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ALBERT Research Memo(7):CATALYST戦略に基づく提携先の探索を継続

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

3. CATALYST戦略について
ALBERT<3906>は成長戦略としてCATALYST戦略を打ち出している。今後のAIネットワーク化社会の到来に向け、各産業間でのAI・データシェアリングの連携が必須とされる一方で、現在は異業種間で保有するデータが異なる(データ構造や情報セキュリティレベル等)ため、データが持つ価値を十分に生かし切れていない状況にある。こうした課題に対して、同社が触媒機能としてそれぞれ異なる産業に属する企業の間に立ち、AI・データシェアリングを目的としたデータ分析及びアルゴリズム開発を行うことによって、データが持つ価値を最大限に高め、AIネットワーク化社会を実現していく。CATALYST戦略を推進していくためには、AI分野における高水準の技術力を持つことが必須となるが、同社では先端技術の研究を継続的に行っており、顧客が求める要求水準に応えていることが強み。今後も、CATALYSTパートナーは段階的に増えていく見込み。

CATALYST戦略による共同プロジェクトでは、2018年10月よりトヨタ自動車、Toyota Research Institute-Advanced Development, Inc.及び東京海上日動火災保険等と高度な自動運転の実現に向けたビッグデータ分析及びAIアルゴリズムの開発を進めてきた実績があるが、ここ最近では異業種間でのデータシェアリングの重要性が認知されるようになってきており、同社への問い合わせも増えてきているようで、水面下では協議が進んでいる。同社はこうしたCATALYST戦略の事例を多く積み上げていくことで成長を加速していくほか、自社開発または提携先企業と共同開発したプロダクトの知財を共有し、他の企業に提供(手数料収入あるいはライセンス収入の増加)することで利益率の一段の向上を図り、非連続な成長を目指していく戦略となっている。

CATALYSTパートナーとの共同開発でサービス化された事例として、2020年3月に発表した「事故状況再現システム」がある。東京海上日動火災保険と共同開発したもので、自動車の事故発生時にドライブレコーダーの映像データやGPS、加速度センサー等のデータを収集・解析し、外部環境(信号機の色や道路情報等)を分析して「事故状況を再現」し、「責任割合を自動算出」する国内初のシステムとなる。東京海上日動火災が提供するドライブレコーダーを活用した自動車保険の特約サービス(DAP:ドライブエージェントパーソナル(個人向け)/DA:ドライブエージェント(法人向け))の契約者(2019年12月末時点、約36万件)が利用可能となる。通常、事故現場の調査が必要な場合には、状況確認に1週間程度の時間を要するが、同システムを使えば事故データの受信後、5分程度でAIシステムが事故状況と責任割合を算出してくれるため、契約者にとっては状況説明を行う手間が省けるため、顧客満足度の高いサービスとなる。サービス開始以降、システムは順調に稼働しているようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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