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昭和産 Research Memo(5):コーンスターチは、食品用途、工業用途ともに好調

注目トピックス 日本株
■昭和産業<2004>の業績動向

2. セグメント別業績
(1) 製粉事業
製粉事業の売上高は83,190百万円(前期比0.1%増)、営業利益は2,893百万円(同3.9%減)だった。業務用小麦粉の販売数量については、パン用、日本麺用小麦粉を中心に拡販を行ったことにより前期比で増加した。一方で、業務用プレミックス(加工用プレミックス)の販売数量は前期を下回った。その他、ふすま(小麦の外皮で家畜の飼料)の販売数量については前期を上回っている。なお、輸入小麦の政府売渡価格が2019年4月に平均1.7%(税込価格)、10月に平均8.7%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施している。

(2) 油脂食品事業
油脂食品事業の売上高は78,273百万円(前期比2.8%減)、営業利益は3,705百万円(同11.7%減)だった。業務用食材(ミックス・パスタ)の販売数量はほぼ前期並みだったが、業務用油脂の販売数量は、価格改定を優先したことや自然災害の影響もあり、前期を下回っている。家庭用については、注力するオリーブオイルは伸長したが、汎用油の販売数量が減少したことから、全体としては前期を下回った。一方で家庭用プレミックス、パスタの販売数量については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、2月下旬からの学校休校や外出自粛要請等による内食需要の増加を受け、ホットケーキミックス、お好み焼粉、パスタが伸長し、前期を上回っている。

(3) 糖質事業
糖質事業は価格改定に努めたことにより、売上高は34,685百万円(前期比2.5%増)、営業利益は1,127百万円(同288.8%増)と大きく伸びている。同事業は同社子会社である敷島スターチ(株)との連携を図り、また低分解水あめ、粉あめなどに代表される独自商品群の提案に努めている。糖化品の販売数量については、天候不順等により飲料用途を中心に前期を下回った。一方で、コーンスターチは、食品用途、工業用途ともに好調。加工でん粉については、糖化品と同様に天候不順の影響から食品用途の販売が落ち込んでいる。なお、水あめについては、水分保持作用などの機能があり、噴霧乾燥した粉あめは、経腸栄養剤や介護食などの分野において需要が伸びている。また、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響からネットショッピングが増えており、それに伴い、製紙・段ボールの接着に使われる工業用コーンスターチの需要が伸びている。

(4) 飼料事業
飼料事業の売上高は52,605百万円(前期比1.2%減)、営業利益は762百万円(同32.9%増)だった。配合飼料の販売数量は前期を下回ったが、鶏卵の販売数量は前期を上回っている。また、配合飼料の販売価格については、原料穀物価格の影響、鶏卵の販売価格は鶏卵の余剰感による相場の低迷から前期を下回っている。

(5) 倉庫事業
倉庫事業の売上高は2,860百万円(前期比0.6%増)、営業利益は719百万円(同1.2%増)だった。貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めたことにより、増収増益となった。

(6) 不動産事業
不動産事業の売上高は2,079百万円(前期比1.4%増)、営業利益1,190百万円(同2.6%増)だった。所有物件の資産価値向上、リーシングによる売上拡大を図っており、オフィス用賃貸ビル並びに商業用土地建物の賃料収入は、新規テナントの獲得により、前期を上回っている。また、ビル管理費用の低減及び大規模修繕が一巡したことにより、賃貸事業原価は前期よりも改善している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)




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