アイエスビー Research Memo(1):業務システム分野が好調、モバイルインフラ分野も復活の兆し
[20/10/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アイ・エス・ビー<9702>は1970年創業の独立系情報サービス企業。通信分野での高い技術力をベースに、組込み系ソフトウェアや業務用システム開発へと展開。M&Aも活用しながら事業を拡大しており、2019年1月には新たに同業の(株)テイクス、コンピュータハウス(株)の2社を子会社化した。また、出入管理システムのリーディングカンパニーである(株)アートを子会社に持つ。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計(2020年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の12,131百万円、営業利益で同51.4%増の883百万円と、期初会社計画(売上高11,500百万円、営業利益600百万円)を上回る増収増益となった。売上高は基幹システム開発を中心とした業務システムや組込み系ソフトウェア分野が好調に推移したほか、セキュリティシステム事業における既存システムのリニューアル工事が活発で、2ケタ増収となった。利益面では、増収効果に加えてグループ間連携などによる受託開発事業の収益性が向上したこと、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)におけるテレワーク体制を敷いたことで経費が減少したことなどが増益要因となった。
2. 「中期経営計画2020」の進捗と重点戦略
同社は2020年12月期を最終年度とする「中期経営計画2020」に取り組んでいる。2019年に子会社化したテイクス、コンピュータハウスを加えて見直した業績数値目標(売上高240億円、営業利益11億円)に対して、営業利益は1年前倒しで達成しており、2020年12月期については売上高についても数値目標を上回るペースとなっている。重点戦略として掲げた、1)プロダクト事業の展開と拡大、2)高付加価値業務へのシフト、3)コスト競争力強化、4)グループ経営戦略強化、の4つの施策が着実に成果を見せていることが要因と考えられる。2021年12月期からスタートする新中期経営計画においても同様の戦略を継続していくものと予想され、M&A戦略も引き続き前向きに検討を進めていく意向となっている。そのための財務基盤強化を目的として、2020年9月に公募増資を実施した。調達額1,217百万円は全額、過去のM&A資金等を目的として調達した借入金の返済に充当する。財務基盤を強化して、今後増加が予想されるM&A案件に対して、機動的に対応できる体制を整える。
3. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期業績は売上高で前期比9.4%増の24,631百万円、営業利益で同28.4%増の1,533百万円と期初計画(売上高24,000百万円、営業利益1,250百万円)を上方修正した。ただ、修正額は第2四半期までの上振れ分を反映したものとなっている。業務システムやモバイル関連など期初計画を上回る分野がある一方で、コロナ禍により車載向け組込みシステムやフィールドサービスの受注が期初計画よりもやや弱くなっており、第4四半期の状況がまだ不透明なためだ。とはいえ、同社は従来から保守的に計画を見積もる傾向にあるため、今後、コロナ禍が一段と深刻化しない限りは業績計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
■Key Points
・2020年12月期第2四半期累計業績は業務システム、組込み系ソフトウェアの拡大並びに生産性向上が寄与して、期初計画を上回る2ケタ増収増益を達成
・2020年12月期業績は期初計画を上方修正、グループ連携によるシナジー効果も継続
・M&A戦略を機動的に実行する体制づくりに向け、公募増資を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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アイ・エス・ビー<9702>は1970年創業の独立系情報サービス企業。通信分野での高い技術力をベースに、組込み系ソフトウェアや業務用システム開発へと展開。M&Aも活用しながら事業を拡大しており、2019年1月には新たに同業の(株)テイクス、コンピュータハウス(株)の2社を子会社化した。また、出入管理システムのリーディングカンパニーである(株)アートを子会社に持つ。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計(2020年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の12,131百万円、営業利益で同51.4%増の883百万円と、期初会社計画(売上高11,500百万円、営業利益600百万円)を上回る増収増益となった。売上高は基幹システム開発を中心とした業務システムや組込み系ソフトウェア分野が好調に推移したほか、セキュリティシステム事業における既存システムのリニューアル工事が活発で、2ケタ増収となった。利益面では、増収効果に加えてグループ間連携などによる受託開発事業の収益性が向上したこと、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)におけるテレワーク体制を敷いたことで経費が減少したことなどが増益要因となった。
2. 「中期経営計画2020」の進捗と重点戦略
同社は2020年12月期を最終年度とする「中期経営計画2020」に取り組んでいる。2019年に子会社化したテイクス、コンピュータハウスを加えて見直した業績数値目標(売上高240億円、営業利益11億円)に対して、営業利益は1年前倒しで達成しており、2020年12月期については売上高についても数値目標を上回るペースとなっている。重点戦略として掲げた、1)プロダクト事業の展開と拡大、2)高付加価値業務へのシフト、3)コスト競争力強化、4)グループ経営戦略強化、の4つの施策が着実に成果を見せていることが要因と考えられる。2021年12月期からスタートする新中期経営計画においても同様の戦略を継続していくものと予想され、M&A戦略も引き続き前向きに検討を進めていく意向となっている。そのための財務基盤強化を目的として、2020年9月に公募増資を実施した。調達額1,217百万円は全額、過去のM&A資金等を目的として調達した借入金の返済に充当する。財務基盤を強化して、今後増加が予想されるM&A案件に対して、機動的に対応できる体制を整える。
3. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期業績は売上高で前期比9.4%増の24,631百万円、営業利益で同28.4%増の1,533百万円と期初計画(売上高24,000百万円、営業利益1,250百万円)を上方修正した。ただ、修正額は第2四半期までの上振れ分を反映したものとなっている。業務システムやモバイル関連など期初計画を上回る分野がある一方で、コロナ禍により車載向け組込みシステムやフィールドサービスの受注が期初計画よりもやや弱くなっており、第4四半期の状況がまだ不透明なためだ。とはいえ、同社は従来から保守的に計画を見積もる傾向にあるため、今後、コロナ禍が一段と深刻化しない限りは業績計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
■Key Points
・2020年12月期第2四半期累計業績は業務システム、組込み系ソフトウェアの拡大並びに生産性向上が寄与して、期初計画を上回る2ケタ増収増益を達成
・2020年12月期業績は期初計画を上方修正、グループ連携によるシナジー効果も継続
・M&A戦略を機動的に実行する体制づくりに向け、公募増資を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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