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グリムス Research Memo(1):エネルギーソリューションカンパニーとして持続的な成長を目指す

注目トピックス 日本株
■要約

1. エネルギーソリューションカンパニー
グリムス<3150>は、東証2部に上場し、一般家庭から工場、オフィス等の幅広い顧客を対象に、高圧から低圧まですべての電力種別の領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。創業以来、エネルギーに関する豊富な提案能力を有する営業社員により、顧客のニーズに合った的確なコンサルティングを続けてきたことによる、「豊富な顧客基盤による営業展開力」、「他社との差別化による収益力の強さ」、「市場環境と成長機会」が同社グループの強みである。これまで、エネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業による着実な収益と小売電気事業の成長により増収増益決算を続けてきたが、今後も小売電気事業を原動力にさらに業績を伸ばす見通しだ。加えて、経済産業省のVPP(バーチャルパワープラント。分散して存在するいくつかの太陽光発電システムや蓄電池などをエネルギーマネジメント技術により統合制御し、あたかも1つの発電所のように利用する仕組み)実証事業にも参画するなど、次の成長戦略への布石も打っている。

2. 2020年3月期は5期連続の最高益を達成
2020年3月期の連結業績は、売上高が15,489百万円(前期比27.6%増)、営業利益が2,106百万円(同50.4%増)と、創業以来15期連続の増収及び5期連続の最高益を達成し、営業利益は期初予想比31.7%増の着地となった。セグメント別には、小売電気事業が天候要因により電力需要が減少したため市場での電力調達価格が低位に推移したことで、計画を大きく上回る増益となったことが全体の好決算につながった。以上の結果、ROEは33.1%で収益性が高く、自己資本比率は59.4%で財務の健全性も高い。好決算を反映して、中間配当5.0円、期末配当19.0円、合計24.0円へと、4期連続で増配した。

3. 2021年3月期も更なる増収増益を予想、次の成長戦略にも着手
同社では、2021年3月期の業績予想について、売上高16,853百万円(前期比8.8%増)、営業利益2,300百万円(同9.2%増)と、引き続き増収増益決算を予想している。スマートハウスプロジェクト事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による催事販売回数の減少に伴い減益を見込む。また、小売電気事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微であるものの、天候要因による電力調達価格の上昇を織り込み、減益を見込んでいる。一方、エネルギーコストソリューション事業も、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微であり、前期の減益の反動もあって増益を予想する。例年、期初の業績予想は保守的な予想であり、第1四半期決算の営業利益は通期予想の43.9%に達していることから、弊社では通期業績も最終的には期初予想を上回る可能性が高いと考える。

同社では、2020年9月に株式の流動性向上と投資家層の拡大を目指して1株を2株にする株式分割を実施するとともに、東証JASDAQ(スタンダード)から東証2部への市場変更を記念して、期初の前期並み配当予想から、普通配当12.0円、記念配当2.5円、合計14.5円に増配すると発表した。期初の業績予想を上回る決算となれば、更なる増配の可能性も期待できそうだ。同社では、今後もスマートハウスプロジェクト事業とエネルギーコストソリューション事業で安定的な収益を確保しながら、潜在成長性の大きい小売電気事業の推進により、増収増益を続ける計画である。また、同社では、CSR(企業の社会的責任)にも注力しており、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資銘柄としても注目されそうだ。弊社では、近い将来には同社の東証1部上場も視界に入ると考える。

■Key Points
・エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供し、エネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業、小売電気事業を展開。次の成長戦略として、VPP実証事業に参画
・2020年3月期では、小売電気事業が好決算をけん引、5期連続で最高益を更新し、増配を実施。財務の健全性が高く、収益性も高い
・2021年3月期は、スマートハウスプロジェクト事業を除いて新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微であり、引き続き増収増益を予想。第1四半期の営業利益は通期予想の43.9%に達する好スタート。東証2部への市場変更を記念して増配を発表。2021年3月期も予想を上回る好決算、更なる増配の可能性もある。CSRにも注力、東証1部上場も視界に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



<NB>

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