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ジャストプラ Research Memo(4):2021年1月期第2四半期累計は新型コロナウイルス感染症の影響で減収減益

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2021年1月期第2四半期累計業績の概要
ジャストプランニング<4287>の2021年1月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比15.2%減の1,037百万円、営業利益で同30.7%減の93百万円、経常利益で同29.9%減の97百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同94.4%減の5百万円となった。2020年3月以降、国内でも新型コロナウイルス感染症が拡大し、4月から5月にかけては政府による緊急事態宣言の発出によって飲食店舗の休業要請が行われるなど、外食業界の市場環境が大幅に悪化し、同社が提供する「まかせてネット」や飲食事業の売上高が減少したことが減収減益要因となった。

「Putmenu」の開発費減少や経費全般の抑制に取り組んだことで、販管費が同12.1%減の279百万円となったが、売上減に伴う売上総利益の減少をカバーしきれなかった。また、親会社株主に帰属する四半期純利益の減益率が大きくなっているのは、特別損失として貸付金にかかる貸倒引当金繰入額47百万円や投資有価証券評価損9百万円、子会社のJPパワーで展開する飲食店舗の固定資産にかかる減損損失10百万円を計上したことによる。


「まかせてネット」の売上は2020年5月を底に緩やかに回復、「Putmenu」はSS向けの導入が始まる

2. 事業セグメント別動向
(1) ASP事業
ASP事業の売上高は前年同期比8.3%減の395百万円、セグメント利益は同11.2%減の266百万円となった。「まかせてネット」等の期中平均契約店舗数は前年同期比17.6%増となったものの、既述のとおり新型コロナウイルス感染症拡大抑止のための緊急事態宣言発出により、4月から5月にかけて顧客企業で休業する店舗が増加(利用料請求せず)したことや、顧客の値引き要請に応じたことなどが減収減益要因となった。このため、セグメント利益率も前年同期の69.4%から67.2%に低下している。ただ、ASP利用料の月次売上推移を見ると、5月に前年同月比16.0%減と落ち込んだのを底として、6月は同2.7%増、7月は同3.7%増と徐々に回復している。ASP利用料を徴収する店舗が増加したことや、並行してテイクアウト業態のためのシステム化提案等に取り組んだことが売上回復の要因となっている。

2021年1月期第2四半期累計の契約店舗数の増減内訳を見ると、新規顧客の獲得で60店舗(前年同期比173店舗減)、既存顧客の新規出店(営業再開含む)で705店舗(同484店舗増)、解約で28店舗(同40店舗減)、既存顧客の閉店で752店舗(同71店舗増)となり、第2四半期末の契約店舗数は前年同期末比846店舗増、前期末比で19店舗減となった。コロナ禍で新規顧客の開拓はほとんど進まず、既存店舗の増加についても大半は休業店舗の営業再開によるものであった。ただ、解約店舗数については28店舗と引き続き低水準にとどまった点は評価できる。ここ数年、顧客とのリレーションシップ強化に取り組んできた効果が出ているものと考えられる。

市場環境の逆風が続くなかで、「Putmenu」についても、インバウンド需要や東京オリンピック・パラリンピック開催延期により、観光地向けの商談等がストップした状態となっているほか、飲食店向けについても、関心は高いものの導入に関しては慎重スタンスの企業がほとんどで、収益に貢献する時期は当初の想定よりも遅れ気味となっている。ただ、導入実績も徐々にではあるが増え始めている。Jリーグに所属する横浜FCのオフィシャルグッズ物販店に導入されたほか、徳島ヴォルティスのホーム試合開催日に設営される屋台村に新たに導入されたことにより、Jリーグでは前年のファジアーノ岡山FCに続いて合計3チームに導入されたことになる。また、同社本社がある蒲田周辺の飲食店舗活性化に向けた取り組みとして、テイクアウト専用のモバイル注文・決済サービスとして27店舗に「Putmenu」を導入した。

そのほか、2020年4月にはNECプラットフォームズ(株)がSS向けに提供するモバイル注文・決済サービス「スマホで給油オーダー」の注文・決済システムとして「Putmenu」が採用され、SS向けへの導入も始まっている。NECプラットフォームズはSS向けPOSシステムの大手で、SS向けにモバイル注文・決済サービスを導入するのは業界でも初となる。現在、セルフサービス型の2店舗(神奈川県、兵庫県)で給油の注文・決済を「Putmenu」で行えるようにしたほか、9月に導入した有人型の1店舗(東京都)では給油だけでなくフルサービスの注文・決済を「Putmenu」で行えるようにした。SS業界でも市場環境が厳しく、デジタル化による業務効率向上(省力化、ペーパーレス化等)、並びに顧客満足度の向上は経営課題となっており、これら課題を解決する「Putmenu」の潜在需要は大きいと見られる。NECプラットフォームズでは、今後3年間で1,000システムの導入を目標としており、今後の展開が注目される。

(2) その他の事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比69.8%減の43百万円、セグメント利益は同72.8%減の7百万円となった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う顧客企業の経営悪化もあって、受注済み案件等のシステム導入計画が先送りされたほか、投資計画そのものが凍結となるなどの影響が出た。売上規模の縮小に伴って、セグメント利益率も前年同期の18.2%から16.3%に低下した。

物流ソリューション事業の売上高は前年同期比2.4%減の511百万円、セグメント利益は同1.1%減の49百万円となった。外食業界向け物流ソリューションや本部業務代行サービスは市場環境と同様に、前年同期比で2ケタ減と落ち込んだものの、2020年1月期より顧客開拓に取り組んできた介護施設への給食物流サービスが順調に伸びたことで、外食業界向けの減収分をほぼ相殺する格好となり、セグメント利益率も前年同期の9.5%から9.6%と若干ながら改善した。

太陽光発電事業の売上高は前年同期比8.1%減の58百万円、セグメント利益は同2.9%減の28百万円となった。前年同期と比較して日照量が少なく、発電量が減少したことが減収要因となった。一方、減価償却費の減少によりセグメント利益率は前年同期の46.1%から48.7%に上昇している。

その他事業の売上高は前年同期比52.6%減の28百万円、セグメント利益は同54.4%減の21百万円となった。政府の緊急事態宣言発出に伴う休業要請により、福岡県にあるゴルフバー1店舗を4月から5月中旬まで休業したほか、東京にある居酒屋業態についても時短営業を強いられたことが減収減益要因となった。月次売上高の推移を見ると、5月が前年同月比86.5%減、6月が同54.6%減、7月が同42.9%減と緊急事態宣言解除後も居酒屋業態については厳しい状況が続いている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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