ALBERT Research Memo(1):2020年12月期は売上高、営業利益、経常利益で2ケタ成長を見込む
[20/07/14]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
ALBERT<3906>は、日本屈指のデータサイエンスカンパニー※として、「顧客ごとに特化したビッグデータ分析、アルゴリズム開発、AIのシステム実装等を提供するプロジェクト型サービス」「幅広い顧客を対象とするAIを搭載した汎用的な自社プロダクトの提供」「データサイエンティスト育成支援」の3つの事業サービスを展開する。自動車、製造(自動車除く)、通信、流通・インフラ、金融業界を重点産業と位置付け、CATALYST戦略に基づく業界大手との業務提携を通じて、AIネットワーク化社会の実現と収益成長を目指す。
※データから価値を創出し、ビジネス課題の解決を実現するプロフェッショナル集団
1. 2019年12月期の業績概要
2019年12月期の売上高は前期比42.5%増の2,324百万円、営業利益は同5.8%減の189百万円と増収減益決算となった。売上高はCATALYSTパートナーとの提携プロジェクトを中心に受注が旺盛で、とりわけ製造(自動車除く)や通信、金融向けの売上が大きく伸長し、ほぼ会社計画並みの売上を達成した。一方、営業利益については成長に向けた先行投資を実施したことが減益要因となっている。2019年1月に本社を移転増床したほか、同年4月に名古屋に東海支社を新設し、拠点拡大に伴う費用が増加したほか、データサイエンティストの採用も計画以上に進んだことで人件費及び採用費が増加した。2019年12月期末のデータサイエンティスト数は前期末比51名増の195名となり、当初の想定(170〜180名)を上回るペースで拡大している。なお、CATALYSTパートナーとして新たに、金融分野で三井住友FG<8316>、流通・インフラ分野で日本ユニシス<8056>、製造分野でマクニカとそれぞれ資本業務提携契約または業務提携契約を締結している。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の売上高は前期比24.8%増の2,900百万円、営業利益は同53.0%増の290百万円を見込んでいる。CATALYSTパートナーを中心とした重点顧客との取引深耕を前提に売上成長を目指している。新たなCATALYSTパートナーの探索も行っているが、新規提携を機に取り組む案件等は計画に織り込んでいない。人材については引き続き前期末比で50名前後の増員を計画しているため人件費は増加するが、増収効果や前期に発生した拠点拡大に伴う一時費用がなくなること、データサイエンティストの稼働率を若干引き上げること等で営業利益率の上昇を見込む。新型コロナウイルス感染症の影響で一部顧客先のプロジェクトの予算減少や凍結などの影響が出ているものの、主要顧客は大手企業が中心のため大勢に影響はないと見られる。なお、特別損失として2019年12月期決算の不適切な会計処理に係る調査関連費用190百万円を計上することから、当期純利益は前期比61.1%減の73百万円と減益になる見通しだ。
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として「CATALYST戦略」を打ち出し、重点産業と位置付けた分野でCATALYSTパートナーを増やしながらプロジェクトの受注を拡大してきた。今後も同社が媒介役となって他社とのアライアンス構築や、CATALYSTパートナーとのAI・データシェアリング等の支援、新たなテーマでのCATALYST形成に取り組んでいく。また、プロダクトについては、AI・画像認識サービスの「タクミノメ」、AI・高性能チャットボット「スグレス」を引き続き展開。プロダクトの売上規模はまだ小さいものの、AI化社会の到来に向け成長ポテンシャルは高く、今後の展開が注目される。
■Key Points
・日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして、ビッグデータアナリティクス領域におけるソリューション事業を展開する
・2020年12月期業績は新型コロナウイルス感染症の影響も限定的で、当期純利益を除き2ケタ増収増益となる見通し
・CATALYST戦略に基づくパートナー探索を継続し、新たなテーマでのCATALYST形成に取り組んでいく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
ALBERT<3906>は、日本屈指のデータサイエンスカンパニー※として、「顧客ごとに特化したビッグデータ分析、アルゴリズム開発、AIのシステム実装等を提供するプロジェクト型サービス」「幅広い顧客を対象とするAIを搭載した汎用的な自社プロダクトの提供」「データサイエンティスト育成支援」の3つの事業サービスを展開する。自動車、製造(自動車除く)、通信、流通・インフラ、金融業界を重点産業と位置付け、CATALYST戦略に基づく業界大手との業務提携を通じて、AIネットワーク化社会の実現と収益成長を目指す。
※データから価値を創出し、ビジネス課題の解決を実現するプロフェッショナル集団
1. 2019年12月期の業績概要
2019年12月期の売上高は前期比42.5%増の2,324百万円、営業利益は同5.8%減の189百万円と増収減益決算となった。売上高はCATALYSTパートナーとの提携プロジェクトを中心に受注が旺盛で、とりわけ製造(自動車除く)や通信、金融向けの売上が大きく伸長し、ほぼ会社計画並みの売上を達成した。一方、営業利益については成長に向けた先行投資を実施したことが減益要因となっている。2019年1月に本社を移転増床したほか、同年4月に名古屋に東海支社を新設し、拠点拡大に伴う費用が増加したほか、データサイエンティストの採用も計画以上に進んだことで人件費及び採用費が増加した。2019年12月期末のデータサイエンティスト数は前期末比51名増の195名となり、当初の想定(170〜180名)を上回るペースで拡大している。なお、CATALYSTパートナーとして新たに、金融分野で三井住友FG<8316>、流通・インフラ分野で日本ユニシス<8056>、製造分野でマクニカとそれぞれ資本業務提携契約または業務提携契約を締結している。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の売上高は前期比24.8%増の2,900百万円、営業利益は同53.0%増の290百万円を見込んでいる。CATALYSTパートナーを中心とした重点顧客との取引深耕を前提に売上成長を目指している。新たなCATALYSTパートナーの探索も行っているが、新規提携を機に取り組む案件等は計画に織り込んでいない。人材については引き続き前期末比で50名前後の増員を計画しているため人件費は増加するが、増収効果や前期に発生した拠点拡大に伴う一時費用がなくなること、データサイエンティストの稼働率を若干引き上げること等で営業利益率の上昇を見込む。新型コロナウイルス感染症の影響で一部顧客先のプロジェクトの予算減少や凍結などの影響が出ているものの、主要顧客は大手企業が中心のため大勢に影響はないと見られる。なお、特別損失として2019年12月期決算の不適切な会計処理に係る調査関連費用190百万円を計上することから、当期純利益は前期比61.1%減の73百万円と減益になる見通しだ。
3. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として「CATALYST戦略」を打ち出し、重点産業と位置付けた分野でCATALYSTパートナーを増やしながらプロジェクトの受注を拡大してきた。今後も同社が媒介役となって他社とのアライアンス構築や、CATALYSTパートナーとのAI・データシェアリング等の支援、新たなテーマでのCATALYST形成に取り組んでいく。また、プロダクトについては、AI・画像認識サービスの「タクミノメ」、AI・高性能チャットボット「スグレス」を引き続き展開。プロダクトの売上規模はまだ小さいものの、AI化社会の到来に向け成長ポテンシャルは高く、今後の展開が注目される。
■Key Points
・日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして、ビッグデータアナリティクス領域におけるソリューション事業を展開する
・2020年12月期業績は新型コロナウイルス感染症の影響も限定的で、当期純利益を除き2ケタ増収増益となる見通し
・CATALYST戦略に基づくパートナー探索を継続し、新たなテーマでのCATALYST形成に取り組んでいく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>