トレードワークス Research Memo(4):戦略投資を継続しつつ、2020年12月期業績は2ケタ増収増益を目指す
[20/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2020年12月期の業績見通し
トレードワークス<3997>の2020年12月期は売上高で前期比16.3%増の2,313百万円、営業利益で同15.6%増の144百万円、経常利益で同14.4%増の144百万円、当期純利益で同11.9%増の100百万円と期初会社計画を据え置き、2期ぶりの増収増益を見込む。コロナ禍により一部案件の納品時期が遅れたケースはあったものの、テレワーク体制のため生産面への影響は出ていない。ただ、IT業界全般の動きを見ると、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感もあって開発プロジェクトの先送りや中断といった動きが4月以降出始めているのも事実で、同社の顧客においても、今後、同様の動きが出るリスクがある点には留意しておく必要がある。ただ、一方でAI/IoT技術を活用した新たなビジネスの創出やFinTechによる新たなサービスの提供といったニーズは根強く、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化投資も、コロナ禍を契機に、中期的に見れば一段と加速していくものと同社では見ている。
こうしたなかで、2020年12月期における重点施策として、同社は以下の8つに取り組んでいく方針を示している。
(1) 収益性を高めるためのプロジェクト管理能力の向上
(2) 収益の源泉である金融知識を有するエンジニアの増員・育成による自社開発力の強化
(3) ビジネスモデル転換に関わる追加コストの早期収束
(4) データセンターの強化
(5) AI/IoT技術の利用やFinTechによる新しいサービスの開発
(6) 働き方改革・人材不足解消など、生産性向上をテーマとした新領域への進出
(7) 人材獲得、金融知識・技術教育の充実・強化
(8) 顧客資産・技術情報連携体制の強化・確立
売上高に関しては、すべての事業において、新規顧客数を拡大しながら増収を見込んでいる。主力の金融ソリューション事業については、2020年12月期第4四半期に新規顧客向け大型案件の売上計上が予定されていることから、四半期ベースの売上高では第3四半期に約5億円、第4四半期に約9億円となる見込みだ。ただ、今後のコロナ禍の経緯次第では、売上計上時期が一部、2021年にずれ込む可能性もある。金融ソリューション事業のストック収入売上比率については、2019年12月期の4割弱から5割強まで上昇する見通しだ。
FXシステム事業では、顧客から評価の高い「TRAdING STUDIO」高機能版についての新規顧客開拓に取り組み、堅実な成長を見込んでいる。同事業では営業1名、マーケティング1名体制で年間1〜2社の新規顧客開拓に取り組んでいる。また、セキュリティ診断事業においては、「SecuAlive」のリニューアル中に離れた顧客を再度取り込むべく営業活動を強化していく方針だが、営業人員は1名で販売代理店施策もあまり効果が出ていないことから、営業戦略をどのように進めていくかが今後の課題となる。
原価率に関しては若干の改善を見込んでいる。エンジニアの増員により、開発案件に対する要員の最適配置が可能となり、派遣コストの削減が進む見通し。エンジニアについては前期末の65名から、2020年12月期末は90名程度まで増員する予定だ。社員の評価制度についても、能力と実績をより重視したものに見直したことで、モチベーションの維持向上と離職率の抑制につながっている。コスト面では引き続き、データセンターの強化費用や新サービスの開発費など戦略的投資について増加するものの、賃借料については2020年12月期下期以降前年同期比横ばい水準となる。このため、売上高とエンジニアの採用計画が予定どおり進めば、利益ベースでも会社計画の達成は可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2020年12月期の業績見通し
トレードワークス<3997>の2020年12月期は売上高で前期比16.3%増の2,313百万円、営業利益で同15.6%増の144百万円、経常利益で同14.4%増の144百万円、当期純利益で同11.9%増の100百万円と期初会社計画を据え置き、2期ぶりの増収増益を見込む。コロナ禍により一部案件の納品時期が遅れたケースはあったものの、テレワーク体制のため生産面への影響は出ていない。ただ、IT業界全般の動きを見ると、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感もあって開発プロジェクトの先送りや中断といった動きが4月以降出始めているのも事実で、同社の顧客においても、今後、同様の動きが出るリスクがある点には留意しておく必要がある。ただ、一方でAI/IoT技術を活用した新たなビジネスの創出やFinTechによる新たなサービスの提供といったニーズは根強く、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化投資も、コロナ禍を契機に、中期的に見れば一段と加速していくものと同社では見ている。
こうしたなかで、2020年12月期における重点施策として、同社は以下の8つに取り組んでいく方針を示している。
(1) 収益性を高めるためのプロジェクト管理能力の向上
(2) 収益の源泉である金融知識を有するエンジニアの増員・育成による自社開発力の強化
(3) ビジネスモデル転換に関わる追加コストの早期収束
(4) データセンターの強化
(5) AI/IoT技術の利用やFinTechによる新しいサービスの開発
(6) 働き方改革・人材不足解消など、生産性向上をテーマとした新領域への進出
(7) 人材獲得、金融知識・技術教育の充実・強化
(8) 顧客資産・技術情報連携体制の強化・確立
売上高に関しては、すべての事業において、新規顧客数を拡大しながら増収を見込んでいる。主力の金融ソリューション事業については、2020年12月期第4四半期に新規顧客向け大型案件の売上計上が予定されていることから、四半期ベースの売上高では第3四半期に約5億円、第4四半期に約9億円となる見込みだ。ただ、今後のコロナ禍の経緯次第では、売上計上時期が一部、2021年にずれ込む可能性もある。金融ソリューション事業のストック収入売上比率については、2019年12月期の4割弱から5割強まで上昇する見通しだ。
FXシステム事業では、顧客から評価の高い「TRAdING STUDIO」高機能版についての新規顧客開拓に取り組み、堅実な成長を見込んでいる。同事業では営業1名、マーケティング1名体制で年間1〜2社の新規顧客開拓に取り組んでいる。また、セキュリティ診断事業においては、「SecuAlive」のリニューアル中に離れた顧客を再度取り込むべく営業活動を強化していく方針だが、営業人員は1名で販売代理店施策もあまり効果が出ていないことから、営業戦略をどのように進めていくかが今後の課題となる。
原価率に関しては若干の改善を見込んでいる。エンジニアの増員により、開発案件に対する要員の最適配置が可能となり、派遣コストの削減が進む見通し。エンジニアについては前期末の65名から、2020年12月期末は90名程度まで増員する予定だ。社員の評価制度についても、能力と実績をより重視したものに見直したことで、モチベーションの維持向上と離職率の抑制につながっている。コスト面では引き続き、データセンターの強化費用や新サービスの開発費など戦略的投資について増加するものの、賃借料については2020年12月期下期以降前年同期比横ばい水準となる。このため、売上高とエンジニアの採用計画が予定どおり進めば、利益ベースでも会社計画の達成は可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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