ブイキューブ Research Memo(1):2020年12月期業績は会社計画を上回る成長が期待される
[20/10/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ブイキューブ<3681>は、Web会議やWebセミナーなどオンラインによるビジュアルコミュニケーションサービスを展開する国内最大手。主要サービスの「V-CUBE」は法人企業や教育機関、官公庁など累計で5,000社以上の導入実績を有し、Web会議サービス(SaaS+オンプレミス)市場で2019年まで13年連続トップシェアを維持している。また、2017年にはテレワークに最適な作業空間となる個室型スマートワークブース「テレキューブ」の販売を開始し、新たな収益柱として育成を進めている。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比5.0%増の3,266百万円、営業利益で259百万円(前年同期は146百万円の損失)となり、営業利益は2020年6月に上方修正した数値をさらに上回って着地した。「テレキューブ」やオンプレミスサービス、製薬業界向けWeb講演会などの売上は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言発令の影響を受け、会社計画を下回ったものの、収益性の高い汎用Web会議サービスが、テレワーク需要の拡大並びに各種Webセミナー向けの採用が進んだことで大きく伸長したことが主因だ。
2. 2020年12月期の業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.1%増の7,201百万円、営業利益で708百万円となる見通し。第3四半期以降は製薬業界向けWeb講演会の需要が急拡大する見込みとなっているほか、その他業界向けもイベントのリモート開催需要が引き続き伸びており、用途特化型サービスの高成長がけん引する見込みである。汎用Web会議サービスについては、外資系大手企業との競争が激しいが、用途特化型についてはシステムの導入から運用まで円滑に進めるためのサポートが求められるケースが多く、こうした領域は競合に対して同社が強みを発揮する分野となっている。実際に、製薬業界向けの案件は、7月以降急増しており、2020年12月期上期の開催数747回に対して、通期では3千回を超える需要が見込まれている。また、企業が自社サービスにビデオ通話やライブ配信機能を簡単に導入できる映像組み込みSDK(ソフトウェア開発キット)も第2四半期以降、計画を上回るペースで売上が拡大しているほか、上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で出遅れた「テレキューブ」についても、共同開発先であるオカムラ<7994>の販売力を生かして企業向けへの導入が順調に進んでいる。オカムラ経由の販売については、ロイヤリティ収入を売上計上するため売上高への影響度は小さいが、台数増加によって利益面では期初計画に近いところまで伸びる見通しとなっている。なお、同社は2020年12月期業績の社内目標値として売上高78億円、営業利益9億円を掲げているが、足元の状況を勘案すれば、営業利益は社内目標値を達成する可能性も十分あると弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2020年11月に、2020年12月期第3四半期決算発表と同時に中期経営計画を発表する予定にしている。成長戦略としては、同社の強みが生かせる用途特化型サービス(製薬業界向けWeb講演会、映像組み込みSDK等)をさらに伸ばしていくほか、「テレキューブ」の拡販にも注力していく。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけとしてオンラインVCサービスは本格普及期に入ったと見られ、この流れはアフターコロナの時代においても継続する可能性が高い。SaaS+Serviceの強みを生かすため、現在需要が急拡大している配信サポートの体制についてもパートナー企業と連携しながら拡充していく方針となっている。一方、「テレキューブ」に関しては、2019年12月期の累計設置台数384台(うち企業用319台、公共空間向け65台)に対して、2020年12月期末は1,500台前後に拡大する見通し。公共空間向けではJR東日本(東日本旅客鉄道<9020>)が設置場所を現在の約50ヶ所から1年後に100ヶ所、5年後に1,000ヶ所に増設する目標を発表するなど、今後も駅構内やオフィスビル、複合施設など様々な場所において設置が進む可能性がある。また、企業向けに関してはサブスクリプション型サービス提供も開始しており、収益基盤の安定化にも取り組んでいく方針だ。同社の主要サービスは限界利益率も高いだけに、今後は売上規模の拡大とともに利益率も上昇し、高成長が続くものと予想される。
■Key Points
・テレワーク需要の拡大を追い風に、2020年12月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増益を達成
・製薬業界向けWeb講演会など用途特化型サービスの急拡大により、2020年12月期業績は会社修正計画を上回る可能性が高い
・SaaS+Serviceを強みとした用途特化型サービスや「テレキューブ」に注力し、高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ブイキューブ<3681>は、Web会議やWebセミナーなどオンラインによるビジュアルコミュニケーションサービスを展開する国内最大手。主要サービスの「V-CUBE」は法人企業や教育機関、官公庁など累計で5,000社以上の導入実績を有し、Web会議サービス(SaaS+オンプレミス)市場で2019年まで13年連続トップシェアを維持している。また、2017年にはテレワークに最適な作業空間となる個室型スマートワークブース「テレキューブ」の販売を開始し、新たな収益柱として育成を進めている。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比5.0%増の3,266百万円、営業利益で259百万円(前年同期は146百万円の損失)となり、営業利益は2020年6月に上方修正した数値をさらに上回って着地した。「テレキューブ」やオンプレミスサービス、製薬業界向けWeb講演会などの売上は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言発令の影響を受け、会社計画を下回ったものの、収益性の高い汎用Web会議サービスが、テレワーク需要の拡大並びに各種Webセミナー向けの採用が進んだことで大きく伸長したことが主因だ。
2. 2020年12月期の業績見通し
2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.1%増の7,201百万円、営業利益で708百万円となる見通し。第3四半期以降は製薬業界向けWeb講演会の需要が急拡大する見込みとなっているほか、その他業界向けもイベントのリモート開催需要が引き続き伸びており、用途特化型サービスの高成長がけん引する見込みである。汎用Web会議サービスについては、外資系大手企業との競争が激しいが、用途特化型についてはシステムの導入から運用まで円滑に進めるためのサポートが求められるケースが多く、こうした領域は競合に対して同社が強みを発揮する分野となっている。実際に、製薬業界向けの案件は、7月以降急増しており、2020年12月期上期の開催数747回に対して、通期では3千回を超える需要が見込まれている。また、企業が自社サービスにビデオ通話やライブ配信機能を簡単に導入できる映像組み込みSDK(ソフトウェア開発キット)も第2四半期以降、計画を上回るペースで売上が拡大しているほか、上期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で出遅れた「テレキューブ」についても、共同開発先であるオカムラ<7994>の販売力を生かして企業向けへの導入が順調に進んでいる。オカムラ経由の販売については、ロイヤリティ収入を売上計上するため売上高への影響度は小さいが、台数増加によって利益面では期初計画に近いところまで伸びる見通しとなっている。なお、同社は2020年12月期業績の社内目標値として売上高78億円、営業利益9億円を掲げているが、足元の状況を勘案すれば、営業利益は社内目標値を達成する可能性も十分あると弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は2020年11月に、2020年12月期第3四半期決算発表と同時に中期経営計画を発表する予定にしている。成長戦略としては、同社の強みが生かせる用途特化型サービス(製薬業界向けWeb講演会、映像組み込みSDK等)をさらに伸ばしていくほか、「テレキューブ」の拡販にも注力していく。新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけとしてオンラインVCサービスは本格普及期に入ったと見られ、この流れはアフターコロナの時代においても継続する可能性が高い。SaaS+Serviceの強みを生かすため、現在需要が急拡大している配信サポートの体制についてもパートナー企業と連携しながら拡充していく方針となっている。一方、「テレキューブ」に関しては、2019年12月期の累計設置台数384台(うち企業用319台、公共空間向け65台)に対して、2020年12月期末は1,500台前後に拡大する見通し。公共空間向けではJR東日本(東日本旅客鉄道<9020>)が設置場所を現在の約50ヶ所から1年後に100ヶ所、5年後に1,000ヶ所に増設する目標を発表するなど、今後も駅構内やオフィスビル、複合施設など様々な場所において設置が進む可能性がある。また、企業向けに関してはサブスクリプション型サービス提供も開始しており、収益基盤の安定化にも取り組んでいく方針だ。同社の主要サービスは限界利益率も高いだけに、今後は売上規模の拡大とともに利益率も上昇し、高成長が続くものと予想される。
■Key Points
・テレワーク需要の拡大を追い風に、2020年12月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増益を達成
・製薬業界向けWeb講演会など用途特化型サービスの急拡大により、2020年12月期業績は会社修正計画を上回る可能性が高い
・SaaS+Serviceを強みとした用途特化型サービスや「テレキューブ」に注力し、高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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