ドラフト Research Memo(7):2020年3月期は、都市開発・環境設計や大型案件が急増
[20/10/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年3月期の連結業績概要
ドラフト<5070>の2020年3月期は、後半にコロナ禍により経済の不透明感が増大し、先行き不透明感が強まった。一方で、同社の売上高は前期比28.6%増の6,041百万円、営業利益が同25.5%増の478百万円、経常利益が同26.9%増の464百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.1%増の297百万円であった。売上総利益率が前期比0.7ポイント増の23.9%に上昇した。利益率が高い設計または設計・PM(設計監理)のみの案件が増加したことや業務効率化が寄与した。販管費は、事業拡大に対応する人員増、一般的な認知度を高めるための広告宣伝に資金を投下したこともあり、前期比36.0%増加した。期末の従業員数は144名と前期比23.1%増加した。
対象領域別売上高は、オフィスが前期比26.5%増、商業施設が同30.8%減、都市開発・環境設計・その他が同61.7%増となった。オフィスのデザイン分野や都市開発分野、そして築後年数を経たビルをリデザインし再生する事業等、新しいビジネスを生み出す時流を読んだ高い提案力が評価された。
2020年3月期は、1億円以上の大型案件の売上高が倍増した。大型案件の件数は、2018年3月期が4件、2019年3月期が7件、2020年3月期が12件であった。それらの売上金額に占める割合は、12.9%、19.4%、31.2%と上昇した。大型案件が広告塔の役割をし、今後の受注に寄与することが期待される。
2. 財務状況とキャッシュ・フロー計算書
2020年3月期末の総資産は4,571百万円と前期末比2,399百万円増加した。株式公開に伴う新株の発行等により現金及び預金が1,016百万円増加した。業容の拡大により、売掛金が1,394百万円増え、買掛金が923百万円増加した。負債合計の増加は、1,071百万円にとどまった。短期的な財務の安全性を見る流動比率は168.2%、長期的な財務比率となる自己資本比率は37.9%と大幅に改善した。
2020年12月期第1四半期の総資産は、前期末比1,286百万円減少した。売掛金が同1,735百万円減る一方、買掛金も同1,088百万円減少した。
2020年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,033百万円増の1,862百万円となった。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス107百万円、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス10百万円であったが、株式公開に伴う新株発行による収入もあり、財務活動によるキャッシュ・フローが1,151百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<NB>
1. 2020年3月期の連結業績概要
ドラフト<5070>の2020年3月期は、後半にコロナ禍により経済の不透明感が増大し、先行き不透明感が強まった。一方で、同社の売上高は前期比28.6%増の6,041百万円、営業利益が同25.5%増の478百万円、経常利益が同26.9%増の464百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.1%増の297百万円であった。売上総利益率が前期比0.7ポイント増の23.9%に上昇した。利益率が高い設計または設計・PM(設計監理)のみの案件が増加したことや業務効率化が寄与した。販管費は、事業拡大に対応する人員増、一般的な認知度を高めるための広告宣伝に資金を投下したこともあり、前期比36.0%増加した。期末の従業員数は144名と前期比23.1%増加した。
対象領域別売上高は、オフィスが前期比26.5%増、商業施設が同30.8%減、都市開発・環境設計・その他が同61.7%増となった。オフィスのデザイン分野や都市開発分野、そして築後年数を経たビルをリデザインし再生する事業等、新しいビジネスを生み出す時流を読んだ高い提案力が評価された。
2020年3月期は、1億円以上の大型案件の売上高が倍増した。大型案件の件数は、2018年3月期が4件、2019年3月期が7件、2020年3月期が12件であった。それらの売上金額に占める割合は、12.9%、19.4%、31.2%と上昇した。大型案件が広告塔の役割をし、今後の受注に寄与することが期待される。
2. 財務状況とキャッシュ・フロー計算書
2020年3月期末の総資産は4,571百万円と前期末比2,399百万円増加した。株式公開に伴う新株の発行等により現金及び預金が1,016百万円増加した。業容の拡大により、売掛金が1,394百万円増え、買掛金が923百万円増加した。負債合計の増加は、1,071百万円にとどまった。短期的な財務の安全性を見る流動比率は168.2%、長期的な財務比率となる自己資本比率は37.9%と大幅に改善した。
2020年12月期第1四半期の総資産は、前期末比1,286百万円減少した。売掛金が同1,735百万円減る一方、買掛金も同1,088百万円減少した。
2020年3月期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,033百万円増の1,862百万円となった。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス107百万円、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス10百万円であったが、株式公開に伴う新株発行による収入もあり、財務活動によるキャッシュ・フローが1,151百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<NB>