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ナガイレーベ Research Memo(7):2021年8月期は期ずれ案件の獲得で増収増益を予想

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

● 2021年8月期の連結業績見通し
ナガイレーベン<7447>の2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円を見込んでいる。

売上高については、今後の営業活動の進捗に不透明感は残るものの、前期からの期ずれ物件も含めメディカルウェアは消耗品であるため、順次納入が発生すると予想している。また感染対策商品の厚生労働省向けは第1四半期まで継続する。引き続き需要が期待される手術ウェア、2020年8月期に取り組みの開始が遅れた患者ウェアは順調に増収に寄与する見込みで、これらによって2020年8月期に厚生労働省へ納入した売上のはく落をカバーして前期比1.4%増の過去最高売上を目指す。

売上総利益率は46.3%(前期は45.8%)と予想している。売上総利益額は200百万円増加する見込みだが、売上増による要因で108百万円の増加を、生産による要因で92百万円の増加を見込んでいる。生産による増加は、海外生産比率の上昇(49.5%から50.5%へ上昇)による要因で60百万円を見込んでいるが、このうち感染対策商品の海外生産移管によって20百万円を計画している。一方で原価面では、国内加工賃上昇や原材料等の値上げによる影響は2020年8月期で一巡していることから、2021年8月期に対してはニュートラルと予想している。また2021年8月期の為替レートは105.0円/米ドル(2020年8月期は106.0円/米ドル)を予想しており、これによる原価低減効果は20百万円を見込んでいる。

販管費においては、営業活動がある程度通常に戻ると予想されることから旅費交通費が31百万円増加する見込み。また海外向けのカタログ制作を計画しており、これによる広告宣伝費の増加18百万円を予算化している。これらを含めて、販管費は前期比2.4%増の2,941百万円となる見込みで、その結果、営業利益は前期比2.7%増の5,068百万円と増益を計画している。なお、設備投資額は275百万円、減価償却費は317百万円と通常の範囲内を見込んでいる。

(1) アイテム別売上高予想
アイテム別売上高は、ヘルスケアウェアが前期比6.3%増の9,510百万円、ドクターウェアが同5.8%増の2,620百万円、ユーティリティウェアが同10.0%減の355百万円、患者ウェアが同6.4%増の2,200百万円、手術ウェアが同3.5%増の1,780百万円、シューズ・その他が同8.0%減の320百万円、感染対策商品が同53.9%減の515百万円を見込んでいる。

ヘルスケアウェア及びドクターウェアは商談の進捗に不透明感は残るものの、これらの商品は消耗品であることから発注が再開されるものと予想され、期ずれ物件の着実な受注により増収を計画している。患者ウェアは、2020年8月期に中断となった新規取り組みの実現により順調な増収を見込む。手術ウェアは、引き続きリスク回避の利点をポイントに、コンペルパックの更なる市場浸透に注力し、連続増収を目指す。感染対策商品は、厚生労働省からの受注は大幅減となるものの、積極的に市販への展開を図り、リユーザブル感染対策商品の市場定着化を目指す。なお、ユーティリティウェアについては、市場縮小傾向の継続により減収を見込んでいる。

(2) 地域別売上高予想
地域別売上高は、東日本が前期比4.5%増の8,915百万円、中部日本が同4.0%増の1,800百万円、西日本が同6.9%増の6,050百万円、海外が同9.3%増の220百万円、厚生労働省(全国)が同66.7%減の315百万円を見込んでいる。

東日本では、大型物件の確定受注に加え、期ずれ物件を確実に取り込み、さらに感染対策商品の拡販にも注力して増収を図る。中部日本は、更新予定物件を確実に獲得して過去最高売上を計画している。西日本では、期ずれ物件の納入に努めるともに、患者ウェアの取り組みが本格化すると期待され売上回復を図る。海外は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で遅れていた台湾における同社ビジネスモデル(リネン業者への販売)の推進により連続増収を予定している。厚生労働省向けは第1四半期の315百万円までは確定しているが、現時点ではそれ以降の予定はない。

(3) 商品別売上高予想
商品別売上高は、ハイエンド商品が前期比9.1%増の1,170百万円、高付加価値商品が同8.5%増の9,430百万円、付加価値商品が同1.5%増の5,685百万円、量販品が同7.4%減の700百万円、厚生労働省向けが同66.7%減の315百万円を見込んでいる。

ハイエンド商品は、新商品(37°C、ドクターコート)のラインナップ強化により市場を活性化することで、大幅な増収を計画している。高付加価値商品は、更新物件の確実な受注に向け更なる機能アップとデザイン性を高めることで付加価値の向上を追求し、増収を目指す。付加価値商品は、新商品投入により他社物件も含め量販品からの引き上げ移行を推進する計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)




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