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ダイナムジャパンHD Research Memo(4):2020年3月期は減収となるも、3期連続の増益を達成

注目トピックス 日本株
■2020年3月期の業績状況

1. 2020年3月期連結業績の概要
ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2020年3月期の連結業績は、営業収入で前期比3.0%減の141,919百万円、営業利益で同11.2%増の21,514百万円、税引前当期利益で同0.7%増の19,506百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同1.2%増の12,748百万円と減収ながらも3期連続で増益を確保した。

2020年3月期は低貸玉店舗1店舗を新規出店するとともに、商圏見直しに伴い3店舗を閉店し、期末のグループ店舗数は前期末比2店舗減の448店舗となった。

射幸性抑制に向けた規則改正による影響で、パチンコ人口の減少と市場規模の縮小が続くなかで、パチンコ機からパチスロ機へのシフトを進めるなど集客の維持向上に努めたものの、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症拡大により客数が落ち込んだ影響もあり、グロスの売上高に当たる貸玉収入は前期比4.7%減の732,862百万円に落ち込んだ。内訳は、低貸玉店舗が同1.5%減の322,592百万円、高貸玉店舗が同7.0%減の410,270百万円となっている。

一方、原価に相当する景品出庫額は前期比5.1%減の590,943百万円となった。貸玉収入と景品出庫額の差が粗利益であり、ネット売上高とも言える営業収入となる。これは前述のように前期比3.0%減収となった。

貸玉収入に対する営業収入の割合は粗利益率となるが、2020年3月期の粗利益率は前期比0.4%ポイント上昇の19.4%となった。低貸玉店舗は22.4%と前期並みの水準であったが、高貸玉店舗が17.0%と0.4ポイント上昇したこと、また、粗利益率の高い低貸玉店舗数の構成が上昇したことが要因となっている。粗利益率は顧客への還元率(貸玉収入に対する景品出庫額の割合)の逆数であるため、これが高すぎると客離れを招く一因となる可能性がある。過去の推移を見るとおおむね18%台〜19%台で推移しており2020年3月期は通常の範囲内の動きだったと言える。

営業費用は前期比4.8%減(6,112百万円減)の121,912百万円となった。パチスロ機の購入台数を増やしたことを主因として機械費が前期比2,433百万円増加したものの、店舗オペレーションの見直しにより人件費が同2,011百万円減少したほか、広告宣伝費等の店舗営業費用等が同4,451百万円減少した。また、2020年3月期よりIFRS(国際会計基準)においてリース会計基準が変更されたことにより、2,086百万円の費用減要因となった。賃貸不動産をリース資産とみなし、資産計上した上で損益面では従来の賃借費用という費用処理ではなく使用権資産償却額として計上することとなった。この影響で営業利益段階では2,086百万円の増益要因となっているが、リースに係る利息費用を金融費用に1,880百万円計上している。

2020年3月期の業績については、厳しい市場環境が続くなかで営業施策として低貸玉店へのシフトを進めるとともに集客の見込めるパチスロ機の購入を増やした。また、店舗オペレーションコストの抑制に散り組んだことで、減収ながらも増益を確保したことになる。営業収入に対する経費率を見ると、リース会計基準変更の影響(賃借費用・使用権資産償却費)を除けば、前期比で0.3ポイント低下した。機械費が同2.3ポイント上昇したものの、人件費で同0.3ポイント、広告費で同0.3ポイント、その他営業費用で同1.8ポイント低下し、オペレーションコストの低減効果が見て取れる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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