アイル Research Memo(6):2020年7月期は特需も寄与して大幅増収増益
[20/10/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年7月期の業績概要
アイル<3854>の2020年7月期の連結業績は、売上高が前期比20.5%増の12,679百万円、営業利益が同78.8%増の1,700百万円、経常利益が同76.3%増の1,715百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同91.5%増の1,189百万円となった。2019年12月6日に発表した上方修正(売上高12,342百万円、営業利益1,519百万円、経常利益1,536百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,008百万円)をさらに上回る大幅増収増益で、売上高、各利益とも過去最高を更新した。
売上面ではシステムソリューション事業が前期比22%増、Webソリューション事業が同10%増と、いずれも伸長した。顧客のDXニーズの増加を背景に、ストック型商材が順調に拡大した。また、システムソリューション事業においては、2019年10月の消費税率引き上げ・軽減税率導入、2020年1月のWindows7サポート終了に伴う特需という一時的要因も寄与した。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は全体として軽微だった。システムソリューション事業においては、緊急事態宣言が発令された4月〜5月に対面営業を自粛したものの、6月以降は通常営業体制に戻り、引き合いも増加傾向である。なお、CROSS事業は商談開拓から契約までをWebで完結している。
利益面では、増収効果に加えてストック型商材の拡大、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、品質・生産性向上などの効果が寄与した。売上総利益は前年同期比28.1%増の5,664百万円、売上総利益率は同2.7ポイント上昇して44.7%となった。販管費は同14.2%増の3,964百万円、販管費率は同1.7ポイント低下して31.3%となった。人員増やインセンティブ増額に伴って人件費が増加、販促施策強化に伴って広告宣伝費も増加したものの、これらを売上総利益の増加で吸収したことで、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも大幅増益となった。
なお四半期別に見ると、特需の影響により、2020年7月期第1四半期の業績が大幅増収増益となったものの、第4四半期は前年同期から特需が始まった反動により、売上高は前年同期比17%減、売上総利益は同11%減となった。
2. 事業別動向
(1) システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前期比22%増の11,111百万円、売上総利益は同30%増の4,951百万円となった。売上面では、顧客のDXニーズが増加したことに加えて、消費税率引き上げ・軽減税率導入やWindows7サポート終了に伴う特需がけん引した。利益面では、増収効果に加えてストック売上積み上げによる利益体質強化、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、生産管理オプション機能の追加等によるカスタマイズ工数の減少などが寄与した。売上総利益率は同2.8ポイント上昇して44.6%となった。利益重視の施策が奏功して上昇基調であると言える。
(2) Webソリューション事業
Webソリューション事業の売上高は前期比10%増の1,568百万円(CROSS事業は同16%増の1,040百万円、その他Web事業は同1%減の527百万円)、売上総利益は同16%増の713百万円(CROSS事業は同23%増の569百万円、その他Web事業は同6%減の143百万円)となった。売上面では、「CROSS MALL」及び「CROSS POINT」ともに伸長し、「@ばる」サービス事業撤退に伴う減収分をカバーして2ケタ成長を維持した。なお、CROSS事業の売上総利益率は同2.7ポイント上昇して54.7%となり、Webソリューション事業の売上総利益率は45.5%となった。
3. 財務状況と経営指標
財務面で見ると、2020年7月期末の資産合計は前期末比938百万円増の7,585百万円、負債合計は同76百万円増の3,871百万円となった。資産では現金及び預金が増加した。負債では借入金が減少した。純資産合計は利益剰余金の積み上げで同862百万円増の3,713百万円、自己資本比率は同6.1ポイント上昇して49.0%となった。これらの結果から、財務の健全性は良好と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<YM>
1. 2020年7月期の業績概要
アイル<3854>の2020年7月期の連結業績は、売上高が前期比20.5%増の12,679百万円、営業利益が同78.8%増の1,700百万円、経常利益が同76.3%増の1,715百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同91.5%増の1,189百万円となった。2019年12月6日に発表した上方修正(売上高12,342百万円、営業利益1,519百万円、経常利益1,536百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,008百万円)をさらに上回る大幅増収増益で、売上高、各利益とも過去最高を更新した。
売上面ではシステムソリューション事業が前期比22%増、Webソリューション事業が同10%増と、いずれも伸長した。顧客のDXニーズの増加を背景に、ストック型商材が順調に拡大した。また、システムソリューション事業においては、2019年10月の消費税率引き上げ・軽減税率導入、2020年1月のWindows7サポート終了に伴う特需という一時的要因も寄与した。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は全体として軽微だった。システムソリューション事業においては、緊急事態宣言が発令された4月〜5月に対面営業を自粛したものの、6月以降は通常営業体制に戻り、引き合いも増加傾向である。なお、CROSS事業は商談開拓から契約までをWebで完結している。
利益面では、増収効果に加えてストック型商材の拡大、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、品質・生産性向上などの効果が寄与した。売上総利益は前年同期比28.1%増の5,664百万円、売上総利益率は同2.7ポイント上昇して44.7%となった。販管費は同14.2%増の3,964百万円、販管費率は同1.7ポイント低下して31.3%となった。人員増やインセンティブ増額に伴って人件費が増加、販促施策強化に伴って広告宣伝費も増加したものの、これらを売上総利益の増加で吸収したことで、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも大幅増益となった。
なお四半期別に見ると、特需の影響により、2020年7月期第1四半期の業績が大幅増収増益となったものの、第4四半期は前年同期から特需が始まった反動により、売上高は前年同期比17%減、売上総利益は同11%減となった。
2. 事業別動向
(1) システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前期比22%増の11,111百万円、売上総利益は同30%増の4,951百万円となった。売上面では、顧客のDXニーズが増加したことに加えて、消費税率引き上げ・軽減税率導入やWindows7サポート終了に伴う特需がけん引した。利益面では、増収効果に加えてストック売上積み上げによる利益体質強化、営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、生産管理オプション機能の追加等によるカスタマイズ工数の減少などが寄与した。売上総利益率は同2.8ポイント上昇して44.6%となった。利益重視の施策が奏功して上昇基調であると言える。
(2) Webソリューション事業
Webソリューション事業の売上高は前期比10%増の1,568百万円(CROSS事業は同16%増の1,040百万円、その他Web事業は同1%減の527百万円)、売上総利益は同16%増の713百万円(CROSS事業は同23%増の569百万円、その他Web事業は同6%減の143百万円)となった。売上面では、「CROSS MALL」及び「CROSS POINT」ともに伸長し、「@ばる」サービス事業撤退に伴う減収分をカバーして2ケタ成長を維持した。なお、CROSS事業の売上総利益率は同2.7ポイント上昇して54.7%となり、Webソリューション事業の売上総利益率は45.5%となった。
3. 財務状況と経営指標
財務面で見ると、2020年7月期末の資産合計は前期末比938百万円増の7,585百万円、負債合計は同76百万円増の3,871百万円となった。資産では現金及び預金が増加した。負債では借入金が減少した。純資産合計は利益剰余金の積み上げで同862百万円増の3,713百万円、自己資本比率は同6.1ポイント上昇して49.0%となった。これらの結果から、財務の健全性は良好と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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