はてな Research Memo(8):BtoBビジネス強化で、2022年7月期以降は年率15%程度の売上成長を目指す
[20/10/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 成長戦略
はてな<3930>は2021年7月期の今後の事業方針として、BtoB(法人向け)サービスを深堀して売上を伸ばしつつ、人材投資を行い、成長に向けた力を蓄える一年と位置付けている。こうしたなかで、1)出版業のDX支援の推進、2)BtoBストック型ビジネスにおける営業活動のアップデート、3)人材投資・技術投資の継続、の3点を重点方針として掲げ、会社計画の達成を目指していく考えだ。
また、2022年7月期以降は市場環境も改善し、先行投資の効果が顕在化し始めるものと予想されることから、売上成長率では年率15%程度の成長を目標としている。高成長を実現していくため、3つのサービスにおけるシナジー効果を最大限に活用しながら各サービスの売上拡大を図っていく方針で、営業利益率についても増収効果で人件費やDC利用料の増加を吸収し、再度上昇に転じるものと予想される。
(1) 出版業のDX支援の推進
インターネット市場の拡大により、出版業は紙媒体による発行部数が年々縮小しており、DX化が喫緊の経営課題となっている。マンガ分野においては、出版社に対して「GigaViewer」の導入拡大をさらに推進し、開発・運用料だけでなくレベニューシェア(広告・課金収益等)の獲得による収益拡大に注力していく方針だ。
また、小説分野においては、KADOKAWAと共同でWeb小説サイト「カクヨム」などの投稿者に収益を還元する決済・送金プラットフォームを2020年7月期に開発しており、今後は同プラットフォームをベースにクリエイターの創作活動を支援していくとともに、メディア活性化のための広告・運用支援なども行いながら、サービス事業者とレベニューシェアしていく予定となっている。
(2) BtoBストック型ビジネスの営業強化
BtoB向けビジネスについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で営業活動が制限されるなかで、オンラインセミナーやデジタルマーケティングを活用して新規顧客の獲得に注力している。2020年7月期下期は、「Meckerel」や「はてなブログMedia」において新規顧客獲得が足踏みしたものの、2021年7月期以降は営業体制のデジタルシフトにより巻き返しを図っていく。また、「はてなブログMedia」については記事作成や広告支援などの提案力を強化して、メディア当たり売上高の早期回復を目指す。
(3) 人材投資・技術投資
今後の成長を実現していくうえで、技術基盤に対する投資についても継続して取り組んでいく。既述の通り、エンジニアについては引き続き年間20名前後の増員を進めていく予定で、技術開発力の強化を高成長実現に向けた重要課題と位置付けている。BtoBストック型ビジネスの成長により、売上高が持続的に年率15%程度の成長を維持できるようになれば、営業利益率も再び20%近い水準まで上昇することは可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2. 成長戦略
はてな<3930>は2021年7月期の今後の事業方針として、BtoB(法人向け)サービスを深堀して売上を伸ばしつつ、人材投資を行い、成長に向けた力を蓄える一年と位置付けている。こうしたなかで、1)出版業のDX支援の推進、2)BtoBストック型ビジネスにおける営業活動のアップデート、3)人材投資・技術投資の継続、の3点を重点方針として掲げ、会社計画の達成を目指していく考えだ。
また、2022年7月期以降は市場環境も改善し、先行投資の効果が顕在化し始めるものと予想されることから、売上成長率では年率15%程度の成長を目標としている。高成長を実現していくため、3つのサービスにおけるシナジー効果を最大限に活用しながら各サービスの売上拡大を図っていく方針で、営業利益率についても増収効果で人件費やDC利用料の増加を吸収し、再度上昇に転じるものと予想される。
(1) 出版業のDX支援の推進
インターネット市場の拡大により、出版業は紙媒体による発行部数が年々縮小しており、DX化が喫緊の経営課題となっている。マンガ分野においては、出版社に対して「GigaViewer」の導入拡大をさらに推進し、開発・運用料だけでなくレベニューシェア(広告・課金収益等)の獲得による収益拡大に注力していく方針だ。
また、小説分野においては、KADOKAWAと共同でWeb小説サイト「カクヨム」などの投稿者に収益を還元する決済・送金プラットフォームを2020年7月期に開発しており、今後は同プラットフォームをベースにクリエイターの創作活動を支援していくとともに、メディア活性化のための広告・運用支援なども行いながら、サービス事業者とレベニューシェアしていく予定となっている。
(2) BtoBストック型ビジネスの営業強化
BtoB向けビジネスについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で営業活動が制限されるなかで、オンラインセミナーやデジタルマーケティングを活用して新規顧客の獲得に注力している。2020年7月期下期は、「Meckerel」や「はてなブログMedia」において新規顧客獲得が足踏みしたものの、2021年7月期以降は営業体制のデジタルシフトにより巻き返しを図っていく。また、「はてなブログMedia」については記事作成や広告支援などの提案力を強化して、メディア当たり売上高の早期回復を目指す。
(3) 人材投資・技術投資
今後の成長を実現していくうえで、技術基盤に対する投資についても継続して取り組んでいく。既述の通り、エンジニアについては引き続き年間20名前後の増員を進めていく予定で、技術開発力の強化を高成長実現に向けた重要課題と位置付けている。BtoBストック型ビジネスの成長により、売上高が持続的に年率15%程度の成長を維持できるようになれば、営業利益率も再び20%近い水準まで上昇することは可能と弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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