NECキャピ Research Memo(5):第1四半期業績は概ね計画線上での進捗。賃貸・割賦事業の売上高は伸長
[20/10/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2021年3月期第1四半期業績
NECキャピタルソリューション<8793>の2021年3月期第1四半期業績は売上高52,660百万円(前年同期比10.4%減)、営業利益862百万円(同82.7%減)、経常利益924百万円(同82.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益592百万円(同76.8%減)だった。事業環境については、公益社団法人リース事業協会の「リース統計」によると、コロナ禍の影響により、リース業界全体の2020年4月〜6月累計のリース取扱高は、前年同期比13.1%減の1兆625億円となり、同社の主力である情報通信機器は前年同期比4.0%減となっている。また、コロナ禍の影響に伴い、資金調達環境や倒産状況は引き続き今後の動向に注視が必要となる。このような環境下であるが、同社の2021年3月期第1四半期の減収減益要因としては、コロナ禍に伴う与信関連費用計上の影響はあるが、前年同期において大型の売却益を計上したリサ事業の反動減の影響が大きく、概ね想定の範囲内であると弊社では考えている。
2. セグメント業績
セグメント業績においては、売上総利益としては賃貸・割賦事業、ファイナンス事業ともに前年同期とほぼ変わらず。リサ事業は前年同期比反動から減少しているが、賃貸・割賦事業の売上高は、46,906百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は870百万円(同19.0%減)だった。契約実行高では前年同期比4.3%減、成約高は同15.3%減となったが、要因としては前年同期にWindows10の入替需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加のほか、大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があった反動減である。一方で、2017年3月期、2018年3月期の第1四半期対比では、契約実行高、成約高共に上回る水準であり、前年同期の特需に起因すると考えられる。また、業種別契約実行高においては、Windows10の入替需要の反動がみられているが、官公庁・自治体は大型案件積み上げにより、前年同期比0.3%増とほぼ前年並みを維持している。
ファイナンス事業の売上高は、1,405百万円(前年同期比13.7%減)、営業利益は290百万円(同64.9%減)だった。主に短期の貸付である個別ファクタリング(同54.0%減)の減少により、契約実行高、成約高共に前年同期を下回ったが、主に顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことによる。
リサ事業の売上高は、1,431百万円(前年同期比87.4%減)、営業利益は263百万円(同92.7%減)だった。前年同期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことによる反動があった。事業別収益でみると、前年同期にファンドのEXIT(イグジット)案件が複数あった反動によるアセットビジネス(ファンド事業、債権投資事業)、同じく前年同期に販売用不動産の売却があった反動による不動産が落ち込む形である。一方で、アドバイザリーにおいては手数料収入等の増加により売上高及び売上総利益が増加となっている。
その他の事業においては、商品売上の減少等により売上高は2,927百万円(前年同期比23.7%減)、営業損失は110百万円(前年同期は92百万円の損失)となり、前年同期並みである。
3.営業資産残高の状況
2021年3月期第1四半期末の営業資産残高は872,022百万円となり、前年同期末比で46,983百万円の増加(5.7%増)となった。内訳としては賃貸・割賦事業において官公庁・民需共に伸長し、前年同期比56,235百万円の増加となった。民需ではICTレンタルやベンダーファイナンス等の強化施策が奏功している。賃貸・割賦事業は長期的な安定的した収益を稼げるアセットビジネスであるため、先行きの安定した収益に貢献することになる。ファイナンス事業は企業融資が伸長しているが、個別ファクタリングが減少し同25,382百万円の減少となった。リサ事業においては販売用不動産の取得等により同11,638百万円の増加となった。その他の事業ではヘルスケア施設の取得等で同4,492百万円の増加となった。
与信関連費用については、コロナ禍の影響もあり、5億円の新規引当の計上を行っている。前年同期は貸倒引当金の戻入益があったことで2億円のプラスであったため、実質7億円の悪化となる。コロナ禍の影響を考慮して計上している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>
1. 2021年3月期第1四半期業績
NECキャピタルソリューション<8793>の2021年3月期第1四半期業績は売上高52,660百万円(前年同期比10.4%減)、営業利益862百万円(同82.7%減)、経常利益924百万円(同82.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益592百万円(同76.8%減)だった。事業環境については、公益社団法人リース事業協会の「リース統計」によると、コロナ禍の影響により、リース業界全体の2020年4月〜6月累計のリース取扱高は、前年同期比13.1%減の1兆625億円となり、同社の主力である情報通信機器は前年同期比4.0%減となっている。また、コロナ禍の影響に伴い、資金調達環境や倒産状況は引き続き今後の動向に注視が必要となる。このような環境下であるが、同社の2021年3月期第1四半期の減収減益要因としては、コロナ禍に伴う与信関連費用計上の影響はあるが、前年同期において大型の売却益を計上したリサ事業の反動減の影響が大きく、概ね想定の範囲内であると弊社では考えている。
2. セグメント業績
セグメント業績においては、売上総利益としては賃貸・割賦事業、ファイナンス事業ともに前年同期とほぼ変わらず。リサ事業は前年同期比反動から減少しているが、賃貸・割賦事業の売上高は、46,906百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は870百万円(同19.0%減)だった。契約実行高では前年同期比4.3%減、成約高は同15.3%減となったが、要因としては前年同期にWindows10の入替需要を背景とした情報通信機器の大幅な増加のほか、大型のベンダーファイナンス案件の獲得等があった反動減である。一方で、2017年3月期、2018年3月期の第1四半期対比では、契約実行高、成約高共に上回る水準であり、前年同期の特需に起因すると考えられる。また、業種別契約実行高においては、Windows10の入替需要の反動がみられているが、官公庁・自治体は大型案件積み上げにより、前年同期比0.3%増とほぼ前年並みを維持している。
ファイナンス事業の売上高は、1,405百万円(前年同期比13.7%減)、営業利益は290百万円(同64.9%減)だった。主に短期の貸付である個別ファクタリング(同54.0%減)の減少により、契約実行高、成約高共に前年同期を下回ったが、主に顧客の売掛債権等の減少に伴い、ファクタリングの対象となる債権残高が減少したことによる。
リサ事業の売上高は、1,431百万円(前年同期比87.4%減)、営業利益は263百万円(同92.7%減)だった。前年同期にファンドによる大型の営業投資有価証券や販売用不動産の売却等を計上したことによる反動があった。事業別収益でみると、前年同期にファンドのEXIT(イグジット)案件が複数あった反動によるアセットビジネス(ファンド事業、債権投資事業)、同じく前年同期に販売用不動産の売却があった反動による不動産が落ち込む形である。一方で、アドバイザリーにおいては手数料収入等の増加により売上高及び売上総利益が増加となっている。
その他の事業においては、商品売上の減少等により売上高は2,927百万円(前年同期比23.7%減)、営業損失は110百万円(前年同期は92百万円の損失)となり、前年同期並みである。
3.営業資産残高の状況
2021年3月期第1四半期末の営業資産残高は872,022百万円となり、前年同期末比で46,983百万円の増加(5.7%増)となった。内訳としては賃貸・割賦事業において官公庁・民需共に伸長し、前年同期比56,235百万円の増加となった。民需ではICTレンタルやベンダーファイナンス等の強化施策が奏功している。賃貸・割賦事業は長期的な安定的した収益を稼げるアセットビジネスであるため、先行きの安定した収益に貢献することになる。ファイナンス事業は企業融資が伸長しているが、個別ファクタリングが減少し同25,382百万円の減少となった。リサ事業においては販売用不動産の取得等により同11,638百万円の増加となった。その他の事業ではヘルスケア施設の取得等で同4,492百万円の増加となった。
与信関連費用については、コロナ禍の影響もあり、5億円の新規引当の計上を行っている。前年同期は貸倒引当金の戻入益があったことで2億円のプラスであったため、実質7億円の悪化となる。コロナ禍の影響を考慮して計上している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NB>