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LTS Research Memo(6):DX投資の活発化により2020年12月期も高成長が続く見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 新型コロナウイルス感染症による影響と対応
(1) 事業運営の状況
新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響について、2020年12月期第2四半期まではほとんど出ておらず、リモートワーク環境下で、生産性はむしろ向上したようだ。同環境下におけるエル・ティー・エス<6560>の対応について見ると、2020年2月に社内に対策本部を設置し原則在宅勤務を開始したほか、3月までに商談や採用のオンライン化、サービス提供のオンライン化、リモートワーク環境の拡充に取り組んだ一方で、国内外の出張や長距離移動を中止した。

また、4月以降は新卒社員19名に対してオンラインでの新人研修を実施しているほか、契約・受発注手続きのオンライン化推進や既存顧客向けにリモートワーク導入の支援なども行っている。同社がリモートワーク環境にスムーズに移行できているのは、2015年頃に「働き方改革」をテーマとしたプロジェクトを手掛けた際に、リモートワークの導入についてもビジネスプロセスの1つとして研究・分析を行い、その時の経験を生かしているためだ。

(2) 2020年12月期業績への影響について
2020年12月期第1四半期については前述のとおり好調なスタートを切っており、4月以降も案件の延期や消失は限定的で、既存及び新規顧客からDX支援の引き合いなども出てきている。また、プロフェッショナルサービス事業については、売上高の35%がストック型収入となるビジネスプロセスマネジメントで占められていることも下支え要因となっている。同サービスはプロジェクトの企画立案・管理などに関与しており、顧客の投資方針をいち早く察知できることもあり、顧客動向を把握した支援サービスが可能となっている。

一方、組織運営面では不要不急の費用については当面の間抑制していくことにしており、業績動向を見ながら機動的に執行していく方針となっている。

(3) 中期的な事業成長への影響について
プロフェッショナルサービス事業においては、ポストコロナで新たな生活様式・社会様式が求められるなかで、企業においても競争力の維持向上を図るためには、DX投資が必須になると見られ、同分野においてノウハウを持つ同社にとっては成長機会が増大することが予想される。特に、デジタル活用サービス分野においては、2019年9月にワクトを子会社化したほか、7月には合弁でFPTコンサルティングジャパンを設立し、体制を大幅に強化したことで、受注能力が拡大しており、成長が加速する可能性もある。想定されるマイナス影響としては、収益が悪化した顧客企業からの受注が減少する懸念があるが、同社ではその対応策として、こうした顧客企業を支援しつつ、新規顧客の獲得等により顧客基盤の強化・充実を図ることでマイナス面をカバーしていく考えだ。

プラットフォーム事業においては、プラス要因として展示会の開催中止が続き、オンラインマッチングの需要がさらに拡大する可能性があることが挙げられる。同社では2020年7月に、新サービスとなる「CS Clip」(事業会社とDX会社のマッチングサービス)をリリースする予定のほか、8月より「アサインナビ」の収益モデルの一部見直しを行う予定にしている。DX化に対する事業会社の関心は高まっているものの、展示会が中止となるなかで「CS Clip」は最適なDX企業を検索する有効なツールとして注目される。なお、子会社のアサインナビによるリアルでの各種セミナーや研修サービスが延期になってはいるが、業績に与える影響は軽微となっている。

そのほかでは景気悪化によりM&A機会の増加や優秀人材の採用難易度が低下する可能性があり、同社ではM&A案件に機動的に対応できるようにするため資金調達も終えている。マイナス要因としては、海外への渡航制限が長期化することで、アジア展開が遅れる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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