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日ダイナミク Research Memo(6):2020年3月期は営業・経常減益、最終増益

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2020年3月期連結業績の概要
日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.1%増の18,390百万円、営業利益が同10.4%減の936百万円、経常利益が同12.5%減の953百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.4%増の648百万円だった。

売上面ではシステム開発事業とパーキングシステム事業が順調に伸長して増収だが、利益面ではサポート&サービス事業の低採算案件のリカバリーのための外注費・労務費の増加に加えて、働き方改革に向けた全社的な職場環境整備費用の増加、ガバナンス強化に向けた管理部門の人員増強に伴う人件費の増加なども影響して営業・経常減益だった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益での投資有価証券売却益の計上、特別損失での減損損失の減少で増益だった。なお新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、パーキングシステム事業で第4四半期の3月以降に外出自粛の影響を受けたが、全体として通期ベースで見れば影響は軽微だった。

2. セグメント別動向
セグメント別の動向は以下のとおりである。

システム開発事業は、売上高が前期比11.7%増の7,073百万円、営業利益が同10.0%増の799百万円だった。売上面では生損保案件を中心に、既存顧客、新規顧客とも新領域の受注が拡大した。大企業グループが発注するベンダーを集約する動きを強めていることも追い風となった。利益面では増収効果に加えて、継続的な人的投資や業務プロセス改善の効果発現も寄与した。

サポート&サービス事業は、売上高が前期比0.9%減の4,568百万円、営業利益が同40.2%減の224百万円だった。2019年3月期に他社からの転注となった新規案件で、第1四半期のコスト増加(外注費・労務費など)が利益圧迫要因となり、採算回復が想定より遅れた。また低採算案件リカバリーのためにサポート要員を集中的に投入した影響で、その他顧客の案件獲得に影響を及ぼして売上面も伸び悩んだ。なお低採算となった当該案件は2021年3月期には採算回復見込みとしている。

パーキングシステム事業は、売上高が前期比11.0%増の6,693百万円、営業利益が同6.9%増の944百万円だった。第4四半期の3月以降、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛で駐輪場利用料収入が影響を受けた。ただし通期ベースでは新規案件の受注獲得、駐輪機器の入れ替え需要、駐輪場利用料収入の伸長などで増収増益だった。なお2020年4月1日時点の駐輪場管理台数は513,246台となり、中期経営計画「Vision2020」で目標に掲げていた50万台を達成した。当面は新型コロナウイルスの影響を受けるが、ストック型収益のベースとなる管理現場数・管理台数を着実に積み上げている。


自己資本比率上昇して財務改善
3. 財務概要
財務面で見ると、2020年3月期末の総資産は前期末比569百万円増加して11,617百万円となった。リース資産などが増加した。純資産合計は同460百万円増加して3,913百万円、自己資本比率は同2.4ポイント上昇して33.5%となった。親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げによって純資産合計が順調に増加し、自己資本比率が上昇して財務面の改善も進展している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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