ジャストプラ Research Memo(6):2021年1月期業績予想は未定だが、下期も厳しい市場環境が続く見通し
[20/10/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2021年1月期の業績見通し
ジャストプランニング<4287>の2021年1月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しが不透明であり、現時点で合理的な業績予想を行うことが困難であるとの判断から未定としており、今後、業績予想の算定が可能となった段階で速やかに公表する方針を示している。
(一社)日本フードサービス協会が集計している外食店舗の売上高前年同月比伸び率の推移を見ると、全業態ベースでは2020年8月で16.0%減、居酒屋/パブ業態で59.0%減となっており、4、5月の状況と比較するとやや改善はしているものの、依然、厳しい状況であることに変わりない。10月から政府の支援策として「Go to Eatキャンペーン」が開始されたことにより、状況はさらに改善するものと期待されるが、引き続き厳しい収益環境にあるとの認識に変わりなく、第3四半期の業績も第2四半期並みにとどまるものと弊社では予想している。
テイクアウト業態向けの売上深耕、「Putmenu」の拡販、オージス総研との新規サービスの共同開発などに取り組む
2. 新たな取り組みについて
市場環境が厳しいなかで、同社は中期的な成長を目指すための取り組みとして、テイクアウト業態向けの売上深耕、「Putmenu」の拡販、オージス総研との共同開発の3つの取り組みを推進していく方針だ。
(1) テイクアウト業態向けの売上深耕
新型コロナウイルス感染症拡大によって、弁当や寿司等のテイクアウト業態が好調に推移するなか、同業態向けの売上深耕を図るべく、2020年8月に業務提携先のサン電子からテイクアウト業態向けのモバイル注文・決済アプリ「iToGo」事業を譲受した。モバイル注文・決済アプリとしては「Putmenu」があるが、顧客企業のブランド名で展開することが難しいという課題があった。「iToGo」は自社ブランド名でのアプリ展開が可能で、自社開発するよりも安価に導入できること、UIがわかりやすく使い勝手の良いことが評価され、小僧寿し<9973>に導入したのをきっかけに現在は寿司業態を中心に約300店舗で導入されている。数店舗規模の企業でも導入しやすい価格設定(月額システム利用料+決済額に対する手数料収入)となっており、デリバリー注文にも対応が可能としている。今後は、同社の顧客に対して「iToGo」の導入提案を進めていく予定となっている。今後、順調に導入店舗数が拡大すれば2022年1月期にも収益貢献するものと期待される。
(2) 「Putmenu」の拡販
「Putmenu」の拡販については、SS向けに加えて、2020年8月に「LINE」上で企業が自社サービスを展開できるWebアプリケーション「LINEミニアプリ」に対応したことを発表した。来店客はテーブルに設置された専用のQRコードをスマートフォンで読み込むだけで「LINE」アプリが起動し、店舗のメニューが画面表示され、注文・キャッシュレス決済できる仕組みとなる。QRコードは個々のテーブルに紐付いているため、店員はどのテーブルからの注文か把握することができる。コロナ禍において接触時間を極力短くしたいというニーズに合致するほか、店舗運営の省力化、顧客満足度の向上などにも寄与する。現状は、顧客企業の経営状況が厳しいこともあり積極的な営業は行っていないが、市場環境が好転すれば拡販を進めていく計画となっている。また、インバウンド需要が回復すれば、観光地向けの導入についても再度取り組んでいく方針となっている。
(3) オージス総研との共同開発
2020年6月末にオージス総研との資本業務提携を発表し、オージス総研が同社株式の10%を保有する第2位株主となっている。オージス総研は大阪ガス<9532>の子会社で、ITサービスやビッグデータ解析等の情報ソリューション事業に強みを持つ企業である。今回の資本業務提携によって、同社の持つ外食業界向けのシステム開発等のノウハウとオージス総研の開発力を融合して、次世代サービスの構築に向けた共同開発や、同社のモバイル注文・決済システムの仕組みを他業界向けのソリューションとして活用していくことも視野に入れているようだ。協業についてはスタートした段階であり、具体的なプロジェクトについては今後、企画・立案していくことになり、中長期的なプロジェクトとして今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
1. 2021年1月期の業績見通し
ジャストプランニング<4287>の2021年1月期の業績予想については、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しが不透明であり、現時点で合理的な業績予想を行うことが困難であるとの判断から未定としており、今後、業績予想の算定が可能となった段階で速やかに公表する方針を示している。
(一社)日本フードサービス協会が集計している外食店舗の売上高前年同月比伸び率の推移を見ると、全業態ベースでは2020年8月で16.0%減、居酒屋/パブ業態で59.0%減となっており、4、5月の状況と比較するとやや改善はしているものの、依然、厳しい状況であることに変わりない。10月から政府の支援策として「Go to Eatキャンペーン」が開始されたことにより、状況はさらに改善するものと期待されるが、引き続き厳しい収益環境にあるとの認識に変わりなく、第3四半期の業績も第2四半期並みにとどまるものと弊社では予想している。
テイクアウト業態向けの売上深耕、「Putmenu」の拡販、オージス総研との新規サービスの共同開発などに取り組む
2. 新たな取り組みについて
市場環境が厳しいなかで、同社は中期的な成長を目指すための取り組みとして、テイクアウト業態向けの売上深耕、「Putmenu」の拡販、オージス総研との共同開発の3つの取り組みを推進していく方針だ。
(1) テイクアウト業態向けの売上深耕
新型コロナウイルス感染症拡大によって、弁当や寿司等のテイクアウト業態が好調に推移するなか、同業態向けの売上深耕を図るべく、2020年8月に業務提携先のサン電子からテイクアウト業態向けのモバイル注文・決済アプリ「iToGo」事業を譲受した。モバイル注文・決済アプリとしては「Putmenu」があるが、顧客企業のブランド名で展開することが難しいという課題があった。「iToGo」は自社ブランド名でのアプリ展開が可能で、自社開発するよりも安価に導入できること、UIがわかりやすく使い勝手の良いことが評価され、小僧寿し<9973>に導入したのをきっかけに現在は寿司業態を中心に約300店舗で導入されている。数店舗規模の企業でも導入しやすい価格設定(月額システム利用料+決済額に対する手数料収入)となっており、デリバリー注文にも対応が可能としている。今後は、同社の顧客に対して「iToGo」の導入提案を進めていく予定となっている。今後、順調に導入店舗数が拡大すれば2022年1月期にも収益貢献するものと期待される。
(2) 「Putmenu」の拡販
「Putmenu」の拡販については、SS向けに加えて、2020年8月に「LINE」上で企業が自社サービスを展開できるWebアプリケーション「LINEミニアプリ」に対応したことを発表した。来店客はテーブルに設置された専用のQRコードをスマートフォンで読み込むだけで「LINE」アプリが起動し、店舗のメニューが画面表示され、注文・キャッシュレス決済できる仕組みとなる。QRコードは個々のテーブルに紐付いているため、店員はどのテーブルからの注文か把握することができる。コロナ禍において接触時間を極力短くしたいというニーズに合致するほか、店舗運営の省力化、顧客満足度の向上などにも寄与する。現状は、顧客企業の経営状況が厳しいこともあり積極的な営業は行っていないが、市場環境が好転すれば拡販を進めていく計画となっている。また、インバウンド需要が回復すれば、観光地向けの導入についても再度取り組んでいく方針となっている。
(3) オージス総研との共同開発
2020年6月末にオージス総研との資本業務提携を発表し、オージス総研が同社株式の10%を保有する第2位株主となっている。オージス総研は大阪ガス<9532>の子会社で、ITサービスやビッグデータ解析等の情報ソリューション事業に強みを持つ企業である。今回の資本業務提携によって、同社の持つ外食業界向けのシステム開発等のノウハウとオージス総研の開発力を融合して、次世代サービスの構築に向けた共同開発や、同社のモバイル注文・決済システムの仕組みを他業界向けのソリューションとして活用していくことも視野に入れているようだ。協業についてはスタートした段階であり、具体的なプロジェクトについては今後、企画・立案していくことになり、中長期的なプロジェクトとして今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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