クロスマーケ Research Memo(6):維持と成長を両立するための変革を推進
[20/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の見通し
1. 「Afterコロナ」への対応と第3四半期の業況
未だワクチンさえない新型コロナウイルス感染症だが、クロス・マーケティンググループ<3675>は「Afterコロナ」へ向けて、社会や価値観の変化に対応する企業グループとして「維持と成長を両立するための変革」を推進する考えである。そのなかで現状考えられる「Afterコロナ」における短中期的なリスクと具体的な対応方針を打ち出した。「Afterコロナ」ではまず、働き方や組織マネジメントが変化すると見ており、対応方針として、安全な就業環境を前提にオフィスワークとリモートワークを両立し、それを支える人事評価制度やマネジメント改革を推進する。新型コロナウイルス感染症によってオフライン調査案件の低迷に加速がつきそうだが、それ以上にネットリサーチへのシフトやデジタルトランスフォーメーションを推進する。非接触などの観点から営業活動や顧客開拓の在り方が変わると考えられるが、デジタルマーケティングやCRMシステムを強化することで顧客との新たな関係を構築する。消費行動や価値観、事業環境の変化に対しては、新しい価値観や付加価値を提供できるよう既存事業への投資も進める。事業活動鈍化による成長スピードの減速懸念に対しては、新たに借り入れた20億円(2020年6月開示)を背景に事業維持と成長のための投資を継続する。後にも述べるがマーケティングリサーチの市場は、過去・現在・未来と変容しながらも長期的に拡大を続けている。そうした市場だからこそ、「Afterコロナ」への新たな対応は必要となるが、積極的な事業活動を継続していくという戦略に変更はないと考えられる。
第2四半期を底に第3四半期は回復へ
2. 第3四半期の売上高見通しと方針
足元の動向としては、緊急事態宣言のあった第2四半期が底となり、第3四半期には業況が回復しつつあるようだ。プロモーションなど堅調なセグメントの貢献に加え、海外拠点で第3四半期に大型案件の計上が予定されていることから、同社は連結全体の第3四半期売上高を前年同期比10%減〜横ばいと見込んでいる。一方、不要不急の費用の抑制や組織体制の見直し、リモート業務の整備による本社オフィス面積の減床などにより、販管費を同10%減〜5%減にコントロールする方針である。
国内リサーチ事業は、ネットリサーチの引き合いが底を打ったこと、オフライン案件で実査が再開されること、覆面調査が引き続き堅調なことなどから5月を底に回復傾向が続いているため、Zoomを使った対面調査やWebセミナーなどを強化する方針である。しかし、顧客の事業活動の回復状況から同社業績のV字回復を想定せず、第3四半期3ヶ月の国内リサーチ事業の売上高は前年同期比10%減を見込んでいる。海外リサーチ事業については、オフライン調査が中心の拠点は回復が遅いものの、事業活動が徐々に再開していること、米国で大型案件が予定されていることから、同20%増を見込んでいる。加えて、オンライン化や支出削減、体制の見直しも進める予定である。ITソリューション事業は、受託開発や人材派遣などで第2四半期の受注活動に制限が生じたことから、同20%減〜10%減を見込んでいる。このため、受注済みの案件に注力するとともに、新サービスやマーケティングを強化して案件数を確保する意向である。その他の事業は、新規開拓が引き続き厳しい状況のなか、一部既存顧客からの案件も減少しており、同10%減〜横ばいを見込んでいる。社内外の連携強化を継続するとともに、人員計画や営業方針・手法を見直し、インバウンドマーケティングも強化する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<KS>
1. 「Afterコロナ」への対応と第3四半期の業況
未だワクチンさえない新型コロナウイルス感染症だが、クロス・マーケティンググループ<3675>は「Afterコロナ」へ向けて、社会や価値観の変化に対応する企業グループとして「維持と成長を両立するための変革」を推進する考えである。そのなかで現状考えられる「Afterコロナ」における短中期的なリスクと具体的な対応方針を打ち出した。「Afterコロナ」ではまず、働き方や組織マネジメントが変化すると見ており、対応方針として、安全な就業環境を前提にオフィスワークとリモートワークを両立し、それを支える人事評価制度やマネジメント改革を推進する。新型コロナウイルス感染症によってオフライン調査案件の低迷に加速がつきそうだが、それ以上にネットリサーチへのシフトやデジタルトランスフォーメーションを推進する。非接触などの観点から営業活動や顧客開拓の在り方が変わると考えられるが、デジタルマーケティングやCRMシステムを強化することで顧客との新たな関係を構築する。消費行動や価値観、事業環境の変化に対しては、新しい価値観や付加価値を提供できるよう既存事業への投資も進める。事業活動鈍化による成長スピードの減速懸念に対しては、新たに借り入れた20億円(2020年6月開示)を背景に事業維持と成長のための投資を継続する。後にも述べるがマーケティングリサーチの市場は、過去・現在・未来と変容しながらも長期的に拡大を続けている。そうした市場だからこそ、「Afterコロナ」への新たな対応は必要となるが、積極的な事業活動を継続していくという戦略に変更はないと考えられる。
第2四半期を底に第3四半期は回復へ
2. 第3四半期の売上高見通しと方針
足元の動向としては、緊急事態宣言のあった第2四半期が底となり、第3四半期には業況が回復しつつあるようだ。プロモーションなど堅調なセグメントの貢献に加え、海外拠点で第3四半期に大型案件の計上が予定されていることから、同社は連結全体の第3四半期売上高を前年同期比10%減〜横ばいと見込んでいる。一方、不要不急の費用の抑制や組織体制の見直し、リモート業務の整備による本社オフィス面積の減床などにより、販管費を同10%減〜5%減にコントロールする方針である。
国内リサーチ事業は、ネットリサーチの引き合いが底を打ったこと、オフライン案件で実査が再開されること、覆面調査が引き続き堅調なことなどから5月を底に回復傾向が続いているため、Zoomを使った対面調査やWebセミナーなどを強化する方針である。しかし、顧客の事業活動の回復状況から同社業績のV字回復を想定せず、第3四半期3ヶ月の国内リサーチ事業の売上高は前年同期比10%減を見込んでいる。海外リサーチ事業については、オフライン調査が中心の拠点は回復が遅いものの、事業活動が徐々に再開していること、米国で大型案件が予定されていることから、同20%増を見込んでいる。加えて、オンライン化や支出削減、体制の見直しも進める予定である。ITソリューション事業は、受託開発や人材派遣などで第2四半期の受注活動に制限が生じたことから、同20%減〜10%減を見込んでいる。このため、受注済みの案件に注力するとともに、新サービスやマーケティングを強化して案件数を確保する意向である。その他の事業は、新規開拓が引き続き厳しい状況のなか、一部既存顧客からの案件も減少しており、同10%減〜横ばいを見込んでいる。社内外の連携強化を継続するとともに、人員計画や営業方針・手法を見直し、インバウンドマーケティングも強化する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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