ALBERT Research Memo(5):2Q累計は人件費増などで営業減益も、売上高は2ケタ成長を継続
[20/11/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
ALBERT<3906>の2020年12月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比13.0%増の1,255百万円と2ケタ増収が続いたものの、営業利益が同5.9%減の72百万円、経常利益が同6.7%減の74百万円と減益に転じ、四半期純利益に関しては2019年12月期決算の不適切な会計処理に係る特別調査費用176百万円を特別損失として計上したことにより、114百万円の損失(前年同期は77百万円の利益)を計上した。
売上高については主力のプロジェクト型サービスが、CATALYSTパートナーを中心とした重点顧客向けに順調に推移し、前年同期比2ケタ増と好調に推移したほか、自社プロダクトも「スグレス」「タクミノメ」ともに契約件数が着実に増加し、堅調に推移し、半期ベースで過去最高を更新した。業界別売上高について見ると、自動車、流通・インフラ、金融向けが伸長した。自動車向けについては自動運転をテーマとしたプロジェクトが進んでいるほか、「スグレス」の導入社数増加が寄与した。2019年12月期に新たにCATALYSTパートナーとなった日本ユニシスやSMFG等向けの案件増加も期待され、今後、これら提携先を中心とした顧客からの売上が堅調に推移していく見込み。
売上総利益率は前年同期の64.9%から60.8%と4.1ポイント低下した。売上総利益率の低下要因は、一部の案件で投入工数が想定以上に増加し、採算が悪化したことが主因となっている。ただ、これら案件については既に納品が完了しており、第3四半期以降の収益への影響はない。また、販管費は前年同期比7.3%増の690百万円となった。主には人員増強に伴う人件費の増加が主因となっている。2020年4月の新卒社員数が29名と前年の14名から2倍に増加し、これらの人件費や研修費用などが増加した。
以上を踏まえ、四半期業績の推移を見ると、第2四半期の売上高が前年同期比2.3%減の566百万円、営業損失で55百万円(前年同期は57百万円の利益)と悪化したが、これは新型コロナウイルス感染症の影響で顧客の意思決定に遅れ等が生じ、案件開始時期の遅れが発生したことや、人員増による費用増により販管費が増加(前四半期比94百万円増)したこと等の一時的な要因が影響していることから、第4四半期にかけて業績は回復基調で推移していく見込みである。
データサイエンティストの内部稼働率の推移を見ると、2018年12月期の戦略転換以降は75%前後(従前は50%前後)で推移してきたが、2020年12月期第2四半期は顧客の意志決定遅れの影響等により59.1%まで低下した。ただ、下期は同社が適正水準とする75〜80%まで回復する見込みとなっている。
自己資本比率は80%以上の水準で財務体質は良好
2. 財務状況と経営指標
2020年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比177百万円減少の3,517百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は新型コロナウイルスの影響による売上減少に伴い受取手形及び売掛金が141百万円、現金及び預金が19百万円それぞれ減少し、固定資産は投資その他の資産が25百万円減少した。
負債合計は前期末比63百万円減少の415百万円となった。金融機関からの借入金が48百万円減少したことが主因となっている。純資産は前期末比114百万円減少の3,101百万円となった。四半期純損失114百万円の計上により利益剰余金が減少した。
経営指標を見ると、自己資本比率は前期末の86.9%から88.1%と1.2ポイント上昇し、借入金の減少により有利子負債比率は同6.8%から5.5%に低下した。業績面では一時的に悪化したものの、財務体質については良好な状態を維持しているものと判断される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
ALBERT<3906>の2020年12月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比13.0%増の1,255百万円と2ケタ増収が続いたものの、営業利益が同5.9%減の72百万円、経常利益が同6.7%減の74百万円と減益に転じ、四半期純利益に関しては2019年12月期決算の不適切な会計処理に係る特別調査費用176百万円を特別損失として計上したことにより、114百万円の損失(前年同期は77百万円の利益)を計上した。
売上高については主力のプロジェクト型サービスが、CATALYSTパートナーを中心とした重点顧客向けに順調に推移し、前年同期比2ケタ増と好調に推移したほか、自社プロダクトも「スグレス」「タクミノメ」ともに契約件数が着実に増加し、堅調に推移し、半期ベースで過去最高を更新した。業界別売上高について見ると、自動車、流通・インフラ、金融向けが伸長した。自動車向けについては自動運転をテーマとしたプロジェクトが進んでいるほか、「スグレス」の導入社数増加が寄与した。2019年12月期に新たにCATALYSTパートナーとなった日本ユニシスやSMFG等向けの案件増加も期待され、今後、これら提携先を中心とした顧客からの売上が堅調に推移していく見込み。
売上総利益率は前年同期の64.9%から60.8%と4.1ポイント低下した。売上総利益率の低下要因は、一部の案件で投入工数が想定以上に増加し、採算が悪化したことが主因となっている。ただ、これら案件については既に納品が完了しており、第3四半期以降の収益への影響はない。また、販管費は前年同期比7.3%増の690百万円となった。主には人員増強に伴う人件費の増加が主因となっている。2020年4月の新卒社員数が29名と前年の14名から2倍に増加し、これらの人件費や研修費用などが増加した。
以上を踏まえ、四半期業績の推移を見ると、第2四半期の売上高が前年同期比2.3%減の566百万円、営業損失で55百万円(前年同期は57百万円の利益)と悪化したが、これは新型コロナウイルス感染症の影響で顧客の意思決定に遅れ等が生じ、案件開始時期の遅れが発生したことや、人員増による費用増により販管費が増加(前四半期比94百万円増)したこと等の一時的な要因が影響していることから、第4四半期にかけて業績は回復基調で推移していく見込みである。
データサイエンティストの内部稼働率の推移を見ると、2018年12月期の戦略転換以降は75%前後(従前は50%前後)で推移してきたが、2020年12月期第2四半期は顧客の意志決定遅れの影響等により59.1%まで低下した。ただ、下期は同社が適正水準とする75〜80%まで回復する見込みとなっている。
自己資本比率は80%以上の水準で財務体質は良好
2. 財務状況と経営指標
2020年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比177百万円減少の3,517百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は新型コロナウイルスの影響による売上減少に伴い受取手形及び売掛金が141百万円、現金及び預金が19百万円それぞれ減少し、固定資産は投資その他の資産が25百万円減少した。
負債合計は前期末比63百万円減少の415百万円となった。金融機関からの借入金が48百万円減少したことが主因となっている。純資産は前期末比114百万円減少の3,101百万円となった。四半期純損失114百万円の計上により利益剰余金が減少した。
経営指標を見ると、自己資本比率は前期末の86.9%から88.1%と1.2ポイント上昇し、借入金の減少により有利子負債比率は同6.8%から5.5%に低下した。業績面では一時的に悪化したものの、財務体質については良好な状態を維持しているものと判断される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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