GMOペパボ Research Memo(7):「SUZURI」「minne」が第2四半期に急成長
[20/09/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■GMOペパボ<3633>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の売上高は前年同期比1.5%増の2,306百万円、営業利益は同1.9%増の711百万円と堅調に推移した。主要サービス別で見ると、「ロリポップ!」は売上高で同3.4%増の921百万円と過去最高を更新し、営業利益も同2.8%増の458百万円と2期ぶりに増益に転じた。契約件数が前年同期末比0.2%増の407,464件と増加に転じたほか、顧客単価も上位プランやオプション機能の契約増により、前年同期比4.1%増の381円と上昇したことが増収増益要因となった。
「ムームードメイン」は売上高で前年同期比1.4%増の1,058百万円、営業利益で同10.9%増の150百万円と過去最高を更新した。登録ドメイン数は過去に実施した新ドメインの割引キャンペーンで取得されたドメインの更新率が低く、前年同期末比1.8%減の1,207千件となったものの、契約ドメイン単価の上昇により増収を維持した。また、利益面では為替が若干の円高で推移したことも増益に寄与した。
(2) EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比54.8%増の1,831百万円、営業利益は同34.8%増の609百万円と過去最高を大幅更新した。このうち、主力のネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は同12.9%増の753百万円、営業利益は同1.9%減の406百万円と増収減益となった。契約件数は前年同期末比2.8%減の40,991件と減少が続いたが、顧客単価の上昇が増収要因となった。継続的なアップセル及びクロスセル施策に加えて、4月以降は巣ごもり需要を背景に食品、インテリア関連を中心に流通金額が前年同月比5割増と急増し、流通金額に応じて決済代行会社から受領する紹介手数料が増加した。月平均の顧客単価を見ると、第1四半期の2,727円(前年同期比7.9%増)に対して、第2四半期は3,126円(同23.6%増)と大きく上昇した。一方、利益面では人件費等の増加が減益要因となっている。
契約件数については前年同期末比で減少傾向が続いているものの、前四半期末比で見ると2020年12月期第2四半期末は309件増となり10四半期ぶりに増加に転じている。2020年4月の緊急事態宣言以降、実店舗を運営する事業者でオンラインショップを開設する動きが活発化し、同年5月よりYouTube上で積極的なプロモーションを実施した効果もあって、5〜6月の新規契約件数が前年同月比7割増と急増したことが増加要因となった。今後も増加傾向が続くかどうか注目される。
一方、「SUZURI」については売上高で前年同期比194.6%増の889百万円、営業利益で同576.2%増の154百万円と大幅増収増益となった。新型コロナウイルスの影響でイベント等が延期・中止となり、オリジナルグッズの販売を始めるクリエイターが増加したことに加え、継続的な新アイテムの追加や2020年6月に実施したTシャツセールが好調だったことにより、流通金額で前年同期比180.9%増の10.1億円と急拡大したことが要因だ。6月の流通額だけで見ると、Tシャツセールの効果により前年同月比244.7%増の4億円強となっている。また、第2四半期末の登録会員数もクリエイターの増加により、前年同期末比86%増の54万人に拡大している。
(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前年同期比21.4%増の1,015百万円、営業利益は同271.3%増の225百万円となった。新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の拡大により、流通金額は前年同期比22.4%増の75.3億円と過去最高を更新している。特に、第2四半期だけで見るとマスク関連商品や食品、インテリアなどの販売増や各種クーポン、キャンペーン等の販促活動を行ったこともあり、前年同四半期比39.7%増の41.3億円と大幅増となっている。利益面では、流通金額の拡大に伴う増収効果に加えて、2020年3月に開催予定だった大規模オフラインイベント「minneのハンドメイドマーケット2020」を中止したことに伴う費用減(約50百万円)が増益要因となった。プロモーションコストについては前年同期比でほぼ横ばい水準だったと見られる。
(4) 金融支援事業
金融支援事業の売上高は前年同期の5百万円から62百万円に増加したが、事業拡大に伴う人員増加に加えて、継続的な機能開発及びWebプロモーション等の先行投資を実施したことにより、営業損失は同44百万円から170百万円に拡大した。また、「FREENANCE」の利用者数や請求書買取額は2020年3月まで順調に増加してきたが、4月の緊急事態宣言以降は、企業の経営悪化等の影響でフリーランスへの発注が減少しており、利用者数が減少し請求書買取額も伸び悩む傾向となっている。
(5) その他
その他の売上高は前年同期比11.3%増の136百万円、営業利益は同24.7%減の22百万円となった。同社が運営するブログサービス「JUGEM」のほか、子会社のGMOクリエイターズネットワークが運営するWebコンテンツ制作事業が含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別の動向
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の売上高は前年同期比1.5%増の2,306百万円、営業利益は同1.9%増の711百万円と堅調に推移した。主要サービス別で見ると、「ロリポップ!」は売上高で同3.4%増の921百万円と過去最高を更新し、営業利益も同2.8%増の458百万円と2期ぶりに増益に転じた。契約件数が前年同期末比0.2%増の407,464件と増加に転じたほか、顧客単価も上位プランやオプション機能の契約増により、前年同期比4.1%増の381円と上昇したことが増収増益要因となった。
「ムームードメイン」は売上高で前年同期比1.4%増の1,058百万円、営業利益で同10.9%増の150百万円と過去最高を更新した。登録ドメイン数は過去に実施した新ドメインの割引キャンペーンで取得されたドメインの更新率が低く、前年同期末比1.8%減の1,207千件となったものの、契約ドメイン単価の上昇により増収を維持した。また、利益面では為替が若干の円高で推移したことも増益に寄与した。
(2) EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比54.8%増の1,831百万円、営業利益は同34.8%増の609百万円と過去最高を大幅更新した。このうち、主力のネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」の売上高は同12.9%増の753百万円、営業利益は同1.9%減の406百万円と増収減益となった。契約件数は前年同期末比2.8%減の40,991件と減少が続いたが、顧客単価の上昇が増収要因となった。継続的なアップセル及びクロスセル施策に加えて、4月以降は巣ごもり需要を背景に食品、インテリア関連を中心に流通金額が前年同月比5割増と急増し、流通金額に応じて決済代行会社から受領する紹介手数料が増加した。月平均の顧客単価を見ると、第1四半期の2,727円(前年同期比7.9%増)に対して、第2四半期は3,126円(同23.6%増)と大きく上昇した。一方、利益面では人件費等の増加が減益要因となっている。
契約件数については前年同期末比で減少傾向が続いているものの、前四半期末比で見ると2020年12月期第2四半期末は309件増となり10四半期ぶりに増加に転じている。2020年4月の緊急事態宣言以降、実店舗を運営する事業者でオンラインショップを開設する動きが活発化し、同年5月よりYouTube上で積極的なプロモーションを実施した効果もあって、5〜6月の新規契約件数が前年同月比7割増と急増したことが増加要因となった。今後も増加傾向が続くかどうか注目される。
一方、「SUZURI」については売上高で前年同期比194.6%増の889百万円、営業利益で同576.2%増の154百万円と大幅増収増益となった。新型コロナウイルスの影響でイベント等が延期・中止となり、オリジナルグッズの販売を始めるクリエイターが増加したことに加え、継続的な新アイテムの追加や2020年6月に実施したTシャツセールが好調だったことにより、流通金額で前年同期比180.9%増の10.1億円と急拡大したことが要因だ。6月の流通額だけで見ると、Tシャツセールの効果により前年同月比244.7%増の4億円強となっている。また、第2四半期末の登録会員数もクリエイターの増加により、前年同期末比86%増の54万人に拡大している。
(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の売上高は前年同期比21.4%増の1,015百万円、営業利益は同271.3%増の225百万円となった。新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の拡大により、流通金額は前年同期比22.4%増の75.3億円と過去最高を更新している。特に、第2四半期だけで見るとマスク関連商品や食品、インテリアなどの販売増や各種クーポン、キャンペーン等の販促活動を行ったこともあり、前年同四半期比39.7%増の41.3億円と大幅増となっている。利益面では、流通金額の拡大に伴う増収効果に加えて、2020年3月に開催予定だった大規模オフラインイベント「minneのハンドメイドマーケット2020」を中止したことに伴う費用減(約50百万円)が増益要因となった。プロモーションコストについては前年同期比でほぼ横ばい水準だったと見られる。
(4) 金融支援事業
金融支援事業の売上高は前年同期の5百万円から62百万円に増加したが、事業拡大に伴う人員増加に加えて、継続的な機能開発及びWebプロモーション等の先行投資を実施したことにより、営業損失は同44百万円から170百万円に拡大した。また、「FREENANCE」の利用者数や請求書買取額は2020年3月まで順調に増加してきたが、4月の緊急事態宣言以降は、企業の経営悪化等の影響でフリーランスへの発注が減少しており、利用者数が減少し請求書買取額も伸び悩む傾向となっている。
(5) その他
その他の売上高は前年同期比11.3%増の136百万円、営業利益は同24.7%減の22百万円となった。同社が運営するブログサービス「JUGEM」のほか、子会社のGMOクリエイターズネットワークが運営するWebコンテンツ制作事業が含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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