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LTS Research Memo(1):企業のDX投資拡大を追い風に、業績は高成長が続く見通し

注目トピックス 日本株
■要約

エル・ティー・エス<6560>は、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)※1やロボティクス(RPA※2)・AI※3等の先端テクノロジーを活用し、企業変革や働き方改革、デジタルシフト(DX※4)等を支援するサービスを展開している。

※1 Business Process Managementの略。企業内における業務プロセスのマネジメント
※2 Robotic Process Automation の略。ロボットによる業務自動化の取組を表す言葉。主にバックオフィス業務のホワイトカラー業務の代行を担う。
※3 Artificial Intelligence の略。人工知能。人工的にコンピューターなどで人間と同様の知能を実現させようとする試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指す。
※4 デジタルトランスフォーメーションの略。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」。IoT、AI(人工知能)、ビッグデータ、アナリティクスなど、デジタル技術を活用することで、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通じて価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。


また、子会社の(株)アサインナビでIT人材・案件のマッチングを行うプラットフォーム事業を展開している。2019年12月期以降は成長を図るためのM&Aも積極化しており、ソフトウェア開発会社の(株)ワクトを2019年9月に子会社化したのに続き、2020年1月にはIoT を活用したビジネスの事業化(ソリューション提供会社の紹介を含む)を支援する(株)イオトイジャパンを子会社化した。2020年7月に東証マザーズ市場から第1部に市場変更している。

1. 2020年12月期第1四半期業績の概要
2020年12月期第1四半期の連結業績は、売上高で前年同期比59.6%増の1,373百万円、営業利益で同38.2%増の160百万円と2ケタ増収増益となり、順調な滑り出しとなった。大企業を中心に経営のDX化に対する取り組みが活発化しており、デジタル活用サービス等のプロフェッショナルサービス事業が好調に推移した。また、プラットフォーム事業も単価の高いITコンサルタントの紹介案件の増加により増収増益となり、四半期業績では両事業とも過去最高を更新した。なお、2019年12月期第4四半期から連結に加わったワクトの業績影響もあり、2ケタ増収増益となっている。

2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比31.9%増の5,000百万円、営業利益で同30.0%増の400百万円と過去最高業績を更新する見通し。第1四半期の通期業績計画に対する進捗率は、売上高で27.5%、営業利益で40.1%となり、過去3年間の平均進捗率(売上高24.1%、営業利益31.8%)を上回っている。今後、新型コロナウイルス感染症の再拡大により経済活動が冷え込むことがなければ会社計画の達成は十分可能と見られる。なお、同社においてはリモートワーク環境下でも業務が支障なく進められており、業績面での影響は軽微と考えられる。プロフェッショナルサービス事業では、売上高の35%がストック型収入となるビジネスプロセスマネジメントで占められているほか、プロジェクト案件についてもDX化関連の受注が堅調で、第2四半期以降も順調な成長が見込まれる。一方、プラットフォーム事業では2020年7月に、新サービスとして事業会社とDX企業とのマッチングサービスとなる「CS Clip」をリリースする予定であり、8月より「アサインナビ」の収益モデルの一部見直しを行う予定にしており、これらの取り組みによって収益の更なる成長が見込まれる。

3. 中期業績目標
同社は当面の業績目標として、2023年12月期に売上高8,000百万円、営業利益1,200百万円を掲げている。既存事業によるオーガニックな成長によるもので、新たなM&Aについては織り込んでいない。2019年12月期の実績を起点とした4年間の年平均成長率を見ると、売上高で20.5%、営業利益で40.5%の高成長を見込んでいることになる。プロフェッショナルサービス事業については、2019年12月期に実施したM&A等によるエンジニアのリソースを確保したことにより、DX案件の包括支援サービスの受注拡大に注力し、売上高で2020年12月期見込みの4,800百万円から70億円台まで拡大する。一方、プラットフォーム事業ではIT人材の需要拡大と流動化、DX分野の需要拡大を追い風に、売上高で2020年12月期見込みの280百万円から7〜10億円を目指していく。また、長期的にはM&A戦略やアジア市場での事業展開を積極的に進めていくことで売上高を数百億円規模に拡大し、グローバルに展開するコンサルティングファームに成長することを目標としている。

■Key Points
・企業のデジタル活用サービス支援やビジネスプロセスマネジメントを行うコンサルティングファーム
・新型コロナウイルス感染症の影響は軽微、DX投資の活発化により2020年12月期も高成長が続く見通し
・M&A効果を除いて2023年12月期に売上高8,000百万円、営業利益1,200百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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