アイル Research Memo(1):2020年7月期は大幅増収増益、DX支援のリーディングカンパニーを目指す
[20/10/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アイル<3854>は中堅・中小企業を主たる顧客対象として、企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、基幹業務パッケージソフト、複数ECサイト一元管理ソフト、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフトなど、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営課題を解決するための商材をリアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略で、ITを通じたトータルシステムソリューションを展開している。さらに中期戦略として、DX※(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。
※ 「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術により変革し、新たな価値を創造すること。
1. 事業概要
事業区分は、基幹業務パッケージソフト「アラジンオフィス・シリーズ」が主力の「システムソリューション事業」、クラウド型でサービス提供する複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」や実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」が主力の「Webソリューション事業(CROSS事業、その他Web事業)」からなる。特徴・強みとしては、1)高い販売・在庫管理ノウハウ、2)中堅・中小企業市場への特化、3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、4)特化業種深耕戦略とパートナー戦略、5)自社製品・サービス比率の高さ、6)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、7)社員の約7割が技術職の体制、8)小売業へのオムニチャネル戦略、9)個別カスタマイズ対応力、などが挙げられる。リアルとWebの両面から複合提案できる強みの結果、攻めの力も守りの力も強く、顧客企業数は増加基調である。
同社は利益重視戦略へ方針転換しており、開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上、ストック型商材の売上拡大などを重点施策として推進している。この結果、全社ベースの売上総利益率は2016年7月期38.0%を直近ボトムとして上昇に転じ、2020年7月期には過去最高の44.7%まで上昇した。
2. 2020年7月期の業績概要
2020年7月期の連結業績は、売上高が前期比20.5%増の12,679百万円、営業利益が同78.8%増の1,700百万円、経常利益が同76.3%増の1,715百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同91.5%増の1,189百万円となった。上方修正した計画値をさらに上回る大幅増収増益で、売上高、各利益とも過去最高を更新した。企業のDXニーズの増加を背景に、ストック型商材が順調に拡大した。また、システムソリューション事業においては、消費税率引き上げ・軽減税率導入及びWindows7サポート終了に伴う特需という一時的要因も寄与した。利益面では、増収効果に加えてストック型商材の拡大、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、品質・生産性向上などの効果が寄与した。
3. 2021年7月期の業績見通し
2021年7月期の連結業績予想については、売上高が前期比2.6%減の12,350百万円、営業利益が同29.4%減の1,200百万円、経常利益が同28.5%減の1,226百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同34.0%減の784百万円を見込んでいる。前期の特需の反動を主因に、減収減益予想としている。企業のDXニーズの高まりを背景に、特需を除いたベースでの売上成長に変化はないが、特需反動で一時的にイレギュラーな形となるため、2022年7月期に向けた受注の仕込み期間としているようだ。また費用面では、下期に人員増(2021年春新卒採用)による人件費の増加、契約更新に伴う本社家賃の増加などを見込んでいる。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては出張費や交際費が減少するため、利益に関しては多少上振れ余地があると弊社では見ている。
4. 中期経営計画
同社は、新型コロナウイルス感染症拡大で不確実性が増していることから、新3ヶ年中期経営計画(2021年7月期〜2023年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)の目標値公表を延期している。しかしながら中期成長戦略としては、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自戦略のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
これに加え同社は、DX支援のリーディングカンパニーを目指している。市場環境は良好で顧客数は増加基調であること、品質・生産性向上の効果やストック型商材の拡大で利益率も上昇基調であることから、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
■Key Points
・リアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略でトータルシステムソリューションを展開
・2021年7月期は特需反動で一時的に減収減益予想だが上振れ余地あり
・DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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アイル<3854>は中堅・中小企業を主たる顧客対象として、企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、基幹業務パッケージソフト、複数ECサイト一元管理ソフト、実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフトなど、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営課題を解決するための商材をリアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略で、ITを通じたトータルシステムソリューションを展開している。さらに中期戦略として、DX※(デジタルトランスフォーメーション)支援のリーディングカンパニーを目指している。
※ 「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、従来のビジネスモデルやビジネス手段といったものをデジタル技術により変革し、新たな価値を創造すること。
1. 事業概要
事業区分は、基幹業務パッケージソフト「アラジンオフィス・シリーズ」が主力の「システムソリューション事業」、クラウド型でサービス提供する複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」や実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」が主力の「Webソリューション事業(CROSS事業、その他Web事業)」からなる。特徴・強みとしては、1)高い販売・在庫管理ノウハウ、2)中堅・中小企業市場への特化、3)リアルとWebの両方への対応力と高シェア、4)特化業種深耕戦略とパートナー戦略、5)自社製品・サービス比率の高さ、6)トータルソリューションを実現する商品生態系戦略、7)社員の約7割が技術職の体制、8)小売業へのオムニチャネル戦略、9)個別カスタマイズ対応力、などが挙げられる。リアルとWebの両面から複合提案できる強みの結果、攻めの力も守りの力も強く、顧客企業数は増加基調である。
同社は利益重視戦略へ方針転換しており、開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上、ストック型商材の売上拡大などを重点施策として推進している。この結果、全社ベースの売上総利益率は2016年7月期38.0%を直近ボトムとして上昇に転じ、2020年7月期には過去最高の44.7%まで上昇した。
2. 2020年7月期の業績概要
2020年7月期の連結業績は、売上高が前期比20.5%増の12,679百万円、営業利益が同78.8%増の1,700百万円、経常利益が同76.3%増の1,715百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同91.5%増の1,189百万円となった。上方修正した計画値をさらに上回る大幅増収増益で、売上高、各利益とも過去最高を更新した。企業のDXニーズの増加を背景に、ストック型商材が順調に拡大した。また、システムソリューション事業においては、消費税率引き上げ・軽減税率導入及びWindows7サポート終了に伴う特需という一時的要因も寄与した。利益面では、増収効果に加えてストック型商材の拡大、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、品質・生産性向上などの効果が寄与した。
3. 2021年7月期の業績見通し
2021年7月期の連結業績予想については、売上高が前期比2.6%減の12,350百万円、営業利益が同29.4%減の1,200百万円、経常利益が同28.5%減の1,226百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同34.0%減の784百万円を見込んでいる。前期の特需の反動を主因に、減収減益予想としている。企業のDXニーズの高まりを背景に、特需を除いたベースでの売上成長に変化はないが、特需反動で一時的にイレギュラーな形となるため、2022年7月期に向けた受注の仕込み期間としているようだ。また費用面では、下期に人員増(2021年春新卒採用)による人件費の増加、契約更新に伴う本社家賃の増加などを見込んでいる。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の状況によっては出張費や交際費が減少するため、利益に関しては多少上振れ余地があると弊社では見ている。
4. 中期経営計画
同社は、新型コロナウイルス感染症拡大で不確実性が増していることから、新3ヶ年中期経営計画(2021年7月期〜2023年7月期、1年ごとに更新するローリング方式)の目標値公表を延期している。しかしながら中期成長戦略としては、(1)システムソリューション事業の安定成長による強固な収益基盤の構築、(2)Webソリューション事業を第二の収益柱に育成、(3)新技術を取り込んだ新たな業務システム領域への進出、を掲げている。独自戦略のCROSS-OVERシナジー戦略を推進し、新技術を取り込んだ独自開発のサービス・製品を有機的に結合させ、高付加価値トータルソリューションパッケージとして市場に提供することで、高収益体質の構築に取り組む方針だ。
これに加え同社は、DX支援のリーディングカンパニーを目指している。市場環境は良好で顧客数は増加基調であること、品質・生産性向上の効果やストック型商材の拡大で利益率も上昇基調であることから、DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化はないと弊社では見ている。
■Key Points
・リアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略でトータルシステムソリューションを展開
・2021年7月期は特需反動で一時的に減収減益予想だが上振れ余地あり
・DX支援のリーディングカンパニーを目指す中期成長基調に変化なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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