューションが強み
ダイレクトメールの市場は微減傾向にあると言われているが、中小零細の事業者が多いため、まだ2〜3%のシェアしかない同社にとって成長余地は大きい。加えて同社には、約90人の営業スタッフによる全国規模の展開力、継続的増強投資で余裕のある受託能力、スケールメリットなどを背景とした価格競争力、企画・デザインから発送までのワンストップソリューションという強みがある。こうした強みを背景に、同事業は安定して2ケタ近い成長を続けている。一方、インターネット事業は競合の多い厳しい環境下にある。しかし、高成長分野であるため、SEOのノウハウを積み上げるなど、同社は先行費用を投入しつつ技術を磨いているところである。その中で自社バーティカルメディアが育ってきており、同社の強みとなりつつあるようだ。
3. 新型コロナウイルス感染拡大と「MOBY」が足を引っ張った
2020年3月期の業績は、売上高13,433百万円(前期比10.3%増)、営業利益212百万円(同29.4%減)となった。売上面では、ダイレクトメール事業で新型コロナウイルスの影響を少し受けたものの、インターネット事業で新規メディアを投入した効果などがあって堅調な推移となった。利益面では、インターネット事業の成長へ向けた先行投資により減益となった。期初予想に対して売上高で561百万円、営業利益で57百万円の未達となったが、これは、新型コロナウイルスの影響で一部ダイレクトメールにキャンセルが出たこと、インターネット事業で自動車情報メディア「MOBY」の広告収入が予想に達しなかったこと??などが要因である。なお、当期純損失の理由は、「MOBY」に関わる減損損失を特別損失に計上したことにある。
4. 新型コロナウイルスの影響で2021年3月期減益予想
2021年3月期の業績予想について、同社は売上高13,949百万円(前期比3.8%増)、営業利益200百万円(同5.7%減)と見込んでいる。新型コロナウイルスの影響に関して同社の前提は、第1四半期と第2四半期の途中までは非常に厳しい状況を想定、その後緩やかに回復し、第3四半期と第4四半期に正常化するというものである。そのような事業環境の中、ダイレクトメール事業では、シェアアップや新サービスによる販路拡大など5つの戦略に取り組む方針である。インターネット事業では、自社バーティカルメディアを拡充し、「NEWSポストセブン」など大手メディアとの連携を強化する考えだ。新型コロナウイルスの影響は、同社にとってプラスの要素もあることから、実際は功罪相半ばするように思われる。
■Key Points
・ダイレクトメール事業は営業力や価格競争力などに強み
・インターネット事業はSEOに加えバーティカルメディアも強みに
・新型コロナウイルスの影響は同社にとってデメリットばかりでなくメリットもある
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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