コスモ・バイオ Research Memo(1):世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
[20/08/31]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
コスモ・バイオ<3386>は世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献する独立系のバイオ専門商社である。世界の研究者(大学・公的研究機関・検査機関・企業・病院などの研究室・検査室)向けに、研究用試薬・機器・消耗品・臨床検査薬を販売している。グローバルな仕入ネットワーク(全世界に約600社、うち海外が約400社)、業界最大級の品ぞろえ(約1,600万品目)の商社機能、グループ内のメーカー機能(製造・自社受託サービス)を強みとしている。
1. 成長ドライバーとして製造・自社受託サービスを拡大
成長ドライバーとしてメーカー機能の製造・自社受託サービスの拡大を推進している。仕入れで充足できないニーズに対して「自ら作る、サービスを提供する」ことで、最新の製品・技術情報及びソリューションを提供する。特に2016年12月に本格参入したペプチド合成・抗体受託製造(ペプチド・抗体作製サービス事業)、及び2019年7月に開始した「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(鶏卵バイオリアクター事業)の拡大・収益化に注力している。
2. 2020年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.0%増の3,946百万円、営業利益が79.0%増の431百万円、経常利益が78.9%増の482百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が150.9%増の450百万円だった。期初計画を上回る増収・大幅増益だった。売上面では、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響でPCR検査時に使用されるピペットチップやゴム手袋等の消耗品の売上げが増加した。研究用試薬や自社受託サービスも好調だった。利益面では、増収や製造・自社受託サービス拡大によるプロダクトミックス改善に加えて、為替が計画に対してややドル安・円高で推移したこと、コロナ禍で出張営業活動を自粛したため販管費の一部が未消化になったことも寄与した。特別利益には投資有価証券売却益を計上した。
3. 2020年12月期通期は上方修正して大幅増益予想
2020年12月期通期連結業績予想も上方修正し、売上高が2019年12月期比2.8%増の7,800百万円、営業利益が45.5%増の590百万円、経常利益が40.2%増の660百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が126.9%増の540百万円としている。増収・大幅増益予想である。コロナ禍で不透明な状況だが、製造・自社受託サービスを含めて売上げが順調に推移する見込みだ。大学・民間企業とも、活動自粛中においては研究作業をアウトソーシングする動きが見られるなど同社の受託サービスの需要が増え、また研究活動が再開しつつあるなかにおいても研究者が同社の製品・サービスを指名する動きも強まっており、こうした動きも追い風となりそうだ。なお上方修正幅はおおむね第2四半期累計の計画超過分を上乗せした形である。下期は期初計画をほぼ据え置いたが保守的な印象も強い。経済活動再開で実験・研究が再開されることがプラス要因となり、通期業績は上振れの可能性もありそうだ。
4. メーカー機能を強化して高収益化目指す
中期経営計画(2020年12月期−2022年12月期、経営目標数値は非開示)では、高収益化に向けた製造機能の強化として、特にペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長・収益化を加速する方針だ。またライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場(食品、医薬品などの分野)への展開も見据え、新たな事業基盤の創出も推進する。2020年12月期第2四半期累計は中期経営計画の初年度だが、コロナ禍で事業環境が急変するなかでも影響が限定的にとどまり、おおむね順調なスタートだったとしている。成長ドライバーの製造・自社受託サービスが拡大して中長期的な成長が期待される。
■Key Points
・世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
・成長ドライバーとして製造・自社受託サービスを拡大
・2020年12月期通期業績は上方修正して増収・大幅増益予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
コスモ・バイオ<3386>は世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献する独立系のバイオ専門商社である。世界の研究者(大学・公的研究機関・検査機関・企業・病院などの研究室・検査室)向けに、研究用試薬・機器・消耗品・臨床検査薬を販売している。グローバルな仕入ネットワーク(全世界に約600社、うち海外が約400社)、業界最大級の品ぞろえ(約1,600万品目)の商社機能、グループ内のメーカー機能(製造・自社受託サービス)を強みとしている。
1. 成長ドライバーとして製造・自社受託サービスを拡大
成長ドライバーとしてメーカー機能の製造・自社受託サービスの拡大を推進している。仕入れで充足できないニーズに対して「自ら作る、サービスを提供する」ことで、最新の製品・技術情報及びソリューションを提供する。特に2016年12月に本格参入したペプチド合成・抗体受託製造(ペプチド・抗体作製サービス事業)、及び2019年7月に開始した「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(鶏卵バイオリアクター事業)の拡大・収益化に注力している。
2. 2020年12月期第2四半期累計は計画超の大幅増益
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.0%増の3,946百万円、営業利益が79.0%増の431百万円、経常利益が78.9%増の482百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が150.9%増の450百万円だった。期初計画を上回る増収・大幅増益だった。売上面では、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の影響でPCR検査時に使用されるピペットチップやゴム手袋等の消耗品の売上げが増加した。研究用試薬や自社受託サービスも好調だった。利益面では、増収や製造・自社受託サービス拡大によるプロダクトミックス改善に加えて、為替が計画に対してややドル安・円高で推移したこと、コロナ禍で出張営業活動を自粛したため販管費の一部が未消化になったことも寄与した。特別利益には投資有価証券売却益を計上した。
3. 2020年12月期通期は上方修正して大幅増益予想
2020年12月期通期連結業績予想も上方修正し、売上高が2019年12月期比2.8%増の7,800百万円、営業利益が45.5%増の590百万円、経常利益が40.2%増の660百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が126.9%増の540百万円としている。増収・大幅増益予想である。コロナ禍で不透明な状況だが、製造・自社受託サービスを含めて売上げが順調に推移する見込みだ。大学・民間企業とも、活動自粛中においては研究作業をアウトソーシングする動きが見られるなど同社の受託サービスの需要が増え、また研究活動が再開しつつあるなかにおいても研究者が同社の製品・サービスを指名する動きも強まっており、こうした動きも追い風となりそうだ。なお上方修正幅はおおむね第2四半期累計の計画超過分を上乗せした形である。下期は期初計画をほぼ据え置いたが保守的な印象も強い。経済活動再開で実験・研究が再開されることがプラス要因となり、通期業績は上振れの可能性もありそうだ。
4. メーカー機能を強化して高収益化目指す
中期経営計画(2020年12月期−2022年12月期、経営目標数値は非開示)では、高収益化に向けた製造機能の強化として、特にペプチド・抗体作製サービス事業と鶏卵バイオリアクター事業の成長・収益化を加速する方針だ。またライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場(食品、医薬品などの分野)への展開も見据え、新たな事業基盤の創出も推進する。2020年12月期第2四半期累計は中期経営計画の初年度だが、コロナ禍で事業環境が急変するなかでも影響が限定的にとどまり、おおむね順調なスタートだったとしている。成長ドライバーの製造・自社受託サービスが拡大して中長期的な成長が期待される。
■Key Points
・世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
・成長ドライバーとして製造・自社受託サービスを拡大
・2020年12月期通期業績は上方修正して増収・大幅増益予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>