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大幸薬品 Research Memo(2):2020年12月期予想は、売上高180億円、営業利益55億円に上方修正

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

大幸薬品<4574>の2020年12月期通期の業績予想は、3月から12月への決算期変更のため、9ヶ月の業績予想となる。売上高で18,000百万円、営業利益で5,500百万円、経常利益5,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で3,800百万円と第1四半期の好業績により売上高・各利益ともに上方修正された。参考に、前期の9ヶ月間と比較すると、売上高で前期比78.3%増、営業利益で同71.7%増、経常利益で同72.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益で同78.7%増と、過去最高だった2020年3月期からの大幅な増収増益を予想する。

医薬品事業の売上高予想(9ヶ月)は期初予想比27.8%減の3,500百万円と下方修正された。第1四半期の減速を踏まえ、国内・海外ともに消費者の外出自粛等の傾向が継続することを前提にしている。

感染管理事業の売上高予想(9ヶ月)は期初予想比67.7 %増の14,500百万円と大幅上方修正となった。第1四半期を終えた段階で通期売上高予想に対する進捗率で32.8%であり、このペースが残り半年続く水準が予想値である。同社では、期初から「クレベリン」製品の欠品や品薄状態が続いてきたため、2020年6月から約3倍の生産能力に増強を完了。同年12月には最新鋭の新工場(大阪府茨木市)を稼働させ、約10倍の生産能力を確保する計画だ。2020年12月期は、消費者の感染症予防意識が高まり、通期で需要が継続する可能性が高く、「クレベリン」供給力の整備が順調に進めば売上高予想を超える可能性も十分ある。さらに、2020年3月期から市場投入された日常除菌製品分野のブランド「クレベ&アンド」も、通年型の商品群として今期も伸びが期待できる。海外感染管理事業に関しては、インターネット通販企業のM&Aを行った台湾市場、拠点を新設した深センを中心とした中国市場で伸びが期待できる。

2020年12月期の営業利益は、第1四半期を終えた段階で通期予想に対する進捗率で50%を超えている。期末に向けては、国内外の中期的なマーケティング施策等も計画されているため、販管費はある程度増加することが見込まれるものの、増収効果による売上総利益の向上で吸収することが予想される。

弊社としては、(1)過去数年間のマーケティングにより「クレベリン」のブランド認知が向上している点、(2)秋以降に新型コロナウイルス感染症とともにインフルエンザの流行も予想され、感染症予防意識は継続しそうな点、(3)「クレベリン」製品の生産能力拡大(6月に3倍、12月には10倍)する点、などから、感染管理事業が計画を上回る可能性が高いと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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