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インテリックス Research Memo(1):事業ポートフォリオの多様化を推進し、収益の安定化と成長の両立を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンション事業の先駆け的企業で業界最大手。また新規事業として、2016年5月期にアセットシェアリング事業(不動産小口化販売)、2017年5月期にリースバック事業をそれぞれ開始するなど、事業ポートフォリオの多様化を進めている。

1. 2020年5月期の業績概要
2020年5月期の連結業績は、売上高で前期比2.4%増の37,863百万円、営業利益で同33.7%減の1,108百万円となった。売上高はリノヴェックスマンション事業が同8.5%増の30,570百万円と3期ぶりに増収に転じたほか、リースバック事業の賃貸収入増やリノベーション内装事業の拡大により増収となった。一方、利益面では新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)拡大を受けて、一棟もの商業ビルや「アセットシェアリング」新シリーズの販売を見送り、その他不動産事業の売上高が大きく落ち込んだことが主な減益要因となった。

2. 2021年5月期の業績見通し
2021年5月期の業績は、コロナの影響を合理的に算定することが困難なため未定としている。ただ、リノヴェックスマンション事業については地方拠点を中心に販売が底堅く推移しそうなほか、アセットシェアリング事業での販売増を見込んでいる。減益要因としては、アセットシェアリングシリーズとして2020年5月期に完売した「montan HAKATA(モンタン博多)」(リノベーション・ホテル&レジデンス)や、今後販売予定の「LANDABOUT(ランダバウト)」などホテルの稼働率低下によるプロパティマネジメント事業の収益悪化が挙げられ、全体では増収減益となる可能性が高いと弊社では見ている。

3. 今後の成長戦略
今後の成長戦略としては、フロービジネス(リノヴェックスマンション、アセットシェアリング、その他不動産等の販売事業)の拡大とストックビジネス(保有不動産物件の賃貸収入、アセットシェアリング物件の運営管理収入等)の積み上げを図っていくことに加えて、ハイブリッド型のビジネスモデルとなるリースバック事業を育成していくことで、安定的な成長を目指す考えだ。リースバック物件の保有状況については2020年5月期末で371件(前期末比117件増)、保有総額で58億円(同13億円増)まで積み上がっている。クラウドファンディングを活用した資金調達によって今後も積極的に物件の仕入れを進めていくほか、2021年5月期からは保有物件の流動化も進めていくことを視野に入れている。クラウドファンディングに関しては、他社プラットフォームの活用に加えて自社プラットフォーム「X-Crowd(エックスクラウド)」を2019年10月より立ち上げ、既に2本のファンドを組成している。今後も多様な不動産投資商品を販売し、投資家層の裾野を広げながら事業を拡大していく戦略で今後の展開が注目される。

■Key Points
・2020年5月期はリノヴェックスマンションが回復するも、その他不動産物件の販売減により増収減益に
・2021年5月期の業績見通しは未定だが、リースバック事業の動向がカギを握る
・リノベーションが必要な築30年以上のマンションストックは右肩上がりに増加する見通しで成長余地は大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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