イグニス Research Memo(5):主力タイトルの譲渡で減収予想も『with』の伸びが成長をけん引する見通し
[20/10/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績見通し
1. 2020年9月期の業績予想
2020年9月期の売上高予想についてイグニス<3689>は、2020年5月11日に当初予想の4,000百万円から上方修正したものの、前期比10.2%減の5,000百万円と見込んでいるが、利益予想については非公表となっている。
減収予想となっているのは、ゲーム主力タイトル(ゲーム事業)の譲渡が理由である。一方、利益予想については、「エンターテック事業」における今後の売上高や事業投資について不確定要素があるため、2020年9月期下期に関して当該事業の予想を織り込まない方針とされており、非公表としている。
2. 新型コロナウイルス感染拡大による影響
(1) マッチング事業
足元でのアクティブユーザー数の推移や広告費回収効率など、重視するKPIに大きな変化はなく、事業特性や構造から見て、その影響は限定的と見ることができる。
(2) エンターテック事業
IP展開についてはコロナ禍の影響を最も受けており、(オフライン)イベント延期や中止が相次いだ。今期業績への影響は軽微だが、内部目標としていた成長スピードには遅れが生じているようだ。一方、プラットフォーム関連についても、在宅勤務により『INSPIX WORLD』へのアップデート開発において生産性が低下する工程が確認されている。
3. 弊社アナリストの見方
同社による売上高予想5,000百万円を達成するためには、第4四半期の売上高として776百万円あれば足りる。したがって、積み上げ型の『with』(マッチング事業)だけでも十分に達成できる水準であり、「エンターテック事業」による寄与分を含めて、どれだけの上乗せができるかがポイントになるだろう。一方、損益面では、通期での黒字転換が最大の注目点と言える。『with』への広告宣伝費や「エンターテック事業」への先行投資の掛け方次第で黒字化は可能と見ているが、足元利益の確保と来期以降の成長のバランスをどのようにとっていくのか、政策的な判断によるところが大きいだろう。一方、来期以降に向けては、バーチャルライブ「初音ミク GALAXY LIVE 2020」の成功が、今後の事業拡大にどのように弾みを付けていくのかに注目したい。また、新株予約権の行使に伴う資金調達により、財務体質が改善され、GC注記の記載が解消されたことや、手許資金の活用をいかに成長につなげていくのかも、今後に向けて評価すべきポイントと捉えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<ST>
1. 2020年9月期の業績予想
2020年9月期の売上高予想についてイグニス<3689>は、2020年5月11日に当初予想の4,000百万円から上方修正したものの、前期比10.2%減の5,000百万円と見込んでいるが、利益予想については非公表となっている。
減収予想となっているのは、ゲーム主力タイトル(ゲーム事業)の譲渡が理由である。一方、利益予想については、「エンターテック事業」における今後の売上高や事業投資について不確定要素があるため、2020年9月期下期に関して当該事業の予想を織り込まない方針とされており、非公表としている。
2. 新型コロナウイルス感染拡大による影響
(1) マッチング事業
足元でのアクティブユーザー数の推移や広告費回収効率など、重視するKPIに大きな変化はなく、事業特性や構造から見て、その影響は限定的と見ることができる。
(2) エンターテック事業
IP展開についてはコロナ禍の影響を最も受けており、(オフライン)イベント延期や中止が相次いだ。今期業績への影響は軽微だが、内部目標としていた成長スピードには遅れが生じているようだ。一方、プラットフォーム関連についても、在宅勤務により『INSPIX WORLD』へのアップデート開発において生産性が低下する工程が確認されている。
3. 弊社アナリストの見方
同社による売上高予想5,000百万円を達成するためには、第4四半期の売上高として776百万円あれば足りる。したがって、積み上げ型の『with』(マッチング事業)だけでも十分に達成できる水準であり、「エンターテック事業」による寄与分を含めて、どれだけの上乗せができるかがポイントになるだろう。一方、損益面では、通期での黒字転換が最大の注目点と言える。『with』への広告宣伝費や「エンターテック事業」への先行投資の掛け方次第で黒字化は可能と見ているが、足元利益の確保と来期以降の成長のバランスをどのようにとっていくのか、政策的な判断によるところが大きいだろう。一方、来期以降に向けては、バーチャルライブ「初音ミク GALAXY LIVE 2020」の成功が、今後の事業拡大にどのように弾みを付けていくのかに注目したい。また、新株予約権の行使に伴う資金調達により、財務体質が改善され、GC注記の記載が解消されたことや、手許資金の活用をいかに成長につなげていくのかも、今後に向けて評価すべきポイントと捉えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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