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ドラフト Research Memo(3):設計デザインを起点とする事業活動(1)

注目トピックス 日本株
■ドラフト<5070>の事業概要

1. 事業内容
同社グループは、デザイン性の高い設計力・企画提案力と、PM及びCMを通じたデザインの実現力を武器に事業活動を行っている。多くの企業の顔となるオフィスのデザイン及び大型ビル全体の環境デザイン、丸の内エリア・名古屋エリア・福岡エリアといった都市開発の企画等、幅広い分野で受注を獲得している。

企画・デザイン・設計に限定される案件は、売上高と売上総利益がほぼ同額であるため、収益性が高いものの売上構成比は小さい。それらの業務に施工が加わった案件が売上高の9割程度を占めるため、同社は業種として「建設業」になる。ただし、施工業務は、あくまでも企画・デザイン・設計を具現化するものであり、事業は設計デザインを起点とする。

クライアントに対して、デザイン機能、PM機能及びCM機能が連携して業務に当たるプロジェクト体制を整えている。設計部門は商空間設計、ワークプレイス・リテールデザイン、プロダクトデザインと大きく3つのデザイン領域に分かれている。さらにコンセプトを構築するコミュニケーションプランナー、意匠やマテリアル選定を専門とするデザインコーディネーター、正確な作図を得意とするテクニカルデザイナーなど専門技術に特化したチーム体制を有している。PM部門はプロジェクトの全体計画を立案し、コスト・資源・時間を総合的に管理する。CM組織は、プロジェクトの全体計画に従い、主にコスト及び外注管理を行う。施工業務に際して、設計図面どおりに施工されるかを監督する施工監理業務及び工程管理、コスト管理等工事の進行管理を行う工事管理業務を行う。

同社グループは、デザイン力・企画力を強みとし、価格競争に巻き込まれにくい事業モデルである。3Dパース製作やPPM及びCMの機能強化を推進しているのは、無駄な外注費・材料費の発生を抑え、適正な利益の確保につながるためである。その結果、直接外注費及び材料費を売上高から控除した利益率は着実に改善している。

2. 対象領域別事業
(1) 対象領域別売上高構成比
同社は、企画・デザイン・設計・施工事業の単一セグメントであるため、セグメント別情報の公表はない。ただし、2018年3月期以降、対象領域別売上高の内訳が開示されている。対象領域別売上高構成比の過去3期における推移は、オフィス空間が71.1%→67.6%→66.5%、商業空間が14.8%→10.0%→5.4%、都市開発・環境設計・その他が14.1%→22.4%→28.1%であった。過去2期間のCAGRは、オフィス空間が+14.1%、商業空間が-28.6%、都市開発・環境設計・その他が+66.3%。同期間の総売上高のCAGRは+18.0%、営業利益では+36.9%を達成した。

主要な販売先として、サンフロンティア不動産<8934>が有価証券報告書に記載されている。2020年3月期までの3期間における同取引先向け年間売上高は335百万円→711百万円→852百万円と推移し、売上高依存度が7.7%→15.2%→14.1%であった。同取引先と特別な関係性があるわけではない。今後、大手デベロッパーなどとの大型案件が売上高に計上されれば、同取引先への依存率が低下することが見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



<NB>

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