城南進研 Research Memo(5):映像授業部門とデジタル教材、幼少教育・英語教育関連事業が拡大(2)
[20/08/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
(5) グループ会社
城南進学研究社<4720>は教育サービスの領域拡大による成長を推進するため、2013年以降、M&Aにより乳幼児・児童教育関連や英語教育関連、スポーツ関連の事業を拡充してきた。
a) 乳幼児・児童教育関連
乳幼児・児童教育関連のうち、城南ナーサリーの売上高は前期比19.1%増の382百万円と2ケタ成長が続いた。千葉県を中心に「星のおうち」「あっとほーむママ」など認可保育園8園を運営している。2019年4月に城南ルミナ保育園とのシナジー効果も視野に入れ、「ルミナ保育園川崎」を開園しており、園児数の増加が増収要因となっている。
フェアリィーの売上高は前期比125.4%増の444百万円となった。埼玉県内で認可保育園「ふぇありぃ保育園」を11園運営している。2018年9月より連結化したため増収率が大きくなっているが、同一比較できる下期の増収率についても前年同期比14.7%増の228百万円と2ケタ成長となっている。2020年3月期に2園を新設し、園児数が増加したことが要因だ。なお、フェアリィーは保育士の研修・育成システムに優れたノウハウを持っており、新卒者の採用も行うなど、保育士が不足する市場環境において強みとなっている。フェアリィーを子会社化した目的の1つとして、この育成ノウハウをグループで共有し、保育士の人材難を解消する狙いがあったが、他の保育園においても徐々に新卒者の採用が進み始めており、シナジー効果が見え始めている。
2019年1月に子会社化したリトルランドは、前述したように「クボタメソッド」を開発し、0〜5才児を対象に「クボタメソッド能力開発教室」を5教室(東京4教室、神奈川1教室)運営しているほか、「こども英語クラブ」「アトリエ太陽の子」など各種スクールを運営している。また、全国のピアノ教室260ヶ所に「クボタメソッド」を販売しており、2020年3月期の売上高は150百万円であった。
また、2019年9月に認可外保育園「サニーキッズ・インターナショナルアカデミー」(東京都世田谷区)を運営するCheer plus(株)を子会社化した。同園は、1〜8才を対象としたプリスクール、アフタースクール、保育園となり、英語教室や知育などに優れたノウハウを持つ。同社はこれらノウハウを今後、グループで共有していく方針となっている。非連結対象子会社のため連結業績には含まれないが、直近期(2019年6月期)の売上高は64百万円(前期比30百万円増)、営業利益は5百万円(同5百万円増)となっている。
なお、同社単独で展開する幼少教育関連事業と連結子会社の売上高を合計したグループ全体の幼少教育関連の売上高は、M&A効果もあって前期比61.7%増の1,237百万円となり、連結売上高に占める構成比も前期の11.0%から18.3%に上昇している。
b) 英語教育関連
英語教育関連では、児童英語教室「Zoo-Phonics Academy(ズー・フォニックス・アカデミー)」の直営・FC事業を展開するジー・イー・エヌの売上高が前期比8.3%減の329百万円となった。教室数はFC含めて前期末比1教室減の19教室となっており、教室数並びに生徒数が減少していたことに加え、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の影響があったことも減収要因になったと見られる。なお、ジー・イー・エヌについては管理業務の合理化と、事業運営の効率化及び拡大を推進していくことを目的に、2019年11月に同社が吸収合併している。
TOEFL®等の留学試験対策専門予備校を運営するリンゴ・エル・エル・シーの売上高は、前期比5.5%減の68百万円と2期連続の減収となった。第2四半期までは増収を維持していたものの、第4四半期に新型コロナウイルス感染症の影響で受講生徒が減少したことが響いた。とは言え、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学等の著名大学への合格者を多数輩出するなど、カリキュラムや指導法には定評がある。同社は、大学入試改革への対策として、4技能(読む、聞く、話す、書く)対策教材(5Codes English)を開発しており、「城南予備校DUO」のオプションメニューの1つとして組み入れている。
2018年8月に子会社化したアイベックは、企業向けビジネス英語研修、英会話スクール(1校)を運営している。提供する「iBEC(アイベック)メソッド」は、「異文化知識」「語学知識」「ビジネス知識」「ロジカルシンキング」などを習得する独自メソッドとして、グローバルビジネス環境に対応できるリーダーを養成するメソッドとして定評がある。また、ケンブリッジ英検の「公認テストセンター」の受託も行っている。2020年3月期の売上高は前期比90.2%増の169百万円となっているが、下期だけで見ると新型コロナウイルス感染症の影響による英語研修需要の冷え込みで、前年同期比22.7%減の68百万円と減少している。
英語教育関連子会社の合計売上高(旧ジー・イー・エヌ含む)は、M&A効果により前期比9.3%増の566百万円となり、連結売上構成比も前期の7.5%から8.4%に上昇した。英語教育に関しては4技能の学力向上に向けたニーズが今後より一層、拡大することが予想され、M&Aで取得した子会社のノウハウをグループ間で共有していくことで、教育サービスの品質向上を図る方針となっている。
c) スポーツ関連
スポーツ関連では久ケ原スポーツクラブの売上高が前期比1.3%増の354百万円となった。前述したように、会員数が3,000名を超え安定推移していることに加え、2018年から導入したWeb学習システム「デキタス」の受講者数も前期末の250名超から530名超に拡大しており、定着率の向上に貢献していることが要因だ。また、2019年3月期第2四半期から開始した学童保育事業については、在籍者数が65名と定員に達し、キャンセル待ちの状況となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
(5) グループ会社
城南進学研究社<4720>は教育サービスの領域拡大による成長を推進するため、2013年以降、M&Aにより乳幼児・児童教育関連や英語教育関連、スポーツ関連の事業を拡充してきた。
a) 乳幼児・児童教育関連
乳幼児・児童教育関連のうち、城南ナーサリーの売上高は前期比19.1%増の382百万円と2ケタ成長が続いた。千葉県を中心に「星のおうち」「あっとほーむママ」など認可保育園8園を運営している。2019年4月に城南ルミナ保育園とのシナジー効果も視野に入れ、「ルミナ保育園川崎」を開園しており、園児数の増加が増収要因となっている。
フェアリィーの売上高は前期比125.4%増の444百万円となった。埼玉県内で認可保育園「ふぇありぃ保育園」を11園運営している。2018年9月より連結化したため増収率が大きくなっているが、同一比較できる下期の増収率についても前年同期比14.7%増の228百万円と2ケタ成長となっている。2020年3月期に2園を新設し、園児数が増加したことが要因だ。なお、フェアリィーは保育士の研修・育成システムに優れたノウハウを持っており、新卒者の採用も行うなど、保育士が不足する市場環境において強みとなっている。フェアリィーを子会社化した目的の1つとして、この育成ノウハウをグループで共有し、保育士の人材難を解消する狙いがあったが、他の保育園においても徐々に新卒者の採用が進み始めており、シナジー効果が見え始めている。
2019年1月に子会社化したリトルランドは、前述したように「クボタメソッド」を開発し、0〜5才児を対象に「クボタメソッド能力開発教室」を5教室(東京4教室、神奈川1教室)運営しているほか、「こども英語クラブ」「アトリエ太陽の子」など各種スクールを運営している。また、全国のピアノ教室260ヶ所に「クボタメソッド」を販売しており、2020年3月期の売上高は150百万円であった。
また、2019年9月に認可外保育園「サニーキッズ・インターナショナルアカデミー」(東京都世田谷区)を運営するCheer plus(株)を子会社化した。同園は、1〜8才を対象としたプリスクール、アフタースクール、保育園となり、英語教室や知育などに優れたノウハウを持つ。同社はこれらノウハウを今後、グループで共有していく方針となっている。非連結対象子会社のため連結業績には含まれないが、直近期(2019年6月期)の売上高は64百万円(前期比30百万円増)、営業利益は5百万円(同5百万円増)となっている。
なお、同社単独で展開する幼少教育関連事業と連結子会社の売上高を合計したグループ全体の幼少教育関連の売上高は、M&A効果もあって前期比61.7%増の1,237百万円となり、連結売上高に占める構成比も前期の11.0%から18.3%に上昇している。
b) 英語教育関連
英語教育関連では、児童英語教室「Zoo-Phonics Academy(ズー・フォニックス・アカデミー)」の直営・FC事業を展開するジー・イー・エヌの売上高が前期比8.3%減の329百万円となった。教室数はFC含めて前期末比1教室減の19教室となっており、教室数並びに生徒数が減少していたことに加え、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の影響があったことも減収要因になったと見られる。なお、ジー・イー・エヌについては管理業務の合理化と、事業運営の効率化及び拡大を推進していくことを目的に、2019年11月に同社が吸収合併している。
TOEFL®等の留学試験対策専門予備校を運営するリンゴ・エル・エル・シーの売上高は、前期比5.5%減の68百万円と2期連続の減収となった。第2四半期までは増収を維持していたものの、第4四半期に新型コロナウイルス感染症の影響で受講生徒が減少したことが響いた。とは言え、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学等の著名大学への合格者を多数輩出するなど、カリキュラムや指導法には定評がある。同社は、大学入試改革への対策として、4技能(読む、聞く、話す、書く)対策教材(5Codes English)を開発しており、「城南予備校DUO」のオプションメニューの1つとして組み入れている。
2018年8月に子会社化したアイベックは、企業向けビジネス英語研修、英会話スクール(1校)を運営している。提供する「iBEC(アイベック)メソッド」は、「異文化知識」「語学知識」「ビジネス知識」「ロジカルシンキング」などを習得する独自メソッドとして、グローバルビジネス環境に対応できるリーダーを養成するメソッドとして定評がある。また、ケンブリッジ英検の「公認テストセンター」の受託も行っている。2020年3月期の売上高は前期比90.2%増の169百万円となっているが、下期だけで見ると新型コロナウイルス感染症の影響による英語研修需要の冷え込みで、前年同期比22.7%減の68百万円と減少している。
英語教育関連子会社の合計売上高(旧ジー・イー・エヌ含む)は、M&A効果により前期比9.3%増の566百万円となり、連結売上構成比も前期の7.5%から8.4%に上昇した。英語教育に関しては4技能の学力向上に向けたニーズが今後より一層、拡大することが予想され、M&Aで取得した子会社のノウハウをグループ間で共有していくことで、教育サービスの品質向上を図る方針となっている。
c) スポーツ関連
スポーツ関連では久ケ原スポーツクラブの売上高が前期比1.3%増の354百万円となった。前述したように、会員数が3,000名を超え安定推移していることに加え、2018年から導入したWeb学習システム「デキタス」の受講者数も前期末の250名超から530名超に拡大しており、定着率の向上に貢献していることが要因だ。また、2019年3月期第2四半期から開始した学童保育事業については、在籍者数が65名と定員に達し、キャンセル待ちの状況となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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